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幸田延の『滞欧日記』

koudanobu わが国の明治以後の近代洋楽史は、幸田延(明治三〜昭和二十一年)の存在なしには語れない。留学から帰国後の明治二十八年、彼女は直ちに東京音楽学校教授となり、洋楽界の発展に大きな貢献をした。しかし、明治四十二年秋、東京音楽学校から休職を命じられ、同年十一月から四十三年夏にかけて八ヵ月余り、ベルリン、ヴィーン、パリ、ロンドンの四都市に滞在することになった。この間、ヴィーン滞在あたりから、彼女の日記の使用言語はほとんどドイツ語に変わっていく。
 本書は、その日記の翻刻と現代語訳である。滞在中に見聞したコンサートやオぺラのこと、パリ音楽院の卒業試験の様子、クララ・シューマンの弟子グループ(女性音楽家たち)との交流など、多岐にわたる内容は、近代音楽史の貴重な第一次資料である。
 他方、彼女が東京音楽学校を追われるという不条理で陰湿なドラマが着実に進行しており、それが時折、幸田延の記述に間欠泉のように噴出する。したがって、本書は日記体のスリラー小説のような趣があるが、ハッピー・エンドは訪れない。その詳細は、冒頭の瀧井の小論で示されるが、時代の先を行きすぎた女性の悲劇は読む者の胸を打つであろう。

著者:瀧井敬子、平高典子
定価:本体3,400円+税
ISBN:978-4-904049-29-7 C3070
発行:2012年3月5日

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