日本[にっぽん]

三味線[しゃみせん](地歌[じうた])のいろいろな部分[ぶぶん]と道具[どうぐ]

[どう][さお]: 堅[かた]い木[き]でできている。
こんなふうに棹[さお]が分[わ]けられる物[もの]もあるよ。
[かわ]表面[おもてめん]には猫[ねこ]のお腹[なか]の皮[かわ]、裏面[うらめん]には犬[いぬ]の背中[せなか]の皮[かわ]を使[つか]う。
[ねこ]の皮[かわ]は柔[やわ]らかくて貼[は]りやすいけど破[やぶ]れやすい。犬[いぬ]の皮[かわ]は猫[ねこ]より堅[かた]くて破[やぶ]れにくい。だから強[つよ]く貼[は]っても破[やぶ]れない犬[いぬ]の皮[かわ]を裏面[うらめん]に使[つか]って、表[おもて]がわに音[おと]をしっかり出[だ]すんだ。

おなじ皮[かわ]でも、貼[は]りかたや駒[こま]がかわると音色[ねいろ]も変[か]わるよ。

[ねこ]の皮[かわ]を"四[よ]つ"とか"四[よ]つ皮[かわ]"と呼[よ]ぶのは、お乳[ちち]のあとが四[よっ]つあるから。
ほら、四[よっ]つの点[てん]がみえるでしょ?


[こま]鼈甲[べっこう]や水牛[すいぎゅう]の角[つの]でつくる。
 鼈甲[べっこう]の駒[こま]
 *鼈甲[べっこう]は'たいまい'という亀[かめ]の甲羅[こうら]のこと。
    ケースに入れた駒[こま]と糸[いと]。みえているのは駒[こま]のうらがわ。丸[まる]いのは金[きん]や鉛[なまり]のおもりを埋[う]めたところ。漢数字[かんすうじ]の「一二」は、昔[むかし]のおもさの単位[たんい]で一匁二分[いちもんめにぶ]のこと。一匁[いちもんめ]は3.75グラムだって。
[いと][ふと]さが違[ちが]う三本[さんぼん]の絹糸[きぬいと]を使[つか]うんだ。
 
 [さん]の糸[いと]

[に]の糸[いと]

[いち]の糸[いと]

[ばち]: 象牙[ぞうげ]と鼈甲[べっこう]をよく使[うか]うよ。
象牙[ぞうげ]の撥[ばち]


鼈甲[べっこう]の撥[ばち]
    地歌[じうた]の三味線[しゃみせん]では、津山撥[つやまばち]という大[ばち]きくて厚[あつ]い撥[ばち]をつかうんだ。撥[ばち]の途中[とちゅう]から急[きゅう]に薄[うす]くなるのが、津山撥[つやまばち]らしいところ。
ケースに入れた撥[ばち]
    [こま]や指[ゆび]かけ、ひざゴム、湿気[しっけ]を拭[ふ]きとる布[ぬの]も入[い]れてあるよ。
    大事[だいじ]な撥[ばち]が2本[ほん]も入[はい]ってる!箏[そう]の爪[つめ]や爪切[つめき]りも入[い]れてあるね。
[ゆび]かけ
 

これをはめると左手[ひだりて]のすべりが良[よ]くなるんだ。おさえたい場所[ばしょ]にすぐ移動[いどう]できるよ。

ひざゴム
 

これを使[つか]うと三味線[しゃみせん]がすべらないんだ。

チューナー
  演奏[えんそう]の基本[きほん]になる一[いち]の糸[いと]の高[たか]さが合[あ]っているか、この器械[きかい]でたしかめるんだ。
    このごろは、調子笛[ちょうしぶえ]のかわりにチューナーを使[つか]う人[ひと]も多[おお]いよ。
    地歌[じうた]の三味線[しゃみせん]は、三曲合奏[さんきょくがっそう]で違[ちが]う種類[しゅるい]の楽器[がっき]といっしょに演奏[えんそう]するから、音[おと]の高[たか]さがきちんと合[あ]うように、とっても気[き]をつけているんだって。