専攻 | 研究分野 |
---|---|
絵画 | 日本画 |
油画,版画,壁画,油画技法・材料 | |
彫刻 | 彫刻 |
工芸 | 彫金,鍛金,鋳金,漆芸,陶芸,染織,素材造形(木材・ガラス) |
デザイン | デザイン |
建築 | 建築設計,環境設計,構造計画,建築理論 |
先端芸術表現 | 先端芸術表現 |
芸術学 | 美学,日本・東洋美術史,西洋美術史,工芸史,美術教育,美術解剖学 |
文化財保存学 | 保存修復,保存科学(システム保存学 ※連携講座) |
グローバルアートプラクティス | グローバルアートプラクティス |
専攻 | 研究領域 |
---|---|
美術 | 日本画 油画 彫刻 工芸 デザイン 建築 先端芸術表現 芸術学(美学,日本・東洋美術史,西洋美術史,工芸史,美術教育,美術解剖学) |
文化財保存学 | 保存修復,保存科学(システム保存学 ※連携講座) |
修士(美術): 絵画、彫刻、工芸、デザイン、建築、芸術学、グローバルアートプラクティスの各専攻
修士(芸術表現): 先端芸術表現専攻
修士(文化財): 文化財保存学専攻
博士(美術): 美術専攻
博士(文化財): 文化財保存学専攻
美術教育研究室では、美術の教育的意義や美的人間形成について実技制作と理論研究から、多角的に研究に取り組んでいます。
実技制作では、美術領域の様々な分野に視野を広げながら、表現者として各自の専門的な能力を高めることを目指しています。同時に、表現の根源にある思想や人間形成における美術の本質的意義などについて探究し、制作の中で得られた知見を理論的に深める研究を行います。実技制作においては、諸分野を横断的に見通す広い視野を持ち、理論研究においても、制作論や教育論はもとより、今後は美術解剖学や図学・色彩学など、さまざまな芸術基礎学、あるいは医療や福祉など人間が生きることに関わる諸学問との結びつきを深めつつ、美術の人間にとっての重要性を考えていきます。
美術教育研究室は1963(昭和38)年に大学院の独立講座として設立されて以来、有為な存在を多数輩出し、修了生は大学をはじめとした教育関係、美術館、作家活動など様々な分野で活躍しています。
美術教育研究室に在籍する学生の実技の専門分野は、日本画、油画、版画、彫刻、工芸(鍛金、陶芸、木工、染織)、インスタレーションなど多岐に渡ります。学生は、それぞれの指導教員のもとで、各自の専門性を追究しながら同時に幅広い知識をもち広い視野から研究、制作に取り組みます。
美術教育研究室では、修士・博士後期課程とも課程の修了に制作と論文の両方が課せられています。そのため、美術教育研究室の学生は実技制作と同時に論文執筆に向けた理論研究とを両立して進めていかねばなりません。
下記の授業科目では、それぞれ実技と理論の両面からの探究が行われます。
■美術教育論
美術教育を原理的に考えるための基礎理論を学習し、各々の美術教育観を深める。
■素材論
美術の諸要素を素材としてとらえ、様々な角度から美術と人間との関係を考え、美術教育観を深める。
■構成論
作家が作品制作において持つ理念、それを具体化する為の方法論について演習も含み解説する。
■課題研究
学生が各自の課題意識に基づいた理論研究の成果を発表報告し、それについて研究室の学生・教員全員で様々な意見を交換しながら研究を深める。
美術教育研究室では、美術教育に関心のある留学生が在籍しています。留学生からも博士学位取得者が数多く生まれています。
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>> 実技年間カリキュラム(PDF)※詳細は「美術教育研究室 公式Webサイト」を参照ください。
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美術解剖学の授業は、東京美術学校ができてまもなく始まりました。100年以上の古い歴史をもつ研究分野です。東京美術学校では、森鴎外や画家の久米桂一郎が講義をしました。
美術解剖学は、人体の骨格と筋肉について学び、それを美術の創作や研究に生かそうという学問です。「美は自然に学べ」をモットーに、人体という自然に造形のヒントを探します。あるときは骨を手に、またあるときは生体を観察し、人体の形態と構造を徹底して理解することを目指します。
古くてアカデミックな学問である美術解剖学が、新しい芸術の創造の力になる。我々は、そう信じて、日々、研鑽しています。
美術学部の全ての専攻の学生を対象に、美術解剖学Aと美術解剖学Bの授業が開講されています。選択科目ですが、多くの学生が受講しています。
美術解剖学Aは、この分野の入門的な内容を講義しています。前期は、人の骨格について、後期は筋肉や体表について学びます。美術解剖学Bは、応用的な内容として、人体を基本にしつつも、人間以外の動物の形態や骨格についても講義します。また植物やその他、自然の形態のあれこれについても講義します。
さらに本格的に美術解剖学を学びたい学生は、大学院に進学します。
○カリキュラム(学部)
美術学部の全ての専攻の学生を対象に、美術解剖学Aと美術解剖学Bの授業が開講されています。
選択科目ですが、多くの学生が受講しています。
美術解剖学Aは、この分野の入門的な内容を講義しています。前期は、人の骨格について、後期は筋肉や体表について学びます。美術解剖学Bは、応用的な内容として、人体を基本にしつつも、人間以外の動物の形態や骨格についても講義します。また植物やその他、自然の形態のあれこれについても講義します。
さらに本格的に美術解剖学を学びたい学生は、大学院に進学します。
○カリキュラム(大学院教育研究)
美術解剖学研究室の大学院生は、学部で絵画・彫刻などの実技を専攻した人から、芸術学などの理論的なことを学んできた人まで、その出身は多様です。
修士課程では、美術解剖学の講義、演習、また解剖実習などを通して、より専門的で高度な美術解剖学を学びます。講義は、マクロ解剖学や形態学、生体観察など、また美術史のなかの人体表現の研究、造形表現の諸技法などがあります。また海や森の大自然の中にでかけて自然観察の実習も行います。古美術研究旅行や美術館見学など、美術の現場での実習も行います。自然と古典に学ぶことで、美への理解を深めることを目指します。 大学院修了には、論文の提出が課せられます。芸術への考えと経験を言葉で整理しまとめることは、芸術へのスタンスがより明瞭になり、研究や作品の制作への力となることでしょう。
博士後期課程では、より明確な研究テーマを決めることが求められます。博士論文の執筆に向けて、オリジナルで完成度の高い研究をまとめるべく、個別の講義・演習を行います。
大学院修了後は、美術解剖学の専門家として大学の講師になったり、美術館や画廊などで専門知識をいかしたり、またアーティストやデザイナーとして活動する人など、さまざまな道に進みます。
また本学の美術解剖学研究室は、この分野では日本で唯一の大学院生をもつ研究室ですが、海外にもそのような研究室は少なく、これからも留学生を積極的に受け入れて、日本のみならず世界に人材を輩出することを目指していきます。
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本研究分野は、文化財の保存修復に関する研究と、文化財の保存修復技術と研究にあたる専門家の養成をとおして、文化財の保存に寄与することを目的として設置されており、大学院美術研究科の独立専攻である文化財保存学専攻を構成する2大分野の一つです。
1964(昭和39)年に文化財保存修復技術講座が本学の修士課程に設置され、1995(平成7)年には文化財保存学専攻へと拡大改組されました。その中で保存修復分野は、日本画、油画、彫刻、工芸、建造物の各研究室から構成され、それぞれの対象に応じた修復技術の習得と研究、併せて材料と古典技法の調査と研究を行っています。1977(昭和52)年に博士後期課程が設置されてからは、これまでに数多くの博士学位取得者を輩出しています。
【保存修復日本画研究室】
古典絵画の模写及び修復実習や装´実習を通して伝統技法を習得します。特に博士後期課程では再現研究や技法・材料の解明といった研究を行う中で、自然科学や美術史といった学問分野やその他さまざまな分野からの検証を行っています。このような日本画の修復や保存に関する研究を行うことで、将来の指導者的な立場を担うことのできる人材の育成を目指しています。
油絵の修復、調査、古典絵画の模写などの技法、材料研究を行っています。最近では洋紙作品
(デッサンや版画)の修復にも取り組んでいます。修復は、記録保存や各種光学調査、顔料分析、美術史など、さまざまな分野の要素を含みます。実習や各講義を通して、総合的な見識で文化財の保存修復に携わることのできる人材の育成を目指しています。
【保存修復彫刻研究室】
狭義の修復技術の研究にとどまらず、制作技法の解明とその技術保存にも力を入れ研究しています。風土のなかで生み出された文化財が、日本人の心のよりどころであったことを常に念頭に置き、祖先が遺してくれた素晴しい文化と造形に最大限の敬意を持って、ものとわざとこころの継承を実践していきます。
【保存修復工芸研究室】
工芸文化財の素材およびその技法は多岐にわたり多種多様です。それらは単体で、あるいは複合させて造形しているため、それぞれの材料と技法に関する正しい知識と技術の習得が重要と考えています。それらを踏まえ、工芸の各分野の文化財修復研究者と修復技術者(国内外)養成に関する教育、修復実習および模造制作を通した技法研究、工芸文化財の各時代的特性を構成方法、表現方法、伝統技法面から考察し保存修復のあり方の研究などを行っています。
【保存修復建造物研究室】
わが国で高度に発達してきた木造建造物の修復技術を習得するために、建築技術史、修復技法、調査と評価、修復計画、実測・製図演習などの実践的な学習を通じて、文化財修理はもとより歴史的建造物の保存・活用のために必要な技を身に付けることとしています。このような基礎の上に立って自ら調査・研究を進めることで、個別性の強い文化遺産の性格に応じた対処の考え方と手法を身に付けようとしています。
文化財保護概論、保存環境計画論、文化財保存学演習、古美術研究旅行などの共通科目と、各研究分野の専門基礎を全学生に学ばせることにより、学部の専門の違いや出身大学の異なる学生の相互交流を図っています。また、修士論文および博士論文の作成を必修とし、これに加えて各自の専門に応じて模写や模刻の制作、作品の修復などを行っています。これらの研究の成果を学生全員に口頭発表と展示発表の両方を行わせることで、各自のプレゼンテーション能力を養うとともに、研究内容を幅広く世の中に公表しています。
■修士課程
まず、保存修復に関する基礎知識を身に付けるため、文化財保護概論、保存環境計画論、文化財保存学演習を必修授業として行っています。また、各研究領域で模写、模刻、修理などを行い伝統技法や技術を習得していくことで、保存修復に必要な能力を養います。
■博士後期課程
各研究領域において各自がそれぞれに研究テーマを持ち、修士課程で培った能力に加え、より広角的な視野からさまざまな研究を行い博士論文を作成し、博士学位の取得を目指します。
-留学生の主な出身国-
韓国、中国、台湾、アメリカ、クロアチア、カンボジア、ドイツ、ペルー、パナマ、
-修了生の主な進路-
大学教員及び教育関連、修復工房、美術館・博物館、地方公共団体、研究所、出版社、広告代理店 等
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保存科学研究室は昭和初期に工芸化学教室として工芸科の一部から始まり、材料研究室に発展したのち1966(昭和41)年に大学院講座として発足しました。1995(平成7)年には独立専攻として文化財保存学が設立され、保存修復分野、保存科学分野、システム保存学分野が設置されました。保存科学分野は文化財測定学研究室と美術工芸材料学研究室に分かれています。
保存科学分野では特に、美術工芸品の材料科学的知識の修得とそれらの性状・劣化現象の研究を自然科学的手法により行い、文化財の保存に寄与することを目的としています。研究内容は金属、染織品、油画、日本画、陶磁器、考古遺物および紙など非常に多岐にわたっています。保存修復分野の研究室とも連携し、X線撮影、絵具分析、模写・模刻材料の開発などにも積極的に取り組んでいます。
以上のような研究を通して、文化財保存全体に幅広く興味を持って取り組める能力を育成し、文化財保存の分野において将来を担う優秀な人材を世に送り出したいと考えています。なお、学生は他大学出身者が多く、理系のみでなく、約半数が文系出身者であり、外国人留学生も多く在籍しています。
教授2名、准教授1名、教育研究助手(非常勤)4名の体制で教育、研究指導に当たっています。また可能な限り外国人専門家を教授として招聘し、英語による授業、研究指導を行っています。
保存科学の専門家を養成することを目的に、広い視野を持つようカリキュラムが組まれています。研究室内にとどまらず、他の修復分野の基礎を勉強し、他分野の学生と相互交流を図っています。その中で自分の興味あるテーマを見つけ、2 年間の研究成果を修士論文としてまとめ、発表します。
最近の主なテーマは和紙の保存性に関する研究、金属文化財の材質と腐食生成物の分析、染織品に用いられている彩色材料に関する研究、油絵具の劣化機構の解明、浮世絵作品の彩色材料と劣化に関する研究など多岐にわたっています。それぞれの研究内容に関して研究室内の教員はもとより、その都度学内外とも交流を持ち、より研究がうまく進むよう指導しています。
更に研究を深く掘り下げていくには博士後期課程へ進学し、より計画的に研究を進め、研究の的確な方向性を見極められる人材へと成長することが求められます。文化財保存学専攻となって、博士(文化財)の学位が授与されるようになりました。博士学位取得によって、日本社会における文化財保存の専門家として活躍することが期待されます。
主な研究設備:走査型電子顕微鏡(X線分析装置付き)3台、X線回折装置(微小部、広角、薄膜)
2台、ICP発光分光光度計、原子吸光光度計、ガスクロマトグラフ-質量分析装置、キャピラリー電気泳動装置、赤外分光光度計、可視・紫外分光光度計、三次元蛍光分光光度計、色差計、光学顕微鏡、耐候性試験機(温度・湿度・光)、恒温恒湿の紙強度試験室。
本研究室の研究成果は国内外の学会大会や毎秋の研究室発表会で発表し、学会誌や大学紀要としてまとめています。その他の刊行物を含めて最近のリストは研究室の年報として公開しています。留学生の受け入れも積極的に行っています。
保存科学研究室の修了生は現在までに約60名で、そのうち14名は博士後期課程まで修了しています。初期の卒業生は文化財保存の先駆的な役割を果たし、日本の文化財保存に大きく貢献しています。また現在も課程修了後、文化財関連の大学や教育機関、文化財研究所、美術館・博物館、図書館、埋蔵文化財センター、民間の修理所などで活躍しています。
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システム保存学は、1995年(平成7)4月より東京国立文化財研究所(現 独立行政法人文化財研究所 東京文化財研究所)との連携講座としてスタートした研究室で、21世紀の文化財保存を担う人材を育成しています。システム保存学分野は、文化財の保存環境を研究する保存環境学と、保存修復に用いる材料について研究する修復材料学から成っており、他の研究室教員とともに文化財保存学専攻での教育にあたっています。
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2016年4月に東京藝術大学大学院美術研究科に開設されたグローバルアートプラクティス専攻(GAP)は、グローバル化した現代において社会が持つ様々な課題に、国家や文化を超え、単一の価値観ではなく、多様なパースペクティブを持って向かい合う実践の場、同時に実験の場、お互いに学び合える場を目指して活動を行なってきました。留学生が約半数を占めるGAPは、学んできたこと、目指す分野も異なる多様な背景を持った人々の集合体であり、社会人経験のある学生も少なくありません。
パリ国立高等美術学校(BAP)とロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校(CSM)との協働の経験と蓄積からは、より大きなプラットフォームでの交流など、新たな流れも生まれてきています。
GAP is a place for sharing, experimentation, interdisciplinary and transcultural practice with multiple perspectives.
GAPは多様なパースペクティブによる共有、実験、領域横断、文化を超えた実践の場です。
GAPのビジョン
Global Perspective 既存の地理的条件や国家などに捉われないグローバルな視野を育みます。
Multi Perspective 多様なパースペクティブを学ぶことで、多様な考え方やアプローチ、そして世界観を学びます。
Discourse and Hand プログラムは言説と手による二つの思考の実践を柱とします。
Collaborative Learning 個の学びとともに協働を通した学びを実践します。
修士1年:
・海外大学との共同授業(ロングユニット)
・海外アーティストによる授業
・グループ・ワーク(ソーシャル・プラクティス)
・個人の制作・研究+グループ・ワーク
修士2年:
・研究室(ゼミ)活動
・終了制作・終了論文
・個人の制作・研究
1、2年共通:交換留学
GAPは1年次にグローバル・アート・ジョイント・プログラム(GAJP、通称ロングユニット)と呼ばれる海外大学との共同授業、そしてソーシャル・プラクティスと呼ばれる国際的に活躍するアーティストによるワークショップ、GAPプラクティス、 GAPセミナーなど実践と理論とを学ぶ授業が展開されます。1年次は頭と手、言説と制作を通して多様なパースペクティブを獲得することを目標とし、また協働を通した学びを実践します。これまでロングユニットは1年時にCSM、BAP、シュテーデルシューレとの共同授業に取り組みました。
2年次は研究室制度によりゼミ授業と個人チュートリアルを中心に修了制作や修了論文執筆に取り組みます。藝大の伝統的に重要な授業の一つである古美術研究旅行も行われます。
また、博士後期課程においては2021年度より、タイ・シラパコーン大学と共同でダブルディグリープログラムを実施しています。
授業の基本言語は英語で行われますが、英語はあくまでコミュニケーションのツールです。オンラインを活用して世界をつなぐ授業も積極的に展開しています。ロングユニットの経験を活かして交換留学へ挑戦する学生も多く、専攻として積極的にサポートしています。2021年度からはSHARED CAMPUS*のテーマパートナーとして海外美大でのサマーコースなどへの門戸を開いていきます。
※ SHARED CAMPUS:ヨーロッパとアジアの八つの芸術大学によって発足した国際的な連携プラットフォーム。学生や教員が学際的な協働作業を通して、文化横断的な諸問題について国境を超えた教育・研究活動に取り組みます。 |