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資料紹介(図書)
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Continuatio ad manuductionem organicam, das ist, Fortsetzung zu der Manuduction oder Hand-Leitung zum Orgl-Schlagen / Johann Baptist Samber ; mit einem Nachwort von Jurgen Trinkewitz. Hildesheim: G. Olms, 2009. [F/S187]

 J.B.ザンバー(1654~1717)は、生涯をザルツブルクで過ごし、教区と大聖堂のオルガニスト、また宮廷礼拝堂の音楽教師として活躍しました。彼の音楽作品は残っていませんが、3つの著作を残し、それらはすべて出版されています。彼の著作『Manuductio ad organum オルガンの手引』(1704)、『Continuatio ad manuductionem organicam 続・オルガンの手引』(1707)は、南ドイツ語圏のカトリック地域のオルガン教本として、同時代のニートやマテゾン、ヴェルクマイスターとならんで注目すべきものです。
 「300人もの生徒を教えた」というザンバーは、『続・オルガンの手引き』で4つの章にわけて、通奏低音奏法、オルガンのレジストレーション実践、作曲技法、フーガ(“Fugis”)について記しています。第3章、作曲技法についての章は、「いかに美しい和音あるいは快い歌を、教えと規則にしたがって作曲するか」と題されており、また第2章、レジストレーション実践の章は、ザルツブルク大聖堂のオルガンについての記述や、この時代の南ドイツ・オーストリア地域のオルガン楽曲とレジストレーションについて、興味深い記述が見られます。ファクシミリ版の巻末にJ. Twinkewitz による解説(18頁、2007年8月)が付されています。

  (花澤)

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