美術学部・美術研究科 建築科

建築科

◆学科・専攻概要

授業風景

 建築科は、1887年創設の本学の前身である東京美術学校のもとに、1902年に図案科建築教室が設置されたことから始まりました。その後1923年に建築科となり、今日まで我が国の建築界を代表する多くの建築家を輩出してきました。

【建築設計を学ぶ環境】
 本学の建築科が他大学と大きく違うところは、日本の多くの大学が属する工学系ではなく、美術系に属し、建築家の養成を目指している唯一の国立の教育機関ということです。
 もう一つの特色は、建築教育の軸を建築設計に置いていることです。建築設計実技に重点がおかれ、それを通して建築の知識や技術を学び、建築家として必要な総合的な能力を養っていきます。それらの教育方針は少人数教育によって初めて可能になります。専任教員9人に対し本学の一学年の定員は学部15人、大学院修士16人という恵まれた環境です。そのなかで個性と創造力を伸ばすために、型にはめない自由で緊密な教育が行なわれています。


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◆カリキュラム

○カリキュラム(学部教育)
 建築科の教育内容は、「建築の設計」の修得に重点を置いていることに特徴があります。幅広い科学的知識や思考力を養うとともに、感受性の鋭さや表現の独自性を追求できるような教育システムを編成しています。直接的な実技指導を通して、建築に対し強い情熱をもった人間を養成することを目標としています。
カリキュラムは、専門実技(建築設計)と専門学科で構成されています。建築設計は、学年に応じて設計課題が与えられ、段階的に進められます。

椅子展

■1年次
 建築の設計に向かう導入部として、課題は、建築の構成やその表現方法などの基礎的な学習と各自の創造性の開発を目標にしたものです。また、木を素材とする椅子の課題は、その設計から実物の製作まで自ら行うことで、身体を通してデザインを学ぶ重要な課題です。


■2年次
 課題は、前期の住宅から後期の学校へと、個人の空間から集団の空間へと対象を広げていきます。誰もがもっている経験を起点とし、諸事例に学び想像力を広げながら、新たな提案に向かっていきます。また、空間やそのかたちの実在化を学ぶ構造デザインの課題が後期に設定されています。夏期に実施する実測は、実在の建築に触れ、その構成を観察し、正確に記録し、表現する貴重な体験学習です。


■3年次
 建築の空間的な組織を学ぶために、集合的な建築や複合的な建築の課題に取り組みます。また、建築の社会性に広く目を向け、多様な価値観によって構築されている世界との関わりようを各自が見出していきます。また後期に実施する「古美術研究旅行」は、日本の伝統的な建築やその空間の仕組みをあらためて見つめ、現代の創造性との関わりを考える体験です。


■4年次
 学年の最初に、3年間で学んだこれまでの経験を駆使して、都市スケールの空間に取り組みます。分析からプログラムの立案、表現方法などを学びながらプロジェクトの提案を行います。その後、卒業制作につながるプレディプロマ課題が設定され、夏期以降は卒業制作に取り組みます。卒業制作は、テーマや条件、プログラム設定等をすべて自らが行い、長い時間とエネルギーをかけて各人の集大成となる作品を制作していきます。


■大学院修士課程
 修士課程のカリキュラムも大きく二つに区分しています。一つは、学部で身に付けた教育内容を基本として、さらに高度かつ専門的な内容の学科科目(建築特論:建築史・構造・建築計画・建築論など)です。もう一つは、所属する研究室で行われるゼミで、教員の指導のもとに、自らの興味に従って研究テーマを定め実施していきます。修了制作・修了論文はその集大成です。


■大学院博士後期課程
 博士後期課程は、所属する研究室を基盤として、博士学位の取得を目指して自らのテーマを深め、その成果を外部に向けて発信していきます。
○その他 (国際交流、留学生の受入れ、卒業後の進路など)

<国際交流>

 国際交流協定提携校を中心に活発な交流を行っています。2009年現在で建築科が交流を実施している提携校は以下の通りです。現在、海外の教育機関から本学の建築科に留学している修士課程大学院生は3名、本学の建築科から海外へ留学している大学院生は6名です。

ウィーン応用芸術大学(オーストリア)
ウィーン工科大学(オーストリア)
シュトゥットガルト美術大学(ドイツ)
ミラノ工科大学 建築構法学部(イタリア)
         建築社会学部(イタリア)
         デザイン学部(イタリア)
リヒテンシュタイン国立大学(リヒテンシュタイン)
ロンドン芸術大学(イギリス)
ミマール・シナン美術大学(トルコ)
韓国芸術総合学院(韓国)
中国美術学院(中国杭州)
中央美術学院(中国北京)


<資格>
 学部卒業時、2級建築士の受験資格を得ることが出来ます。また学部卒業後、2年以上の実務経験を経ることで、1級建築士の受験資格が得られます。

<進路>
 卒業後の進路は、国内外の建築設計事務所あるいは大手建設会社の設計部です。近年の主要な就職先は以下の通りです。

青木淳建築計画事務所/芦原太郎建築事務所/安藤忠雄建築研究所/磯崎新アトリエ/伊東豊雄建築設計事務所/乾久美子建築設計事務所/妹島和世建築設計事務所/谷口吉生設計事務所/槇総合計画事務所/山本理顕設計工場

アラップ・アソシエイツ(イギリス)/ザハ・ハディド設計事務所(イギリス)/トーレス&ラペーニャ設計事務所(スペイン)/ドミニク・ペロー設計事務所(フランス)/ベルナルド・セッキ設計事務所(イタリア)/ミラーレス・タリアブエ設計事務所(スペイン)

日建設計/日本設計/大林組/竹中工務店など


【アドミッションポリシー(学部)】


 建築科は、優れた建築家、つまり優れた建築を生みだすことの出来る人材を世界に送り出したいと考えています。

 建築は人が生み出す多くの造形のなかで、最も総合的なものです。世の中の全てのものが建築と関わりをもっているといえます。従って、建築の設計を習得し、建築の設計者となるためには、社会、文化、芸術、工学に関わる総合的な知識や技術を学ぶ能力が必要です。

 同時に建築は人とその環境のあり方を追求する役割を担っています。建築を目指す人は、人や人の集まり、人の生活、人を取り巻く都市や自然への興味を持っている人でなければなりません。

 それらを踏まえて、さらに優れた建築を生み出すには、高い創造性が必要です。それには、ものを創造することに対する興味と探求心が必要です。建築の分野だけにとどまらず、広い視野から新しいデザインや他の芸術分野に対する興味をもっている人を求めます。

 私たちは建築に必要な創造性を開発していく、他の大学にはない教育プログラムをもっています。建築実技設計を全体の中心においたシステムです。具体的な設計課題を通して知識や技術を学ぶとともに、問題を分析し、思考し、そして創造的プロセスを経て建築に結実させていきます。その全てのプロセスを通して優れた建築を生み出す能力を身につけていきます。

 私たちの期待する人は創造的な資質をもっているとともに、新しい建築を求める意欲と情熱をもっている人です。


【アドミッションポリシー(大学院)】
 東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻では、学部で修得した知識や技術を基に、より専門的に高度な建築家や研究者の育成を目指しています。特論などの講義は、専攻共通ですが、創作・研究活動は教員を中心に研究室で行われます。そこで、本専攻を志望する学生は、東京藝術大学ホームページに記載されている「教員総覧」で各教員の研究創作テーマを確認し、個別にコンタクトして下さい。


<入試>
 以上のような、本学で建築を学ぶ資質を選考するために、以下の入試を課しています。

-学部入試-
 学科は「センター試験」を採用し、総合的な学ぶ能力を審査します。建築の設計者には歴史や文化、数学や科学、そして語学といった幅広い知識が要求されるため、学科も重要視しています。
 実技(1次)は「空間構成」です。簡単な図法を基にした3次元の立体や空間の考察と創造的思考による空間構成力と描写力を審査します。
 実技(2次)は2つの試験を課しています。まず「造形」では、数種類の素材を用いた立体や空間造形物の創造性や構造的な合理性を審査します。そして「写生」では、主に実在する建築物を対象とし、建築物とそれが建つ場所への正確な観察力や空間認識力、描写力を審査します。
 以上の全てを総合的に判断し、適性者を選抜します。
※なお、平成23年度からは入試科目等の変更がありますので、詳しくは募集要項をご覧下さい。

-大学院入試-
 学科は建築に対する基本的な専門知識(建築史、構造力学)と語学(英語)の能力の審査です。建築の設計に対する能力を審査するために、ポートフォリオの提出と設計製図の実技試験が課せられています。

※詳しくは募集要項をご覧下さい。


指導教員:
建築設計 黒川哲郎
建築設計 元倉眞琴
建築設計 トム・ヘネガン
環境設計 北川原 温
環境設計 ヨコミゾマコト
構造計画 金田充弘
建築理論 光井 渉
建築理論 野口昌夫
髙田 傑
教育科目:
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