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専攻と研究分野・研究領域

修士課程(前期2年の課程)

博士後期課程(後期3年の課程)

専攻 研究領域 
  音楽   作曲  
声楽  
鍵盤楽器  
弦・管・打楽器 弦楽器 管楽器・打楽器 室内楽
古楽  
指揮  
邦楽  
音楽文化学 音楽学 音楽教育 ソルフェージュ 
音楽文芸 音楽音響創造 芸術環境創造

取得学位名称

修士課程

修士(音楽):作曲、声楽、器楽、指揮、邦楽、音楽学、音楽文化学の各専攻

博士後期課程

博士(音楽):音楽専攻のうち音楽学以外の領域
博士(音楽学):音楽専攻のうち音楽学領域
博士(学術):音楽専攻のうち音楽学領域

独立講座の内容

音楽文化学専攻-音楽学

◆カリキュラム

音楽文化学専攻音楽学研究分野の教育研究体制は、つぎの三講座からなっています。

 第一講座 - 音楽美学、音楽民族学
 第二講座 - 西洋音楽史
 第三講座 - 日本・東洋音楽史

 修士課程の学生は、第一講座(音楽美学・二十世紀音楽/音楽民族学)、第二講座(西洋音楽史)、第三講座(日本・東洋音楽史)のいずれかの研究室で研究にあたり、修士論文を作成します。必修科目として、自らが所属する研究室が開設する「音楽学演習」と「音楽学特殊研究」を2年間履修します。しかし、学生は自分の所属以外の講座に属する演習や特殊研究も履修することができ、また一定の範囲内で学部開設科目を受講することもできます。

 博士後期課程では、学生は修士課程と同じく各講座に所属しますが、より高度な研究テーマに対応するために、講座の枠にとどまらない集団指導体制がとられます。テーマによっては、音楽学専攻以外の学科の教員、あるいは学外の専門家の協力を得ることもあります。学生は「博士特別研究」の単位として、1年次には総合ゼミナールでの発表、博士1年次論集への執筆、2年次には博士コロキウムでの発表が義務づけられているほか、学会等での研究発表、学会誌への投稿が強く奨励されます。年1回以上開かれる指導教員会議では、こうした学生の自主的な研究活動に対する評価と今後の研究への指針が与えられます。これらの過程を通じて、博士の学生は独立して研究活動を行うための能力と見識を培い、博士論文の作成に至ります。

>> 音楽文化学専攻音楽学(楽理科)公式Webサイト

○その他(卒業後の進路など)

 大学院修了生の多くは、各地の大学や研究機関で音楽学の研究・教育に従事しています。
 世界各国からの留学生を積極的に受け入れていることも、楽理科および大学院音楽学専攻の大きな特色の一つです。2008年度には計10ヵ国・13名の交換留学生、研究生、大学院生が在籍しています。彼ら留学生のなかには演奏に秀でた者も多く、研究と実践とのよい関係を築きあげています。授業はもとより、学内外での演奏活動等を通して、日本人学生と留学生、また留学生同士の国際交流も盛んに行われています。

指導教員

教育科目

音楽文化学専攻-音楽教育

◆概要

education_img200901 本学における音楽教育研究と教員養成の歴史は、1879(明治12)年の音楽取調掛設立にまで遡ることができます。続く東京音楽学校時代にも、本科と並んで師範科が設けられていました。東京藝術大学になってからは、学部に音楽教育の専攻を置かず、大学院の講座として、1969(昭和44)年に修士課程が、1977(昭和52)年に博士後期課程が開設され、現在の形になりました。
 音楽教育の講座では、人間と音楽の多様なかかわりを教育的な視点から追究する研究者・実践者を育成しています。その研究対象は学校教育にとどまらず、音楽の専門教育、幼児の音楽教育、障害児の音楽教育、社会教育・生涯学習としての音楽教育など、多岐にわたっています。講座開設以来、高い専門性と豊かな人間性を兼ね備えた人材が、数多く輩出されています。

>> 音楽教育研究室 公式Webサイト

◆カリキュラム

 教育研究体制は、常勤教員2名と兼任教員2名、特任教員1名、非常勤教員7名、教育研究助手3名によって構成されており、主に上野キャンパスで、教育研究活動を展開しています。

■修士課程
 音楽教育研究の方法と分野について、基本的な知識と技能を身につけるとともに、各自のテーマに基づいて研究を遂行します。研究論文の作成に加えて専門実技等の研鑽が課せられている点や、授業研究を通して教育実践現場と密接に連関しながら教育研究活動を推進している点などが、本講座の大きな特色です。
【必修科目】
 音楽教育学演習/音楽教育学実習
【選択科目】
 作曲実習/声楽実習/器楽実習/邦楽実習/音楽学実習/音楽科教育学実習
 教育学特殊研究(1)~(7)など

■博士後期課程
 修士課程での研究を発展・深化させながら、各自のテーマに基づいて研究を遂行します。さらに、高度専門職業人として必要となる専門的知識と技能を身につけていきます。
【必修科目】
 研究領域特別研究指導/博士特別研究/博士専門科目
【選択科目】
 大学院開設科目

○その他(国際交流、留学生の受入れ、卒業後の進路など)

-国際交流、留学生の受入れ-
 これまで、アメリカ、中国、韓国、ブラジルなどからの留学生を受け入れてきました。日本や母国で、音楽教育の研究者・実践者として活躍している人が何人もいます。

-修了後の進路-
 出身者の多くが、教員養成系大学・学部や音楽大学等の音楽教育担当教員として、また小学校や中学校、高等学校、特別支援学校等の教諭として、音楽の教育・研究に従事しています。作曲家や演奏家、舞踏家として活躍している人もいます。

指導教員

教育科目

音楽文化学専攻-ソルフェージュ

◆概要

sol2007_01 全国の大学に先駆けて本学にソルフェージュ講座が設置されたのは1971(昭和46)年です。今日ソルフェージュは洋楽専攻のすべての学生に必修とされる総合的な音楽基礎教育と位置づけされています。
 本講座は本学の中で全科にわたって横断的な教育を行うソルフェージュの重要性を常に認識してきました。それぞれの専攻を縦糸とするなら、ソルフェージュの学習は横糸に例えることができるでしょう。私たちの理念は、学生たちが個々に習得したソルフェージュ能力を、本学の教育水準と環境において収拾し、聴覚やリズムに対する繊細な感性、音楽を内的に聴取する能力、そして音楽理論全般を包括した広義のソルフェージュ教育を行なうことにあります。それは学生たちが「音楽する」ために必要な多くの「音楽力」を自らの内に形成することでもあります。

◆カリキュラム

 学部教育および大学院教育(修士課程、博士課程)があり、音楽力に偏りが生じないよう、学生の個性と資質を効率的に伸ばせるカリキュラムとなっています。

○カリキュラム(学部教育)

 学部教育におけるソルフェージュの授業では、学生たちの多様な学習能力に対応するため、「基礎」と「展開」という2つの課程を開講しています。

 基礎課程は、各学生の学習進度に応じたグレード制となっており、漸進的かつ一貫した内容の授業が行われています。聴覚、身体感覚と表出能力(リズム、視唱)、視覚(音符の速読)、知覚(理論)の育成を柱としています。

 展開課程は、既に修得した基礎的内容を繰り返し学ぶ無駄を省き、専攻実技に密着したソルフェージュ教育を行なうことがその目的です。基礎課程修了認定試験を各学期末に実施し、基礎クラスから展開クラスへの履修へと進みます。現在4種類の展開クラスが開講されています。

■応用ソルフェージュ : 基礎クラスから発展したより高度、かつ汎用なソルフェージュ
■器楽ソルフェージュ : 楽器によるソルフェージュ(楽器による聴音、初見奏等)
■声楽ソルフェージュ : 視唱を中心としたソルフェージュ(音程の習得、言葉のリズム等)
■鍵盤ソルフェージュ : ピアノ視奏法を中心としたソルフェージュ(ピアノ伴奏を含む初見視奏、スコアリーディングの基礎、数字付き低音奏、伴奏付け等)

 その他、自由選択科目として「古楽ソルフェージュ」、「現代音楽ソルフェージュ」、「即興ソルフェージュ」が開講されており、共に類のない開講科目です。

■古楽ソルフェージュ
 古楽を演奏するために必要なソルミゼーション、ヘクサコルド、教会旋法、古典音律、数字付き通奏低音、テンポ、舞曲、レトリック、リズム変更等の基礎実習と理論。

■現代音楽ソルフェージュ
 20世紀以降の様々な現代音楽作品を演奏するためのソルフェージュ。現代譜や図形楽譜の読譜、奏法、メモリー、初見奏、分析を含む基礎実習と理論。

■即興演奏ソルフェージュ
 より豊かな表現力を培うための即興演奏を主体とした授業。ジャズによる即興、西洋音楽、現代音楽の様式等に基づく即興。

 この他に、スコアリーディング、邦楽科学生のためのソルフェージュがあります。

○カリキュラム(大学院教育研究)

 修士課程としてのソルフェージュ講座では、ソルフェージュとソルフェージュ教育を幅広く扱い、日本における西洋音楽の受容と同化という観点から、これらの理論的・実践的方法論を多角的に研究しています。本研究分野で学んだ学生が、深い音楽的教養全般を習得したソルフェージュ教育者や研究者としての資質を備えた音楽家として広く社会で活躍することを目的としています。学生たちの研究目的や将来の活動目的は様々で、これまでに本学、および本学附属音楽高等学校、国立音楽大学、桐朋音楽大学、洗足学園音楽大学等の教員、国内外のピアノ伴奏者、オペラのコレペティトゥア等多岐に渡る活動分野に、優秀な人材を多数送りだしています。
 博士後期課程では修士課程で培われた各自の研究領域をさらに広げ、かつ深く掘り下げていくための音楽研究とその研究者の育成に力を入れています。

指導教員

教育科目

音楽文化学専攻-音楽文芸

◆概要

lit2007_01 音楽文芸講座は、2003(平成15)年に修士課程、2005(平成17)年に博士後期課程が設置されました。2007(平成19)年度末に本分野初の博士学位取得者1名を出したところです。
 本講座は、音楽に関わる言語表現を研究対象とし、音と言葉の関係性について探求することを目的としています。具体的には、オペラ・歌曲・ミュージカル・謡曲・歌舞伎・浄瑠璃等における、音楽と詞章とのかかわりや、その背景についての研究を行います。
 詩学・韻律学・修辞学・文献学・書誌学等の知識をもとに、歌詞・詞章の構造の分析は必須です。さらに注釈的読解の方法論習得を通じて作品の内在的研究を深めるとともに、加えてテキストの周辺領域を視野に入れ、作品を文化的・社会的位相の内に捉える音楽文化史的なアプローチをも行います。

>> 音楽文芸研究室 公式Webサイト

◆カリキュラム

○カリキュラム(大学院教育研究)

 修士課程には、必修科目として、音楽文芸実習、音楽文芸演習、総合演習があります。5人の専任・兼任教員の何れかがそれぞれの専門性において、各々の学生の研究テーマに応じて指導教員となり、実習を受け持ち、修士論文作成に向けて指導を行います。演習は、指導教員の開講するもの、または指導教員の指定するものが必修となります。
 この専門性に集約される指導と並んで、必修科目の一つとして、専門領域の枠を越え、広い視野を獲得すべく、総合演習が用意されています。これは、音楽文芸の全専任・兼任教員と全学生(博士後期課程の学生も含む)が参加して、ある共通のテーマの下に共に議論を交わす場です。一人ひとりの学生にとっては、教員の総出動体勢による指導という意味があります。
 選択科目としては、他の音楽文芸演習、音楽文芸特殊研究、原典特殊講義(以上、音楽文芸専任・兼任・非常勤教員による)、更に他専攻、他分野の授業科目が置かれ、学生が研究を多面的、重層的に拡げ、深めることのできるよう配慮されています。

 博士後期課程では、何よりも当該専門領域における画期的な博士論文の作成が目指され、研究は主任指導教員及び関連指導教員からなる指導教員会議の指導の下に行われます。必修科目は、主任指導教員の開設する博士専門科目、及び当該学生が博士特別研究の名の下に行う研究発表のみです。

○その他

-望まれる学生像-
 演奏経験の有無にかかわらず、何よりも言葉と音楽とから成る芸術・文化に強い関心を持つ学生が望まれます。ただしその前提として、外国語・日本語を問わず、テキストを読み解く語学能力に優れていることと、研究の基盤となる、音楽史を初めとする歴史に関する知識を有していることが必須の条件となります。従って、計画している研究の基礎知識を確実なものとし、加えて思考力・文章力を高める努力が日頃から求められているといえるでしょう。

-修了後の進路-
 松竹/茨城新聞社/郁文堂/脚本・演出家(日本劇作家協会新人戯曲賞入賞)など、音楽文芸に関わる研究者、教育者、評論家、音楽や舞台芸術に関わるメディア・企業への就職、等

指導教員

教育科目

音楽文化学専攻-音楽音響創造

◆概要

onon01 本研究分野の母体となる学部の「音楽環境創造科」で掲げる「21世紀の新たな芸術と、それにふさわしい環境の発展、創造に資する人材育成」という教育理念を引き継ぎ、音楽、音響関係の分野において、より専門的な知識、技能の習得をおこない、トーンマイスターと呼ばれる録音制作ディレクター・エンジニア、作曲家、プロデューサーなど、高度な専門職業人の養成に重点を置きます。

>> 音楽音響創造公式Webサイト

◆カリキュラム

○カリキュラム(大学院教育研究)

 音楽と音響の知識、技術を身につけた上で、それらを横断する様々な作品制作(映像・舞台・身体表現やメディアに関わる音楽音響作品)、あるいは、新しい録音技法によるサラウンド制作など、先進的な研究テーマに取り組みます。

 主な教育研究テーマ
・サラウンドによる音響作品の制作
・録音技法と音楽表現について
・映像や身体表現などと音楽との関係について
・音や音楽の心理的な効果について

関連学会:音響学会、音楽知覚認知学会

○その他(卒業後の進路など)

 本研究分野を修了した学生は、音楽や音響制作の現場だけでなく、さまざまなメディアや企業、研究・教育機関などにおいて、音を扱う専門家として広く社会全般で活躍することが期待されます。

指導教員

教育科目

音楽文化学専攻-芸術環境創造

※芸術環境創造研究分野は大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻に統合されたため、平成30年度以降、研究生の募集は行いません。

◆学科・専攻概要

geikan01 2006(平成18)年に開設された研究分野である芸術環境創造では、音楽、舞台芸術、映像、メディア表現など、さまざまな芸術表現と社会の結びつきを多角的に研究します。本研究分野の母体となる学部の「音楽環境創造科」の理念を引継ぎ、21世紀の新たな芸術と、それにふさわしい環境の発展、創造に資する人材育成のために、幅広い芸術表現とそれをとりまく社会環境、文化全般のより専門的な知識、技能の習得を行います。

◆カリキュラム

○カリキュラム(大学院教育研究)

 研究は、表現作品の制作から文化事業の企画運営、さまざまな文化的事象の調査研究、表現作品の制作など、実践を取り入れた多様な形式で取り組まれます。具体的には、文化政策やアートマネジメントの実践的研究、劇場やフェスティバル等のプログラミングや演劇論、振付論の研究、文化芸術全般の運営やそれをとりまく文化環境に関する実践的研究、文化理論研究、メディア&コミュニケーション理論および調査研究、ポピュラー文化研究、そして芸術文化と社会の関係を参与観察しながら考察する実践的研究などを行います。

関連学会:日本社会学会、日本マス・コミュニケーション学会、文化経済学会、文化政策学会、アートマネジメント学会、文化資源学会

○その他(卒業後の進路など)

 さまざまな芸術分野の事業企画運営に携わる専門家を育成するとともに、さまざまなメディアや企業、研究・教育機関などにおいて、高い文化的素養をもった人材として広く社会全般で活躍する人材を育成します。

指導教員