音楽環境創造科は、従来の枠をこえた観点で音楽芸術の創造と、音楽・文化・社会の関わりについて強い関心を持ち、音楽を中心とした新しい文化環境創造を志す人材の育成をめざし、2002年に設立されました。
現代社会では、領域を越えた感性、知識、表現技術を活用できる人材が求められています。本学科では、テクノロジーや社会環境の変化に柔軟に対応し、領域横断的な発想を具現化できる能力を養うべく、理論と実践の両面から教育・研究に取り組んでいます。
具体的には、
・ 音楽や音響に関する研究
・ 映像、身体、言語、空間、メディアなど、音楽に隣接する表現分野の研究
・ コンピュータによる音響作品の創作や、映像、身体表現、メディアのための音楽制作
・ アートマネジメントや文化社会学、文化研究
など、芸術と社会の関わりに関する研究を通じて、芸術やそれを取り巻く環境を総合的に研究することを基本としています。
この学科を卒業した学生は、新しい芸術創造や芸術運営の現場はもとより、さまざまなメディアや企業、研究・教育機関、行政、NPOなど広く社会全般で活躍することが期待されます。
3つの異なる分野の実践ゼミとして「創作」「音響」「アートプロデュース」のプロジェクトが開設されており、学生はその中から1つを選択します。選択したプロジェクトに自身のベースを置きつつ、音楽の基礎理論を学びながら、その他の講義、演習科目で幅広い分野の知識を深め、多様な価値観や感性を培ってゆきます。
また、音楽に隣接する芸術分野を含め、新しい方法論や歴史概念を学び、作り手と受け手双方の視点から表現のあり方を考察します。さらに、文化環境についての基礎知識と実践的な方法論を学び、実際にアートマネジメントを経験します。こういったさまざまな分野を有機的に結びつけていくために、メディアや技術に関する実習、スタジオやホールでの音響実験、コンテンツの制作などもおこないます。代表的な授業として、「音響作品創作演習」「音楽理論演習」「録音技法研究」「音響心理実験法」「文化環境論」「文化研究」を専任教員が担当しています。
その他、それぞれの分野の非常勤講師による専門的な講義や、上野キャンパスで開設している他学科の交流科目、外国語、教養科目、副科実技なども受講してゆきます。
それらと平行し、授業の一環として2・3年次の12月に「千住アートパス」という公開プログラムを企画、各自の作品公開やイベント運営の実践を学びます。そして最終的な成果発表として、卒業時の卒業研究・制作発表会をおこないます。
卒業生たちは、放送局、新聞社、広告会社などのマスコミ関係、文化ホールや美術館などの芸術文化施設、録音スタジオ、WebデザインなどのIT系企業、ゲーム会社、アミューズメント業界などに就職するほか、劇団や音楽制作に参加して表現活動を続けたり、イベント・プロデュースなどで活躍しています。また、本学大学院はじめ国内外の大学院に進学し、より専門性を極める卒業生も数多くいます。
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