すでに基本的な点(何を伝えるか・誰に伝えるか・なぜ自分にそれを伝える権利があるのか)に関しては考えがまとまっている段階の人を対象に、プレゼンの時に気をつけることを箇条書きにしてみました。
内容以外のことで観客の度肝を抜こうなんて考えないこと。おかしな行動をすると十中八九、観客の気持ちは離れてしまいます。実は気持ちが離れるくらいならまだマシで、観客がずっと発言者の行動を気にして、発表内容を聞くことに集中できなくなることこそが問題です。
この分量を目安に資料を作ると、文字の大きさなども自然と定まってきます。コントラストは強く、白地に黒文字か黒字に白文字、サンセリフ文字がおすすめです。観客に色盲の人がいる可能性もありますし、耳が遠い人がいるときもありますので、色合いも文字の大きさもはっきりと。
プレゼンテーション用のソフトウェアは何種類も出ていますが、自分にあった使いやすいものでいいです。過度なアニメーションは「奇抜な行動」と同じで、観客の集中力をそいでしまいます。
液晶プロジェクターの種類や投影画面の大きさ、音声出力はステレオで出せるかどうかなど、自分の発表したいものが十分に実現可能かどうか下調べをしておきます。実際に自分が下調べに行くことが難しい場合は、主催者に「こういう発表がしたいが大丈夫だろうか」とあらかじめ相談します。
劇作家Syd Fieldの書いた本の中の言葉で「これから何を伝えるかをいい、それを伝え、さっき何を伝えたかを言う」というものがあります(Syd Fieldが最初に言いはじめたことではないとは思いますが)。大切なことは何度も何度も繰り返し言い、覚えてもらい、手土産として持って帰ってもらいます。反対に大切でないこと(後ろ向きな意見や関係のない話など)は言ってはいけません。
観客が知らない新事実ばかりを言っても、どれも印象に残りません。ちょうどいいのは「80%はあらかじめ知っているもの/20%は知らなかった新事実」みたいなんですが、その新事実の中も「80%はその場で理解できるもの/20%は理解できないもの」くらいに分けると良さそうです。つまり「80%すでに知っているもの/16%新しいこと/4%理解できなくてもいいもの」です。
大部分の「知っているもの」で話を理解する土台を与えたところに、適度な「理解できないこと」のスパイスを加えて好奇心を刺激し、「新しいこと」を頭に入れてお持ち帰りいただく、というシナリオです。