【1年次】
1、2年次は、週3日のI・II時限が実技実習に充てられています。1年次の基礎造形実技Iのカリキュラムの中心は油彩ですが、それに先立ち、素描やキャンバス制作の実習を行います。さらに前期に版画実習、後期に写真実習があり多彩なカリキュラムとなっています。学期末の自由制作の作品は、「芸術学科1年生進級展」としてアトリエに展示します。
基礎造形実技I : 油画(必修科目)
4月 版画実習(銅版画、リトグラフ、木版画、シルクスクリーンより選択)
5月 素描
6〜7月 キャンバス制作実習・油彩1
10月 油彩2
11月 写真実習(一眼レフカメラを用いたモノクロ写真の撮影・現像・紙焼き)
12月 自由制作I
1月 自由制作II

1年次油画 実習風景

1年次油画実習 講評会
芸術学演習 : 美学・西洋美術史基礎演習(必修科目)
前期:美学 美学研究の実践のための基礎演習を行います。
後期:西洋美術史 西洋美術史研究方法の基礎演習を行います。
*日本・東洋美術史を学ぶための基礎演習としては、2年次に古美術研究を行います。
研修旅行(基礎造形実技Iの一環)
5月〜6月頃、東京近郊の美術館や寺社などに研修旅行に行きます。
2010年度は、茨城県笠間にて笠間焼のルーツと現在を見る研修旅行でした。茨城県陶芸美術館において、芸術学科OBの学芸員の解説で展覧会「The Kasama ルーツと展開」を観覧した後、久野陶園にて笠間最古の窯を見学させていただきました。

1年次研修旅行 笠間久野陶園にて
【2年次】
基礎造形実技II : 日本画・彫刻(必修科目)
2年次の実技実習は日本画と彫刻です。前期日本画・後期彫刻のグループと、前期彫刻・後期日本画のグループに分かれて履修します。
日本画の顔料の扱い方、石膏取りの方法など、実際にやってみることで初めて分かる技法や素材の特性を体験することにより、それまで何気なく見ていた作品への見方も変ってきます。
日本画
4〜5月/10〜11月 模写
5〜6月/11〜12月 植物制作
6〜7月/1月 風景制作

2年次日本画実習 講評会
彫刻
4〜5月/10〜11月 塑造(首像)、美術館見学、石膏取り
6〜7月/12〜1月 上野公園動物デッサン、選択実習(テラコッタ・石彫・木彫・金属等より選択。選択肢は年度により異なります。)

2年次彫刻選択実習 制作(金属溶接)風景

2年次彫刻選択実習 講評会
古美術研究 : 日本・東洋美術史基礎演習(研修旅行・必修科目)
2年次の秋(例年10月後半)には、20名全員で奈良の古美術研究施設に2週間宿泊し、京都・奈良を中心とする近畿地方での研究旅行を実施します。また旅行に先立ち前期の間に、学生は見学予定の作品の中から各自テーマを選び、教員の指導のもと研究発表を行います。パワーポイントを使用した美術史の研究発表の方法を、初めて実践的に学ぶことになります。
【3年次】
芸術学演習、概説など2年次までに履修した科目で修得された基礎知識を前提に、専門的な内容の特殊講義および演習の履修が中心になります。
特殊講義では担当教員が専門的な内容のテーマについて講義を行います。学期末にはその内容を踏まえたレポートの提出が課されます。
演習では、定められたテーマもしくは自分で選んだテーマについて学生が研究発表を行い、教員の指導を受けます。ディスカッションの場では、発表者だけでなく受講者皆の積極的な参加が求められます。
秋頃には卒業論文のテーマと提出先研究室を決定し、春休み前までに提出先研究室で卒論作成ガイダンスを受け、準備を始めます。
【4年次】
卒業に必要な単位はほぼ履修し終えているのが理想です。1年を通して担当教員の指導を受けながら、卒業論文の作成に取り組みます。美学や西洋美術史であれば欧文で書かれた専門的な文献資料を大量に読みこなす、日本・東洋美術史であれば日本や中国の古典語で書かれた原典資料を解読するといった、本格的な学術研究の作業に多くの時間を費やすことになります。経過報告として担当教員のゼミで研究発表を行い(卒業論文作成演習)、12月に完成した論文を提出します。
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東京藝術大学 シラバス
芸術学科開設科目概要(平成25年度)
専門基礎科目(「*」は単位取得必須科目)
各分野の基礎知識を学ぶ概説科目は、芸術学科の必修科目です。より専門的な内容の特講や演習を履修するために、1年次に履修することが望まれます。
美学概論(今年度休講)*
日本美術史概説(松田)*
東洋美術史概説(片山)*
西洋美術史概説I(田辺)*
西洋美術史概説III(佐藤)*
日本工芸史概説(原田)
東洋陶磁史(片山・唐澤)
芸術学各分野専門科目(選択科目)
各科目の特殊講義(特講)および演習は、ほとんどが学部と大学院の併設科目であり、修士課程レベルの受講生を念頭に置いた専門的な内容の講義・ゼミを行っています。
美学特講(川瀬)
美学特講(今村)
美学特講(現代芸術論I)(鈴木)
美学特講(長谷川)
美学演習(松尾)
美学演習(川瀬)
日本美術史特講(須賀)
日本美術史特講(佐藤)
日本美術史特講・演習(松田)
日本美術史特講・演習(古田)
日本美術史演習(須賀)
日本美術史演習(佐藤)
工芸史特講・演習(片山)
西洋美術史特講(越川)
西洋美術史特講(田辺)
西洋美術史特講(佐藤)
西洋美術史特講(濱西)
西洋美術史特講・演習I・II(田辺)
西洋美術史特講・演習(仏語上級C)(高木)
西洋美術史演習(近藤)
西洋美術史演習A(越川)
西洋美術史演習B-I(伊語上級C-I)(越川)
西洋美術史演習B-II(伊語上級C-II)(越川)
西洋美術史演習C(佐藤)
西洋美術史演習(独語上級C)(薩摩)
大学院開設科目
大学院生必修のゼミナールです。学生は各自が取り組んでいるテーマについて、指導教員に相談しながら研究を進め、その成果をこの演習で発表します。
美学課題演習(松尾・川瀬)
日本・東洋美術史、工芸史課題演習(佐藤・松田・片山・須賀)
西洋美術史課題演習(越川・田辺・佐藤)