夕顔[ゆうがお]

歌詞[かし]の意味[いみ]

    “誰[だれ]が住[す]んでいるのだろう?”
    源氏[げんじ]はそれが知[し]りたくて、夕方[ゆうがた]、この家[いえ]をたずねました。

    でも、この家[いえ]の主人[しゅじん]はひっそりとくらしていて、長[なが]いこと誰[だれ]も車[くるま]でたずねてきていないようです。
    源氏[げんじ]は垣根[かきね]のすきまから、
    [いえ]の中[なか]をちょっとのぞきました。
    すると、あの主人[しゅじん]が扇[おうぎ]にたきしめた*お香[こう]のかおりが、
                    *「たきしめた」は焚[た]いたお香[こう]の香[かお]りが着物[きもの]などついたこと
    ほんのり漂[ただよ]ってきます。
    まだあるじの女性[じょせい]が誰[だれ]かわかりませんが、夜露[よつゆ]の光[ひかり]をうけて、
    夕顔[ゆうがお]の花[はな]はさらに美[うつく]しくみえました。
    この花[はな]のおかげで源氏[げんじ]は夕顔[ゆうがお]と知[し]りあい、彼女[かのじょ]をすきになったのに、
    夕顔[ゆうがお]は亡[な]くなり、二人[ふたり]で見[み]た夢[ゆめ]も醒[さ]めてしまいました。
    ひとり夜風[よかぜ]にあたるのも、ほんとうに寂[さび]しくてたまりません。