プログラムのご案内

 

10月11日(日)    10:30〜12:00   13:00〜14:30

10月12日(月・祝)  10:30〜12:00   13:00〜14:30

         会場:視聴覚室  定員15名(小学4年生〜中学3年生)


美術ワークショップ


                      いのち 

 流木が呼び覚ます『長野の生命』

「ミュージックフェスタ」という名前ですが、なんと美術のワークショップも開催します!

長野市にも工房を構える彫刻家の蔭山正人さんが、長野市のあちこちで見つけた流木をテーマに して、こどもたちといっしょに作品作りに挑みます。イメージをふくらませて、形を作り出し、さらに、 色を加えたり、磨きをかけたりといった様々な工程を、ともに学び、造形美術の楽しさを味わって いただきます。このワークショップは、2日間全4コマの連続受講が必要です。

講師からのメッセージ


 イタリアのルネッサンスの彫刻家の一人であるミケランジェロは、「大理石の中に私に彫りだしてもらいたい造形がその中に潜んでいて、私はその不必要な部分ををただ払いのけて、その石を本来のあるべき(なりたかった)形に戻してあげているだけだ・・みたいなことを書いています。

また、イギリスの彫刻家のヘンリー・ムーアという人は、「ベッドに寝転んで壁や天井の模様を見ていると、その中に潜んでいる面白い形を見つけ出してそこから自分の作品のインスピレーションを得ることがある。」というような意味のことを書いています。

 また、フランスの彫刻家で、「考える人」の作者であるロダンは、「全てのことは自然から学ぶことが出来る。自然をよく観察することで、物事の本質が見えてくる。」と言っています。

 長野県にたくさん流れている川を散策していると、その河原でものすごく面白い形の流木や石に出会うことが出来ます。そしてその流木をよく見ていると、「何か」に似ていたり、まるで昔何か生き物であったものの一部が木に変身して私たちの目に現れているというような錯覚を抱くことがあります。

 そこには自然の「名残」というか、「息吹」「生命感」というべきものが、枯れて流木になってしまったものからでも十分、・・というよりも元々のそれよりもより強調された形として私たちを魅了することがあります。

 そういう、より強い生命力を持った流木を見つけ出し、そして、いろんな種類の流木の面白いと感じた部分を切り取りコラージュして組み合わせて見ることで、何かより強くデフォルメされた力強い生命感のある(面白い)形にしていくことで、それが「芸術」の域に高まり、制作者の「自然」に対するより強い理解に繋がるとしたら、それは大変意味のある行為にならないだろうか?と考えて、今回こういう企画でワークショップを実施しようと思うに至りました。

 本来は個人個人で河原に出かけて面白い形の流木を拾ってくる方がいいのですが、時間的制約も考慮して、今回は私が拾って来た流木を使って、それぞれの人がそこから思い思いに感じるインスピレーション(イマジネーション)から、存分に創作意欲をわかせて面白い造形作品がたくさん出来上がってくることを期待しています。

講師紹介

蔭山先生の自画像

 ちょっとおすまししていますが、実物は笑顔の可愛い、優しいおじさまです(スタッフより)

蔭山正人(かげやま まさと)

東京藝術大学美術学部彫刻科卒業、大学院彫刻専攻科修了。日本全国で学校などの公共施設のモニュメントとなるブロンズ像を製作。個展、グループ展での作品発表に加えて、メディアのための作品も手がけている。その中でも東急ハンズ『ハンズ大賞』ポスターの力強く突き上げる拳のイメージを覚えている人は少なくないだろう。

現在、千葉県佐倉の他に、長野市の山中にもアトリエを構え、自然を大切にした作品制作にあたっている。

河原に集まった流木の様子。どこかで見たことがあるような気がするけれど、注意して見つめたことはなかったよね。

なんだか不思議な動物が隠れているように見えてきませんか?それとも怪物や妖怪でしょうか?翼を広げ、手を伸ばしているのかもしれません。

これはどうですか?人が走ってる?棒を鉄砲のように構えている?

いろいろと浮き上がってくる姿を、切り取って、自分なりの彫刻作品に仕上げてみましょう。