東京藝術大学は、研究活動の活性化を図るため、平成22年度より大型の競争的研究資金獲得を目指した助走的研究を対象とした『研究推進プロジェクト』の公募を行っております。
この『研究推進プロジェクト』の成果としまして、「迎賓館赤坂離宮天井絵画修復事業に関わる予備調査」(研究代表者:美術研究科木島教授)が科学研究費助成事業【科学研究費補助金】基盤研究Aに採択され、研究を開始しております。
ここに「迎賓館赤坂離宮天井絵画修復事業に関わる予備調査」の研究成果報告を掲載いたします。
本学では、今後もこのプロジェクトの研究成果により、大型の科学研究費助成事業等の外部資金獲得につなげ、更なる研究展開ができることを期待しています。
美術研究科・教授 木島隆康
天井絵画修復が予定されている迎賓館(旧東宮御所)は明治天皇の皇太子殿下・嘉仁親王(後の大正天皇)の御成婚後の新居として、宮廷建築家 片山東熊の設計により1909(明治42)年に建設されたネオバロック様式の洋風建築である。その後、昭和44(1969)年から5年にわたり村野藤吾により改修され、昭和49(1974)年より国の迎賓施設として使用されている。そして平成21(2009)年12月8日、旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)として《国宝》に指定され、明治以降の文化財として初の国宝となる建造物である。
本調査は、迎賓館天井絵画修復を前提に予備調査を実施し、適切な修復方法を検証する目的で、「西御学問所」を対象に下記の調査を行った。
天井画の近接撮影 | 蛍光X線分析装置による測定 | 洗浄テスト中 |
[調査内容]
1.天井絵画の状態調査:
〈正常光写真/全図〉 | 〈紫外線蛍光写真/全図〉 | 〈赤外線写真/全図〉 |
〈正常光写真/近接〉 | 〈正常光写真/近接〉 | 〈正常光写真/近接〉 | 〈正常光写真/近接〉 |
〈撮影内容〉正常光写真 ・紫外線蛍光写真 ・赤外線写真 ・近接写真
2.昭和の修復に関する文献等の調査
3.まとめ