日本[にっぽん]

琵琶[びわ](平家[へいけ])と耳[みみ]なし芳一[ほういち]

みんな、耳[みみ]なし芳一[ほういち]のお話[はなし]をしってる?

芳一[ほういち]は目[め]のふじゆうな男[おとこ]の子[こ]だった。琵琶[びわ]をひきながら、平家[へいけ]と源氏[げんじ]がバトルする「平家[へいけ]ものがたり」をかたるのがとくいだった。

あるばん芳一[ほういち]は、ひとりの男[おとこ]に、「お客[きゃく]さんがまっているから」、といってつれだされた。芳一[ほういち]が平家[へいけ]ものがたりをひいてあげると、とっても感動[かんどう]したみたい。それから毎晩[まいばん]男がむかえにくる。

じつはね、お客[きゃく]さんも男[おとこ]も平家[へいけ]の幽霊[ゆうれい]だったんだ!

そのうち芳一[ほういち]のぐあいがわるくなってきた。このままでは死[し]んじゃうかもしれないぞ!しんぱいしたお坊[ぼう]さんが、芳一[ほういち]の体[からだ]じゅうにお経[きょう]をかいてくれた。「さあ、これでもう幽霊[ゆうれい]にはみえないからね。」

幽霊[ゆうれい]はその晩[ばん]もやってきた。「へんだぞ、芳一[ほういち]はどこだ?なんじゃ、耳[みみ]しか見[み]えんぞ、ぼうずめ、かくれそこなったな!」。おぼうさんは耳[みみ]だけお経[きょう]を書[か]きわすれちゃったんだね。かわいそうな芳一[ほういち]は、おこった幽霊[ゆうれい]に耳[みみ]をもぎとられてしまった。

・・・フーッ、しりたは幽霊[ゆうれい]とつきあいたくない、ぜったいに。