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学長挨拶

東京藝術大学 学長 澤 和樹

本学は我が国唯一の国立総合芸術大学として、創設以来、世界水準の教育研究活動を展開し、数多の傑出した芸術家を育成・輩出するとともに、国内外における広範かつ多様な芸術活動や社会実践等を通じて、我が国の芸術文化の継承・発展に寄与してまいりました。

とりわけ、近年においては、芸術系大学で唯一となるスーパーグローバル大学やCOI(Center of Innovation)拠点に選定され、国際的な教育研究を更に充実しつつ、芸術と科学・医学・福祉等との異分野融合に係る取組を展開し、芸術が持つ無限の可能性による社会変革(アートイノベーション)を推進しており、文部科学省等から高い評価を受け、国家戦略を牽引するナショナルセンターとして確固たる地位を築いています。

さて、2020年という歴史的なターニングポイントを迎え、日本の芸術・文化が世界の注目を集める絶好の機会である今、本学は、社会の基盤として芸術が担う役割の重要性や、あらゆる分野と繋がり新しい価値を創出する芸術の力を社会に向けて発信するため、「東京藝大『I LOVE YOU』プロジェクト」を全学体制で推進しています。

科学技術が発達し、人工知能 (AI) やロボットが日常に広がるこれからの世界において、芸術は、人が人らしく生きる源として、これまで以上に重要な存在となり、加えて、芸術には、身近な問題から地球規模の問題まで、様々な社会的課題の解決に寄与し、状況を展開、改善できる力があり、イノベーションの創出、地方創生、グローバル化等のあらゆる場面における基軸となります。

「I LOVE YOU」プロジェクトは、そうした芸術の力を、学生・教職員等の幅広い参画による多種多様な企画の実施を通じて国内外に示し、その成果を産業界・地方自治体・海外機関等との新たな連携に繋げることで、これからの社会における芸術の役割・可能性と、本学の卒業・修了生が活躍する場を広げていくことを目的としています。

今後も東京藝大は、「世界を変える創造の源泉」として、美術、音楽及び映像の芸術諸分野に、アートプロデュースを担う国際芸術創造も含め、世界にも類を見ない総合芸術大学としての実力や魅力を存分に発揮すべく、教職員が一体となり、文部科学省や文化庁をはじめとする関係機関等とも緊密に連携しながら、優れた芸術家育成や我が国の芸術文化力の発信、さらには、世界の芸術文化の発展に貢献できるよう邁進し続けてまいります。

 

令和2年5月
東京藝術大学 学長
澤 和樹

学長プロフィール

澤 和樹(さわ かずき)

ヴァイオリニスト
東京藝術大学大学院音楽研究科器楽専攻(ヴァイオリン)修了。
平成25年4月から副学長、平成26年4月音楽学部長を経て平成28年4月から現職。

国内外で多数の音楽コンクールや演奏会に参加し、ロン=ティボー国際コンクール第4位やミュンヘン国際コンクール第3位、和歌山県文化賞受賞などの功績がある。また、平成27年5月には英国王立音楽院名誉教授に就任している。

<主な受賞歴>
昭和49年 第42回日本音楽コンクール第3位
昭和51年 藝大にて「安宅賞」受賞
昭和52年 ロン=ティボー国際コンクール第4位
昭和52年 イザイ・メダル受賞
昭和54年 ボルドー音楽祭にてリサイタル 金メダル受賞
昭和57年 和歌山市文化奨励賞受賞
昭和58年 ミュンヘン国際コンクール第3位(ヴァイオリン=ピアノ二重奏部門)
平成元年 和歌山県文化奨励賞受賞
平成9年 英国王立音楽院名誉会員
平成12年 和歌山市文化賞
平成16年 和歌山県文化賞
平成16年 英国北王立音楽院学術特別研究員
平成27年 英国王立音楽院名誉教授

<主な活動歴>
演奏
コンサートマスター及び指揮者
九州交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団、紀尾井ホール室内管弦楽団
共演
アマデウスクヮルテットメンバー、ヘンシェルクヮルテット、グスタフ・マーラークヮルテット、カードゥッチクヮルテットなど
出演
クフモ室内楽祭(フィンランド)、ボウドイン音楽祭(アメリカ)、ウェスト・コーク音楽祭(アイルランド)、湖水地方音楽祭(イギリス)など
主宰
澤クヮルテット、澤和樹・蓼沼恵美子デュオ

<国際コンクール審査員>
スイス・ティボール・ヴァルガ国際コンクール、ウラルスク国際ヴァイオリンコンクール、RNCMマンチェスター国際ヴァイオリンコンクール、ロンドン弦楽四重奏コンクール、パリ・ロン=ティボー国際コンクール、ベルリン・マックス・ロスタール国際コンクール審査員など

<音楽監督>
和歌山県立図書館音楽監督、NAGANO国際音楽祭、なら音楽アカデミー、オホーツク紋別音楽セミナー

<マスタークラス>
英国王立音楽院、英国北王立音楽院、ジュネーブ音楽院、ローザンヌ音楽院、國立臺南藝術大學

 

写真撮影:新津保建秀