『森鷗外と原田直次郎―ミュンヘンに芽生えた友情の行方―』の出版について
明治の文豪森鷗外と洋画家原田直次郎との交流を描いた新関公子著『森鷗外と原田直次郎―ミュンヘンに芽生えた友情の行方―』(東京藝術大学出版会発行)が完成し、2月26日より、藝大アートプラザで販売しています。
青年軍医森林太郎が小説家森鷗外へと変身したのは、ミュンヘンで画学生原田直次郎に出会ったことがきっかけだった――若き鷗外のロマン主義的三部作『うたかたの記』『舞姫』『文づかひ』に込められた二人の青春の記憶と美術的教養を分析し、東京美術学校創立前後の洋画家がおかれた悲劇的状況を語る本書の前半は、明治中期の美術と文学の理解に一石を投じるものでしょう。
また、二人の共通の友人であるドイツ人画家ユリウス・エクステルに係わる最後の章は、従来、原田直次郎作とされていた《エクステル像》(本学大学美術館蔵)が、実はエクステルの《自画像》であることを論証した重要な美術館年報掲載論文です。大学美術館のデータベースはすでにこの論文に従って作品の帰属を変更しており、美術館関係者にとっても必読の書といえます。
著者は2002年より本学大学美術館教授として「赤松麟作とその周辺」展、「HANGA 東西交流の波」展、「パリへ 洋画家たち百年の夢」展、「De Kuroda a Foujita, Peintres Japonais a Paris(黒田から藤田まで、パリに学んだ日本の洋画家たち)」展(パリ日本文化会館で実施)などを企画・実現してきました。また、美術と文学の出会いを長年のテーマとして、すでに『漱石の美術愛推理ノート』(1998年、平凡社)、『セザンヌとゾラ―その芸術と友情―』(2000年、ブリュッケ)を出版していますが、退任を記念する本書もそのテーマの延長線上に位置するものです。
2008年2月25日発行
著者:新関公子
発行:東京藝術大学出版会
価格:本体2,000円+税
販売・お問い合わせ:藝大アートプラザ TEL: 050-5525-2102
オンライン書店で購入:amazon.co.jp







