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天野太郎の建築展 あるべきようは
会期: 2010年5月11日(火)〜5月23日(日)
10:00-17:00(入館は16:30まで)
月曜休館
会場: 東京藝術大学大学美術館 陳列館2階

 建築家・天野太郎は 1952年渡米し、タリアセンにおいて晩年のフランク・ロイド・ライトに直接師事した 数少ない日本人のひとりです。ライトの「有機的建築」の思想をよく修めた天野は、帰国後、 音羽の家や新花屋敷ゴルフクラブハウスにおいて、その体得した経験を実作として世に問い大きな反響を得ました。
 その後、文部省海外研究員として中近東工科大学(トルコ)客員教授の任務をすませて 欧州建築視察に向かった天野は、アルヴァ・アアルトの建築に接して新たな目を開かれ、 帰国後の武蔵嵐山カントリークラブ、また松原の家(黒澤明邸)等にこの影響が見られるようになります。
 教育の場を工学院大学から東京藝術大学に移した天野は、この頃から「あるべきようは」と自問し、 ライトでもアアルトでもない自身の建築を追い求め始めました。それらの成果が「十軒の家」 (『建築』誌1967年7月)その他の住宅にみられます。また、東京藝術大学美術学部の諸建築は、 ローコストとの格闘の中で、しかし空間は豊かで力強いものを、と努力した結果の作品です。
 天野が求め続けてきたものは、そこに住む人の存在に重きを置く空間、人間の日々の生活感情を 尊重しそこから発想する建築空間で、さらにその質としても優雅さ(grace)を具えたものでした。 その空間は、時代を経た現在のわれわれにとっても依然魅力をもち続け、これからの建築のありようを 示唆しているのではないでしょうか。近年その作品で現存するものが少なくなり、実作を見ることが 難しくなってきていることも踏まえ、天野太郎没後 20年にあたる2010年、主要作品の設計原図、模型、 図面、写真、資料等を一堂に集め、天野の目指した空間を辿る展覧会を開催いたしたく企画した次第です。

観覧料: 無料
主催: 「天野太郎の建築展」実行委員会
共催: 東京藝術大学美術学部建築科/工学院大学建築学科/
工学院大学建築学科同窓会/匠美会/
天野・吉原設計事務所OB会
後援: (社)日本建築学会/(社)日本建築家協会/
(社)日本建築士会連合会/NPO法人有機的建築アーカイブ
問い合わせ: ハローダイヤル 03-5777-8600
<公式ウェブサイト>