仕舞[しまい]「西王母[せいおうぼ]




    ◆あらすじ
    むかし中国[ちゅうごく]の漢[かん]という国[くに]に武[ぶ]という皇帝[こうてい]がいました。皇帝[こうてい]は、家来[けらい]や国[くに]の人達[ひとたち]を大事[だいじ]にしたので、西王母[せいおうぼ]という仙女[せんにょ]が、皇帝[こうてい]を讃[たたえ]えて、三千年[さんぜんねん]に一度[いちど]しか実[み]のならない桃[もも]を、特別[とくべつ]にプレゼントしに天[てん]から降[お]りてきました。
    皇帝[こうてい]は大喜[おうよろこ]び。皆[みな]を集[あつ]めてお酒[さけ]を飲[の]み、ご馳走[ちそう]を食[た]べていい気分[きぶん]です。皇帝[こうてい]に桃[もも]を捧[ささ]げた西王母[せいおうぼ]は、美[うつく]しく舞[ま]いながら天上[てんじょう]へ帰[かえ]っていきました。
   

    * このサイトでは、皇帝[こうてい]に桃[もも]を捧[ささ]げた西王母[せいおうぼ]が、美[うつ]しく舞[ま]いながら天上[てんじょう]へ帰[かえ]る場面[ばめん]をご覧[らん]いただきます。

◆謡[うたい]のことば
シテ[して][はな]も酔[え]へるや盃[さかづき]の。
地謡[じうたい] [はな]も酔へるや盃[さかづき]の。
[て]まづさへ[え]ぎる曲水[きょくすい]の宴[えん]かやみかは[わ]の水[みず]に。
[たわむ]れ戯[たわむ]るるたを[お]やめの。袖[そで]も裳裾[もすそ]もたなびきたなびく。
[くも]の花鳥[はなとり]春風[しゅんぷう]に和[か]しつつ
雲路[くもじ]にうつれば 
王母[おおぼ]も伴[ともな][い]よぢ[じ][のぼ]る。
王母[おおぼ]も伴[ともな][い][のぼ]るや天路[あまじの]の。
[ゆく]くへ[え]も知[し]らずぞ。なりにける