• 受託一覧

  • 平等院鳳凰堂復元扉絵の補彩修復(2019年度〜継続)
    平等院鳳凰堂には、国宝扉絵の別途保管ににともなって昭和30年代に復元模写が描かれた扉が設置されているが、剥落や褪色等の経年劣化が生じている。本研究は、絵画修理技術者と連携して、復元扉絵への最小限度かつ効果的な補彩修復を行うことで、来迎図としての色彩表現ならびに絵画空間を維持することを目的としている。
  • 水戸・偕楽園好文亭奥御殿襖絵の保存修理管理(2012年度〜2013年度、2016~2019年度)
    偕楽園好文亭奥御殿は、昭和30年代の建屋復元に際して当時の東京藝術大学の教官であった須田珙中と田中青坪が描いた襖絵によって彩られている。96面もの襖絵は常時一般に公開され、水戸市民をはじめ多くの方々に親しまれてきたが、長期間の露出による損傷や経年劣化が生じていることから、大規模な解体修理が行われることとなった。本研究では、解体修理を監修するとともに、劣化損傷の原因となった保存活用の環境改善を行い、現地保存の健全な継続を図ることを目的としている。
  • 琉球王朝御後絵の復元模写
    (第十四代尚穆王 2017~2018年度)
    (第十七代尚灝王 2014~2015年度)
    (第十八代尚育王 2010年度 ~2011年度)
    琉球王の肖像画である御後絵(おごえ)は、琉球絵画の最高峰に位置づけられる作品であったが、第二次世界大戦の戦禍によって一枚も現存していない。本研究では、鎌倉芳太郎(1898-1983)が撮影したモノクロ写真をもとに線描を描き起こし、色彩や技法の解明を研究して、当初に近い素材と技法による復元模写を制作するものである。これまでに完成した3点の復元模写は首里城公園ほかで一般に展示公開されている。
  • 琉球王国文化遺産集積・再興事業における琉球絵画の復元(2016年度〜2018年度)
    失われた琉球文化のイメージを再興するために、学術性の高い復元模写を制作して沖縄県立博物館美術館の収蔵品として集積するとともに一般への公開に資することを目的とする。《孔子及び四聖配像》(紙本著色一幅 沖縄県立博物館美術館蔵)と孫億筆《四季翎毛花卉図巻》(絹本著色一巻 九州国立博物館蔵)を対象として復元模写を制作した。
  • 福島県飯館村・山津見神社オオカミ天井絵の復元(2015年度〜2016年度)
    2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故によって避難区域になっていた飯館村で、山津見神社の本殿が全焼し、約240枚のオオカミ天井絵が焼失してしまった。本研究では、和歌山大学からの依頼を受けて、焼失前のオオカミ絵の写真から新たなオオカミ絵を描き上げ、再建された本殿に奉納し、地域文化の伝承に寄与することを目的とした。完成したオオカミ絵は、福島県立美術館での展示を経て、山津見神社に奉納されている。
  • 松戸神社神楽殿絵画の保存修復(2014年度〜2015年度)
    松戸神社神楽殿の改築にあたり、旧神楽殿に伝承されてきた天井絵ならびに杉戸絵を保存修復し、地域の歴史と文化を次世代に継承することを目的とする。本研究によって、天井絵36面、杉戸絵4面が修復され、再び松戸神社の神楽殿を彩っている。