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平成29年度入学式(4/5) -故きをたずねて新しきを創る、もって藝大生たるべし-

2017年04月05日 | イベント, 全て, 大学全般

日時:平成29年4月5日(水) 11:00~11:40 場所:奏楽堂

式次第
1.奏楽
2.入学許可
3.学長式辞
4.役員等紹介
5.奏楽

 4月5日(水)、満開の桜に彩られて、11時より奏楽堂にて平成29年度入学式が挙行されました。音楽学部有森博准教授と坂井千春准教授によるピアノ連弾で「スペイン」(シャブリエ作曲)が演奏され、晴れやかな雰囲気のなか式は幕を開けました。
 今年の新入生は、学部474名、大学院修士課程435名、大学院博士後期課程62名、大学別科26名の総勢997名。初々しいスーツに身を包んだり、個性的なファッションをまとったりと、装いも様々な新入生で会場は満席となりました。

 澤学長ならびに音楽学部在学生の弦楽アンサンブルにより「弦楽のための組曲」から「O Waly, waly」(いずれもジョン・ラター作曲)を奏でると、会場は一変、穏やかな優しい空気に満たされました。
 式辞では、芸術の力を信じ、藝大130年の歴史の上にたってそれぞれの専門分野での能力に磨きをかけるとともに、他分野との交流にも挑戦していくようにと、“故(ふる)きをたずねて新しきを創(つく)る、もって藝大生たるべし”との期待を込めて「温故創新」の言葉が贈られました。

 閉式は音楽学部有森博准教授と坂井千春准教授による「2つのロシアの主題によるコンチェルティーノ」(ローゼンブラット作曲)。目にも楽しい連弾で新入生たちの輝ける未来を祝福しました。会場は拍手と喝采に包まれ、朗らかな雰囲気のなか無事閉式しました。

平成29年度入学式 式辞

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。

皆さんを東京藝術大学の一員として迎えられたことを大変嬉しく思い、教職員を代表して、心よりお祝いを申し上げます。ご列席のご家族の方々にも、心よりお慶び申し上げます。

ただいま在学生の弦楽アンサンブルの協力を得て皆さんに聴いていただいたのは、イギリスの作曲家ジョン・ラターによる「弦楽のための組曲」から「O Waly, waly」と題された曲です。原曲は16世紀ごろからスコットランドで歌い継がれてきた民謡で、数年前にNHKの朝の連続テレビ小説、「花子とアン」や「マッサン」でも、登場人物のスコット先生やヒロインのエリーが遠い故郷を懐かしんでよく歌っていましたし、「悲しみの水辺」という題で、日本語でも歌われているので、メロディに聞き覚えのある方も多いと思います。
その歌詞の内容は、失われてしまった愛や過去を想う、切ないものですが、メロディは、その悲しみを包み込み、慰めるような優しさに溢れ、「癒し系」の音楽として、私の最も好きな曲のひとつです。

一方、入学式の冒頭では、有森 博先生と坂井千春先生による素晴らしいピアノ連弾で、シャブリエの狂詩曲「スペイン」が演奏されましたが、こちらは、自由闊達で、躍動感に溢れるわくわくするような曲想でした。

このように、優れた音楽や美術、あるいは映像作品には、人の心や体に直接訴えかけ、この奏楽堂のような大きな空間を支配してしまう力があります。
現代人は、科学技術のめざましい発達で、多くの便利さを手に入れましたが、一方で、心や体の不調を訴える人も増えています。その多くは、人類が気の遠くなるほどの長い時間をかけて環境に順応し、進化を遂げてきたスピードが、現代社会の急激な変化について行けず、大きなストレスとなっている事が原因ではないかと思われます。

芸術には、人を励まし、勇気づけ、あるいは悩める人、病める人を慰め、癒す強い力があります。皆さんには、その芸術の力を信じて藝大での充実した学生生活を過ごしていただきたいと思います。

東京藝術大学は、今年、創立130周年を迎えます。この機会に、これまで以上に国際化を推し進め、性別や国籍、或いは障害のあるなしに関わらず多様な人達が活躍できるダイバーシティ環境の整備、そして藝大130年の伝統の上に立って、科学や医学、スポーツなど他分野との出会いで新しい価値を生み出すことへのチャレンジを通して、学生や卒業生にさらなる活躍の場を提供してゆきたいと考えています。

中国の春秋時代の思想家、孔子の言葉を集めた「論語」に「温故知新」(おんこちしん)という有名な四字熟語があります。“故きをたずねて新しきを知る、もって師となるべし” これは、古きもの(つまり古典)を良く勉強して、そこから新たな知識や道理を得る、それこそが教育者にふさわしいと述べています。

東京藝大では、美術、音楽、映像の3分野に加え、昨年度から国際芸術創造研究科のアートプロデュース専攻もスタートしました。皆さんは、それぞれの専門分野での能力に磨きをかけるとともに、世界でも稀な総合芸術大学に在籍するというメリットを生かし、他分野との交流にも大いにチャレンジしてもらいたいと思います。

また、2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会に向け、スポーツの祭典だけではなく、その文化プログラムで、東京藝大に向けられている期待は大変大きいものがあります。昨年、世界文化遺産登録を果たした国立西洋美術館をはじめ、東京文化会館、東京国立博物館など日本の文化芸術の集積地としての上野公園地区の一員として、また、昨年夏に発足した全国芸術系大学コンソーシアムの中心的存在として、重要な役割を担っています。

今、藝大正門前から谷中方面に抜ける道には、かつてないほどの人の流れが生まれ、外国からの訪問者は、今後も飛躍的に増えることでしょう。こうした中にも、新しい出会いが生まれるのではないかと思います。

入学式にあたり、
“故(ふる)きをたずねて新しきを創(つく)る、もって藝大生たるべし”
「温故創新(おんこそうしん)」
という言葉を皆さんに贈りたいと思います。

皆さんの活躍を期待しています。本日は本当におめでとうございました。