インドネシア
ジャワ島[とう]のガムラン(佐竹案)
ここでは、ジャワ島[とう]中部[ちゅうぶ]のガムランを紹介[しょうかい]するね。
ジャワ島[とう]中部[ちゅうぶ]のジョクジャカルタとスラカルタには、古[ふる]くから王様[おうさま]の宮廷[きゅうてい]があって、ガムランもそこで伝[つた]わってきたんだ。それで、合奏[がっそう]の形[かたち]もとてもきちんとしているし、ゆったり落[お]ち着[つ]いた雰囲気[ふんいき]がある。
ガムランは合奏[がっそう]だけでなくて、踊[おど]りや影絵[かげえ]しばいの伴奏[ばんそう]や、王宮[おうきゅう]の儀礼[ぎれい]、結婚式[けっこんしき]でも演奏[えんそう]するよ。
まず、合奏[がっそう]しているところを見[み]てみよう!
- ランチャラン形式[けいしき]の『シンゴ・ヌバー(怒[いか]れる獅子[しし])』(ペロッグ音階[おんかい])
ボナン・バルンの前奏[ぜんそう]につづいて、太鼓[たいこ](クンダン・アグンとクンダン・クティプン)がテンポを決[き]めると、ゴングの鳴[な]る拍[はく]から全員[ぜんいん]で合奏[がっそう]だ。
太鼓[たいこ]の合図[あいず]で途中[とちゅう]からすこし静[しず]かになったら、ボナン・バルンとボナン・パヌルスが互[たが]い違[ちが]いにリズムを打[う]って、一[ひと]つのメロディーを演奏[えんそう]するよ。最後[さいご]は最初[さいしょ]と同[おな]じでにぎやかに、でも少[すこ]しゆっくり演奏[えんそう]するよ。
近[ちか]くからみる
- ランチャラン形式[けいしき]の『シンゴ・ヌバー(怒[いか]れる獅子[しし])』(スレンドロ音階[おんかい])
1. のペロッグ音階[おんかい]の演奏[えんそう]と聴[き]きくらべてみてね。同[おな]じ曲[きょく]をちがう音階[おんかい]で演奏[えんそう]してるんだ。楽器[がっき]の向[む]きもちがうよ。
近[ちか]くからみる
- ラドラン形式[けいしき]の『パンクル』(ペロッグ音階[おんかい])
ボナン・バルンの前奏[ぜんそう]につづいて、太鼓[たいこ](クンダン・アグンとクンダン・クティプン)がテンポを決[き]めると、ゴングの鳴[な]る拍[はく]からほかの楽器[がっき]も演奏[えんそう]し始[はじ]めるよ。そのうちに太鼓[たいこ]がクンダン・チブロンに変[か]わると全員[ぜんいん]で合奏[がっそう]だ。
またしばらくすると、太鼓[たいこ]がクンダン・アグンとクンダン・クティプンに戻[もど]って、テンポが遅[おそ]くなる。テンポを決[き]めるのはクンダンなんだ。
ラドラン形式[けいしき]の曲[きょく]には、ルバブ、スリン、ガンバン、グンデル・バルンも入[はい]って、にぎやかだね。
近[ちか]くからみる
- 楽器配置図[がっきはいちず]
ペロッグ音階[おんかい]で合奏[がっそう]するときとスレンドロ音階[おんかい]で合奏[がっそう]するときとでは、楽器[がっき]の向[む]きがちがうんだよ。
- 楽器[がっき]のなかまわけ
周期[しゅうき]リズムを担当[たんとう]する楽器[がっき] ゴング(ゴング・アグン)とその仲間[なかま](クンピヤン、クトゥ、クノン、クンプル) バルンガンを担当[たんとう]する楽器[がっき] スルントゥム、サロン・ドゥムン、サロン・バルン バルンガンをはなやかに飾[かざ]る楽器[がっき] ルバブ、ボナン・バルン、ボナン・パヌルス、サロン・プキン、グンデル・バルン、ガンバン、スリン 全体[ぜんたい]をリードする楽器[がっき] クンダン(クンダン・アグン、クンダン・クティプン、クンダン・チブロン) - 周期[しゅうき]リズム
ジャワ島[とう]のガムランでは、ゴングとその仲間[なかま]がそれぞれ決[き]まった周期[しゅうき]で鳴[な]るんだ。おなじ部屋[へや]に、1時間[じかん]おきに鳴[な]る目覚[めざ]まし時計[どけい]や、15分[ふん]おきに鳴[な]る時計[とけい]が置[お]いてあるみたいなものだね。この決[き]まりを知[し]っていると、曲[きょく]の何拍目[なんぱくめ]をひいているかがわかるよ。 - 形式[けいしき]
何拍[なんぱく]に1回[かい]ゴングが鳴[な]るか、ゴングとゴングの間[あいだ]に仲間[なかま]の楽器[がっき]がどこで何回[なんかい]鳴[な]るか。その組[く]み合[あ]わせ方[かた]が形式[けいしき]なんだ。つまり周期[しゅうき]リズムの組[く]み合[あ]わせ方[かた]だね。同[おな]じメロディーでも違[ちが]う形式[けいしき]の曲[きょく]があるし、違[ちが]うメロディーなのに同[おな]じ形式[けいしき]の曲[きょく]がある。ここで紹介[しょうかい]する"ランチャラン形式[けいしき]"や"ラドラン形式[けいしき]"のほかにも何種類[なんしゅるい]もあって、曲[きょく]の長[なが]さが違[ちが]うだけじゃなく、雰囲気[ふんいき]もそれぞれ違[ちが]うよ。● ランチャラン形式[けいしき]
ランチャラン形式[けいしき]では16拍[ぱく]ごとにゴングが鳴[な]るよ。この形式[けいしき]には、テンポが軽[かろや]やかで、きまった旋律[せんりつ]を何回[なんかい]も繰[く]り返[かえ]す覚[おぼ]えやすい曲[きょく]が多[おお]いよ。だから、ガムランをはじめて勉強[べんきょう]するときは、たいていランチャランから習[なら]うんだ。
ランチャラン形式[けいしき]の『シンゴ・ヌバー(怒[いか]れる獅子[しし])』(ペロッグ音階[おんかい])の周期[しゅうき]リズムをきく 近[ちか]くからみる
ランチャラン形式[けいしき]の『シンゴ・ヌバー(怒[いか]れる獅子[しし])』(ペロッグ音階[おんかい])をきく
ランチャラン形式[けいしき]の『シンゴ・ヌバー(怒[いか]れる獅子[しし])』(スレンドロ音階[おんかい])をきく● ラドラン形式[けいしき]
ランチャランでガムランに慣[な]れたら、もうちょっと難[むつか]しいラドラン形式[けいしき]にトライ。32拍[はく]ごとにゴングが鳴[な]って、ゆっくりした曲[きょく]が多[おお]いんだ。周期[しゅうき]リズムを打[う]つクンピヤンがふえて、歌[うた]や、ルバブも入[はい]ることがあるよ。
ラドラン形式[けいしき]の『パンクル』(ペロッグ音階[おんかい])の周期[しゅうき]リズムをきく
ラドラン形式[けいしき]の『パンクル』(ペロッグ音階[おんかい])をきく - バルンガンってなに?
それぞれの曲[きょく]でなんどもくりかえす、みじかい基本[きほん]の旋律[せんりつ]のこと。
バルンガンを演奏[えんそう]する楽器[がっき]をよくみる
バルンガンを演奏[えんそう]するサロンをよくみる - 音階[おんかい]と調[ちょう]
ジャワ島[とう]のガムランには2種類[しゅるい]の音階[おんかい]があるんだ。ひとつはペロッグ、もうひとつがスレンドロ。
スレンドロは1オクターブを五[いつ]つにわける。ぺロッグだと1オクターブを七[なな]つにわけて、そのうち五[いつ]つずつ選[えら]んで使[つか]うんだ。ペロッグは日本[にっぽん]の沖縄[おきなわ]の民謡[みんよう]によく似[に]ているよ。
ジャワ語[ご]で音階[おんかい]のことをララスというんだ。
サロン・ドゥムンの音階[おんかい]
ランチャラン形式[けいしき]の『シンゴ・ヌバー(怒[いか]れる獅子[しし])』(ペロッグ音階[おんかい])をきく
ラドラン形式[けいしき]の『パンクル』(ペロッグ音階[おんかい])をきく
ランチャラン形式[けいしき]の『シンゴ・ヌバー(怒[いか]れる獅子[しし])』(スレンドロ音階[おんかい])をきく同[おな]じ音階[おんかい]でも、どの音[おと]で始[はじ]まりどの音[おと]で終[お]わるか、どの音[おと]を使[つか]うか、どんな音[おと]の動[うご]きをするかで、ちがう調[ちょう]になるよ。
ジャワ語[ご]で調[ちょう]のことをパテットというんだ。
このサイトではバランとヌムの調[ちょう]がでてくるよ。
グンデル・バルンの音階[おんかい]
ガンバンの音階[おんかい]
スリンで調[ちょう]をふきわける
