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渡辺好明遺作展|光ではかられた時
会期: 2012年12月7日(金) - 12月24日(月・祝)
月曜休館(12月24日は開館)
午前10時―午後5時(入館は午後4時30分まで)
会場: 東京藝術大学大学美術館 陳列館
観覧料: 無料
主催: 渡辺好明遺作展実行委員会
共催: 東京藝術大学大学美術館
助成: 野村財団、EU・ジャパンフェスト日本委員会、藝大フレンズ賛助金、宮田亮平学長学術研究基金
協力: A trans Pavilion Berlin
企画: 渡辺好明遺作展実行委員会

    渡辺好明氏はこれまでに「光ではかられた時」と題し、火(蝋燭などの灯火)や水(水鏡)を用いたインスタレーションに加え、それに関係したドローイングを発表し、我が国を代表する現代美術家として注目を集めました。また、東京藝術大学、取手市、市民の三者が協働で行う取手アートプロジェクトを起ち上げ、国土交通大臣賞、サントリー地域文化賞などを受賞し、アートを用いた地域づくりの全国的なモデルケースをつくりあげました。さらに、ドイツ・デュッセルドルフ美術大学やバウハウス大学との国際交流展の企画運営にも携わり、東京藝術大学とドイツ各大学との交換留学協定の礎を築き、その手腕は、現代美術作家のみにとどまらず、企画者、教育者として多岐に渡り高い評価を得ています。この渡辺好明氏の約30年に及ぶ「光ではかられた時」の作品シリーズを中心に研究活動の成果と合わせて東京藝術大学陳列館にて公開いたします。
本展覧会は渡辺好明氏ご親族の多大な努力と、没後3年にしてもなお、渡辺好明氏の生前の人柄に敬意を込める東京藝術大学教員ならびに卒業生によって企画された展示となります。


渡辺好明

1955年6月24日、兵庫県神戸市生まれ。1980年3月東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。1982年3月同大学大学院美術研究科壁画専攻修士課程修了。同年4月より1985年3月まで同大学絵画科油画専攻非常勤助手として教育・研究業務の補助に携わる。1985年より1989年までドイツ学術交流会(DAAD)奨学生としてデュッセルドルフ美術アカデミーに学ぶ。帰国後の1989年4月から東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻常勤助手、1992年6月より専任講師、1999年4月に同大学先端芸術表現科発足にともない助教授として移籍、2006年4月同科教授。2009年11月4日逝去。
    美術家としての創作活動では、1980年より国内外で個展、グループ展等多数開催。初期は線の筆跡を連鎖させた「自現」シリーズを制作。ドイツ留学時代の作品「ZEITZEICHNEN」(時の刻印)は代表作。1988年ヴァジル・ゼニュウ基金受賞によりドイツ・ゲーヴェルスベルク市のモニュメント制作。帰国後は、火(蝋燭)や水(水鏡)等を用いた「光ではかられた時」と題したインスタレーションによる作品を発表し、ひとりの作家としての完成された世界に到達した。

    教育活動では、1991年東京藝術大学美術学部の取手校地発足にともなう新校舎の設置計画に参加し、移転事業および教育体制の整備に携わる。発足後は、取手校地の地域連携を視野に入れた「創作展」(2003年よりアートパス取手)を企画・運営。一方、取手校地における先端芸術表現科設置準備に奔走。先端芸術表現科移籍後は、教務委員として授業カリキュラムを初め教務全般に種々改革案を打ち出し、授業体制・教育環境の充実・発展に貢献する。2009年には、取手校地運営委員会委員長として、取手校地における17年間の活動を総括する「取手校地教育研究活動成果報告書」をまとめる。また、ドイツ留学・海外研修の豊富な経験を活かし、デュッセルドルフ美術アカデミーとの交流展等を企画・運営。2003年からはバウハウス大学ワイマール造形学部との交流展(Green Space2 光と影、D/J ブランド〜ドイツに学んだアーテイストの発火点〜)等、様々な国際交 流企画を立案・実施。さらに国際交流部会委員として各国芸術大学との交流協定の締結にも携わる等、東京藝術大学の国際交流事業の発展に大きな役割を果たす。

    社会活動では、1999年より10年間に渡り、取手アートプロジェクト(TAP)の企画・運営の中心として携わり、茨城県での文化事業に貢献。その活動が評価されTAPに対し、「国土交通大臣賞」や「総務大臣表彰」、「サントリー地域文化賞」等を多数受賞。2007年には取手井野団地内に若いアーティストの為の共同アトリエ「井野アーティストヴィレッジ」を設立し、その代表として運営に携わる。TAP関連の執筆・講演等多数。

問い合わせ: ハローダイヤル:03-5777-8600

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