音響心理研究法(通年・4単位)

丸井淳史

2017年度

時間・場所

概要

本講義では音響心理学の中でも、音響心理学研究の深い理解を目的として特に実験手法と得られたデータの分析法からの視点で学習します。

音を科学的に扱うためには注意深く計画された実験が不可欠です。この講義では特に音響心理研究における、実験素材の準備、実験計画、実施、分析などを扱います。

統計の知識があることが望ましいですが、必須ではありません。また、英語の文献を読むこともあります。

履修条件:学部生については音楽環境創造概説1および2を履修済みであること。

講義内容

授業の資料(学外からはアクセスできません)

前期

2017-04-07 音響の簡単な復習と講義概要
講義の対象や概要の説明、聴覚の復習。
2017-04-14 評価実験の必要性
音の評価実験の必要性、標準規格と客観評価モデルの利用。
2017-04-21 科学的方法論
科学的知識体系における二大主義(経験主義と合理主義)とその発展について。
2017-04-28 研究の流れ
研究に関係する一連の流れ(研究目標の設定から実験を経て報告まで)
2017-05-12 精神物理学的測定法
知覚閾・知覚頂・弁別閾・主観的等価値などの精神物理学的定数を測定する方法。
2017-05-19 印象の定量化--回答属性
主観実験に用いられる評価語の選定方法
2017-06-02 印象の定量化--回答形式
主観実験に用いられる尺度について
2017-06-16 印象の定量化--尺度の選択とバイアス
実験に使う尺度を決定する基準と、実験の中で現れる様々なバイアス(回答や評価のかたより)について
2017-06-23 実験の変数
実験をするための、独立変数の制御・統制の話(刺激の作成、被験者の選抜 など)
2017-06-30 前期課題
Aコース・Bコースそれぞれの課題

後期

後期前半は夏期課題の発表です。

2017-10-05 Aコース課題発表:研究計画(安達)
「オーボエ演奏音における遠鳴り · そば鳴りに関する検討」
2017-10-13 Bコース課題発表:文献講読(劉)
N. Zacharov and G. Lorho, ``What Are the Requirements of a Listening Panel for Evaluating Spatial Audio Quality?'' Presented at Spatial Audio and Sensory Evaluation Techniques, Audio Engineering Society British Section, Guildford, United Kingdom, 2006. (Googleで検索
2017-10-13 Bコース課題発表:文献講読(張)
N. Zacharov and K. Koivuniemi, ``Audio Descriptive Analysis & Mapping of Spatial Sound Displays'' In Proceedings of the 2001 International Conference on Auditory Display, Espoo, Finland, July 29-August 1, 2001. (Googleで検索

課題

Aコース
最終課題の内容をもって学会・研究会での発表を目指す学生、次年度の卒業・修了論文の予備実験としたい学生。
前期
夏休みから後期にかけて実施する音楽・音響に関係する実験についての研究計画書を作成・提出する。また後期の授業の中で(夏休み中の研究進捗を含め)30分程度で発表する。
後期
各自、音楽・音響に関係する研究を計画・実行し、報告をする。報告は指定のスタイルを用いて4〜8ページにまとめる。学部生の場合はグループで行っても良い。
Bコース
音響心理実験の方法を身につけるのが目的の学生にすすめる。
前期
指定された文献の中から1篇を個人ごとに選択し、内容をA3一枚にまとめて提出。後期の授業の中で30分程度で発表する。
後期
音楽・音響に関係する実験について、研究計画書を作成・提出する。

教科書(購入の必要はありません)

参考書

上記教科書は実務者向けに比較的平易な英語で書かれていますが、難しい場合は難波・桑野を読むとよいでしょう。

講義で扱う統計分析についての参考書も挙げておきました。統計をすぐ使いたい初学者には山田・村井を、理解を深めたい人に南風原をおすすめします。佐藤はさまざまな分析方法を事例付きで紹介してくれます。

この講義では音楽心理学は扱いませんが、興味のある学生には次の本などをお薦めします。

過去に提出された最終課題の論文一覧

2016年度

2015年度

2014年度

2013年度

2012年度

2011年度

2010年度

2009年度

MARUI Atsushi
2017-11-17