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資料紹介(図書)
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The spectator and the spectacle : audiences in modernity and postmodernity / Dennis Kennedy. Cambridge: Cambridge University Press, 2009. [B110/K35]

 現代文化には、第三者に観られることを前提としたさまざまなパフォーマンスの形態——劇場、テレビ、スポーツ、宗教儀式、観光旅行、賭博など——があります。こうした「見せ物」を観るという行為によって人は、観衆という立場に守られながらどのようにそのイベントに関わり、それによってどのような意味が生じているのでしょうか。
 著者は「見せ物」に関連する現代文化の諸相を様々な角度から検証していきます。全11章のタイトルは、「見せ物を助ける」「演出家、観衆、エッフェル塔」「アヴァンギャルドと聴衆」「シェイクスピアと冷戦」「観光旅行客としての見せ物」「異文化受容とグローバルな観衆」「観衆の身体」「社会、見せ物、スポーツ」「興奮する観衆」「記憶、パフォーマンス、ミュージアムという発想」「助けとなる信念:儀式と観衆」です。意味の生成する場を「観せる側」ではなく「観る側」に当てて捉え直します。

(中田)

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