共通工房は、東京藝術大学取手キャンパスが設置された平成3年度より稼働を始めた教育・研究施設です。
上野キャンパスでは制作出来ない大型の作品制作、特殊な機械加工を必要とする制作、精密かつ高度な専門性と技術を必要とする研究制作等に対応する設備を備えた工房群です。
設立の主旨は、共通工房という名称の通り、美術学部全科の学生と教員が利用するための施設で、現在、金工工房(金工機械室、鋳造室、金属表面処理室を含む)木材造形工房、塗装造形工房、石材工房の4工房が稼働しています。
共通工房は、今後も設備の向上を図りながら、将来にわたって有効に機能していくことに努め、”人間性と技術の調和”を教育理念として、制作現場の中で実践していきたいと考えています。
また、主に学部1年生を対象に専門基礎科目、素材表現演習I~VI(前期)を実施し、小品の制作実習を通して各種表現素材の基礎的な知識と加工技術の習得を目的とする授業を行っています。
金工機械室では、各種工作機械による専門技術を駆使した精密加工から、溶接・溶断を含めた手作業による応用範囲の広い加工まで、様々な表現・コンセプトに基づいた各種金属加工を可能にすることを目標とし、多分野に渡り自己表現を探求する場として活用されることを望んでいます。
[第1機械室・大型工作機械作業場]
・大型/中型旋盤
・汎用縦横フライス盤
・大型ボール盤
・クラフトフォーマ―
・ブレーキプレス
・大型ベンディングローラー
・シャーリング
・メタルソー
・大型高速カッター
・大型/中型天井ホイストクレーン
・大型計測定盤 等
[第2機械室・一般金工作業場]
・TIG/MIG/スポット溶接機
・エアープラズマ溶断機
・汎用中型旋盤
・スピニングマシン
・中型ボール盤
・ベルトサンダー
・両頭グラインダー
・バンドソー
・高速カッター
・小型手動3本ローラー
・門型手動油圧プレス
・エアー/電動ハンド工具各種
・その他金工工具各種 等
鋳造工房では、ブロンズ、真鍮、アルミニウム、および鉄、ステンレスなどの溶解、鋳造による作品制作を行っており、鋳造方法としては、溶解金属や作品の形態、大きさに応じて、ロストワックス鋳造(石膏鋳型、セラミックシェル鋳型)、生型鋳造などを用いています。また、企画、原形制作から仕上げ加工、着色に至る全てのプロセスにおいて対応しているため、鋳造および石膏やシリコンなどによる型取り、ワックス成形に関しても適宜相談、指導にあたっています。
・高周波るつぼ型誘導炉
(100kg金属溶解炉/鉄・ステンレス)
・ガス可傾炉
(150kg金属溶解炉/ブロンズ・真鍮、他)
・移動式ガス炉
(30kg金属溶解炉/ブロンズ・真鍮・アルミニウム、他)
・オートクレーブ(蒸気圧力による脱ロウプラント)
・ワックス回収装置(オートクレーブからのロウ回収装置)
・電気焼成炉(鋳型焼成炉)
・LPGバーナー(鋳型焼成用ガスバーナー)
・スラリータンク
(セラミック鋳型材デッピングプラント)
・流動床
(セラミック鋳型材サンディングプラント)
・ポットミル(セラミック鋳型材混練機械)
・サンドミル(石膏鋳造鋳型材粉砕機械)
・スパイラルミキサー(生型砂混練機械)
・ベーダーマシン(集じん装置付き金属研削機械)
・サンドブラスト(集じん装置付き金属研削・研掃機械)
・ホイストクレーン(最大吊り上げ2.8)
・TIG・アーク溶接機(300A)
・各種電動工具
・各種主道具
金属表面処理室では、金属表面の各種加工、着色等を施す設備を有しています。中でも金属に豊富な色彩、表情を与える事が出来る七宝技法、金属にガラスの粉末を焼き付けたものを中心に研究、指導を行っています。
・立体用電気炉
(最大300mm×300mm×400mm)
・平面用電気炉
(最大400mm×600mm)
・熱風乾燥機
(最大500mm×900mm×500mm)
・釉薬製成機器一式
・釉薬粉砕器機一式
・ガスバーナー及び火床
(金属各種の熱加工等/火床面積850mm×1100mm)
・電気溶解炉
・TIG溶接機
・バッファー
・サンドブラスター
(最大750mm×500mm×500mm)
・ウェルダー
・溶射
・エッチング液・用具一式
・彫金工具一式
・当工房の研究による製成釉薬各色
木材造形工房は、木質素材による高度な造形表現の探求を目的とし、多様な加工技法から的確な手段を選択し、専門知識と技術をもとに助言、バックアップできるような環境づくりに努めています。様々な木工機械と手道具を安全に学生に使用してもらえるよう、随時安全講習も開講しています。
[製材機]
屋外別棟設置
・送材車/帯鋸盤/集塵装置
(最大加工寸法 Φ900mm×4000mm丸太まで切断可)
[機械加工室]
・床内蔵式集塵装置
・高速手押し鉋盤 2台(最大切削幅 600mm/500mm)
・自動一面鉋盤 2台(最大切削幅 600mm/500mm)
・帯鋸盤(最大加工高 300mm)
・昇降盤 2台
・横切り丸鋸盤(軸傾斜可)
・精密横切り丸鋸盤(軸傾斜可)
・パネルソー(最大加工幅・長 2450mm)
・フルオートクロスカットソー
・ストレートラインリップソー
・ユニバーサルベルトサンダー
・ボール盤/フリーボール盤
・角鑿機
・エアーボーリングマシン
・大型木工旋盤
・超仕上げ鉋盤
・バンドソー 等
[作業室]
・床内蔵式集塵装置
・作業台 12台
・木工プレス機
・木彫用万力/早締万力
・糸鋸盤 2台
・精密ボール盤
・木工用旋盤 2台
・刃物研磨用グラインダー
・水冷式回転砥石/各種砥石
・各種電動工具(ジグソー、サンダー、トリマー、ルーター、インパクトドライバー等)
・各種手道具(鋸、鑿、鉋、彫刻刀等)
塗装造形工房では、芸術分野における塗装表現の可能性を広げるための研究と指導を行っています。ウレタン・ラッカーなどの合成樹脂塗料や、漆・カシューといった天然樹脂塗料を主に扱い、多様な表現形態に対応するための設備として、塗装ブース・大型乾燥設備・漆上塗り室などを備えています。
[塗装用設備]
・塗装ブース
・プッシュプル型換気調色室
・エアーガン各種
・エアーブラシ各種
・大型乾燥設備各種
・真空脱泡機
・自動乳鉢 等
[研磨用設備]
・横型ベルトサンダー
・注水ベルトサンダー
・研磨切削用具(電動・エアーツール)
・磨きろくろ
・研磨用流し台 等
[その他の設備]
・漆塗部屋
・カッティングブロッター(マスキングシート作製用)
石材工房は、彫刻、モザイク、レリーフ、作品の台座等、石材を用いた多様な作品制作に対応する工房です。各種加工に必要な大型機械や工具、屋外作業場、集塵機を備えており、制作にともなう粗取り加工から研削、研磨作業まで完成に至る全ての作業がおこなえます。
・ダイヤモンドワイヤーソー 横引き/縦引き
(横引きは石材の垂直・水平・螺旋・倣い切断加工、縦引きはスラブ材の倣い切断加工)
・丸ノコ①/丸ノコ②
(①は最大1.5t、②は最大3tまで、石材の切断、切り込み加工)
・回転ドラム
(ドラムの取り付けにより、石材上面の平面加工)
・コアドリル
(φ15mm~400mmまでの石材への穴あけ加工)
・ポリッシングマシーン
(#80~ツヤ出しまでの石材上面の研磨加工)
・サンドブラスト
(素材への模様、文字等のサンドブラスト処理加工)
・ホイストクレーン(最大吊り上げ2.8t)
・フォークリフト
(共通工房6工房で使用でき、3tまでの作品、材料等の運搬可能)
・エアー工具 電動工具 手道具 各種
東京藝術大学取手校地 共通工房
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茨城県取手市小文間5000
Tel:050-5525-2543(取手校地事務室)