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「邦楽器が受け継ぐ 技・形・音 こめられた丹精」関連企画
三味線は「わざ」のかたまりだ!さぐろう伝統楽器の世界

開催日:      平成26年11月22日(土)
時間:       10時〜15時半
場所:       東京藝術大学正木記念館
実施代表者:    植村 幸生(音楽学部・教授)
参加者(受講生): 小学生1名、中学生8名



本企画は、平成26年度ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI(研究成果の社会還元・普及事業)のプログラムとして企画されました。

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参加者に三味線の胴の革張りを見せる根ぎし菊岡三絃店の堀込敏雄氏

1. プログラムの目的
  邦楽器(=日本の伝統楽器)作りには、驚くほどたくさんの「わざ」がつまっています。楽器作りの職人さんは、長く厳しい修行を続けて、これらの「わざ」を代々受け継いできました。しかし、21世紀の現代社会では、昔と物の考えや感じ方が大きく変化し、昔どおりに楽器を作るためには問題が多く、職人さんは深い悩みを抱えています。三味線は邦楽器の代表で、邦楽器は日本の伝統文化の大切な一部分です。伝統文化のうけつぎ方を考えることは、物を作る人だけの課題ではありません。伝統文化のすそ野に生きる私たちも、もっと関心をもつべき問題ではないでしょうか。私たちグループはそう考え、三味線作りのプロセスを体感してもらうために、今回のプログラムを準備しました。

2. 研究成果をわかりやすく伝えるために工夫した点
  職人さんが手間ひまをかけ、情熱をこめたといっても、できあがった楽器から、隠れた「わざ」は見えてきません。そこで、三味線づくりのプロセスを体感できるよう、以下のコーナーを順番に見聞きし、体験するプログラムをくみました。①三味線の素材や製作工程の実物を展示、②三味線本体と糸の製作工程をまとめた動画の上映、③職人さんによる三味線革張り実演とおはなし、④三味線の伴奏で長唄演奏を鑑賞、⑤参加者による三味線実習。 展示品には、胴の裏側に音響効果用に彫り込んだ「綾杉胴」や、三味線つくりで使う様々な工具類もふくめました。これらを動画でもとりあげたので、受講生のみなさんも強い印象を持ったようです。また職人さんの実演とお話コーナーでは、張る前の革をさわったり、張りおえた革の弾力をたしかめるなど、貴重な体験ができました。おわりに鑑賞と実習をつなげたのは、作る「わざ」を持つ人から、演奏する「わざ」を持つひとに、楽器が手渡され、自分も「わざのかたまり」である三味線を手にしていることを、実感してもらいたいと考えたからです。

3. 当日のスケジュール
 10:00-10:30  集合・受付(東京藝術大学正木記念館前)
 10:30-11:00  開講式(あいさつ、オリエンテーション、科研費の説明)
 11:00-12:00  展示見学(実施分担者による説明)
 12:00-13:00  昼食休憩(参加者が自己負担)
 13:00-13:30  三味線製作者による胴革張りのデモンストレーション見学
 14:00-14:30  長唄三味線実演鑑賞(東京藝術大学正木記念館2階)
 14:30-15:00  参加者による長唄三味線の体験実習
 15:00-15:30  修了式(アンケート記入、修了証授与)
 15:30       終了、解散

 当日の様子  

開講式
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左:正木記念館の2階で開講式を待つ受講生、右:開講式の挨拶を行う本学教授・植村幸生

展示見学
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左:受講生の展示見学の様子、右:三味線の製作過程動画を鑑賞


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鳴り物を手に取り音を出してみる

三味線製作者による胴革張りのデモンストレーション見学
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受講生に三味線の胴革張りのデモンストレーションを見せる根ぎし菊岡三絃店の堀込敏雄氏

長唄三味線実演鑑賞
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左:長唄三味線の実演を見る受講生、右:右から関口奈々恵(三味線)、小林百合(唄)、小島直文(三味線)、村尾麻里子(唄)

参加者による長唄三味線の体験実習
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小島直文による受講生への三味線の指導

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