4 ⽉23 ⽇、「ベルリン・フィルハーモニー・カラヤン・アカデミー」と本学は、⾳楽分野における世界トップアーティストの戦略的育成を⽬的として、⼈材育成に係る協定(特別選抜制度)を在ドイツ⽇本⼤使館で締結しました。
ペーター・リーゲルバウア ベルリン・フィルハーモニー・カラヤン・アカデミー代表(左)と澤学長。
この度、ベルリン・フィルハーモニー・カラヤン・アカデミーと東京藝術⼤学の連携協定が締結されました。私⾃⾝、ヴァイオリニストでもありますので、格別な喜びを感じております。
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は申し上げるまでもなく、現代最⾼のオーケストラです。ベルリン・フィルの創⽴は1882 年、そして東京藝術⼤学⾳楽学部の前⾝である東京⾳楽学校の創⽴は1887 年でした。ベルリン・フィルの5 年後で、ほぼ同時期の創⽴ということになります。もちろん、⻑いヨーロッパのクラシック⾳楽の伝統の中のエリート集団であるベルリン・フィルと、⻄洋⾳楽については⽣まれたての⾚ん坊のような当時の東京⾳楽学校の誕⽣を同等に語ることは全くナンセンスですが、私たちにとって、ベルリン・フィルは、常に究極の理想像として、その背中を追い続けて来た存在でした。
1959 年に、東京藝⼤の卒業⽣であるヴィオラの⼟屋邦雄さんが⽇本⼈として初めてベルリン・フィルに⼊団され、その後、安永 徹さんがコンサートマスターに就任され、現在の樫本⼤進さんや清⽔直⼦さん、町⽥琴和さんらに⾄る⽇本⼈奏者の⽔準の⾼さが⽴証され、また近年では、ベルリン・フィルの多くのメンバーが東京藝⼤に招聘教授や卓越教授として頻繁に訪れ、マスタークラス実施や、教員、学⽣たちとの室内楽やオーケストラでの共演を通じて信頼関係が⽣まれ、⼤変レベルが⾼く、競争率の⾼いカラヤン・アカデミーのヴァイオリン部⾨に、1 名の藝⼤枠を設けるという今回の協定につながったものと理解しております。
東京藝⼤では、最近の若者の⾳楽離れ、芸術離れに強い危機感を覚え、これまでの⼤学と附属⾼校だけで⾏ってきた教育・研究だけでなく、⼤学の教員が直接、地⽅の才能ある⼩中学⽣を指導する早期教育プロジェクトやジュニアアカデミーの設⽴、また、⾶び⼊学制度のスペシャルソリストプログラム、そして⼤学卒業後の留学やキャリアの⽀援というように、継続して⼈材を育成することにエネルギーを注いでいるところですが、今回のベルリン・フィルハーモニー・カラヤン・アカデミーとの連携協定は、在学⽣、あるいはこれから⾳楽家を⽬指そうとする、さらに若い世代に夢を与えるという意味でも⼤変⼤きな意味を持つと考えております。
ここにご臨席のカラヤン・アカデミー代表のペーター・リーゲルバウア⽒と、松下副学⻑が、ベルリン芸術⼤学時代からの40 年近い親交を温めていたことも、この連携協定実現には不可⽋のことであり、また、宗次德⼆海外留学⽀援奨学⾦の存在がなければ、やはり実現は困難であったと思われます。この場をお借りして⼼より感謝申し上げます。
最後になりましたが、本⽇、このような素晴らしい記者会⾒の場を提供していただきました⼋⽊⼤使はじめ、在ドイツ⽇本⼤使館の皆様にも⼼より御礼申し上げます。
⽇本とベルリン・フィルとは⻑い歴史があり、特別な関係にあります。
ベルリン・フィルは、1950 年代に既にカラヤンの指揮で⽇本公演が⾏われ、その後、毎年のように⽇本公演を⾏っています。今回、この様な取組から、東京藝術⼤学と⼈材育成に係る協定を締結することが出来ることは⾮常に嬉しく、更に、⽇本とドイツの親密な輪が広がったかと思います。
⽇本とベルリン・フィルとの特別な関係を考えた時、両国の親密な深さから成り⽴っており、ベルリン・フィルのオーケストラや室内楽では⽇本⼈が団員として参加しており、度々の⽇本公演と併せて、最もこの様な親密な関係を築いているのは⽇本と思っております。
私達は、今、若い演奏家と⼀緒になって演奏が出来る喜びを感じています。このため、ベルリン・フィルハーモニー・カラヤン・アカデミーでは、世界に向けて公募を⾏っており、先⽇のオーディションでも⽇本⼈を含め世界から多数の志願者が集まりました。
これまでの実績から、東京藝⼤は素晴らしい才能をもった若い演奏家を輩出していますので、今後、両機関が正式なシステムのなか、⻑期間にわたり、次世代の⾳楽家を育成するために本協定を締結することといたしました。
私の将来の夢は、このプロジェクトにより⼊学したアカデミー⽣がベルリン・フィルハーモニー管弦楽団員になることであり、7 ⽉3 ⽇、東京藝⼤で⾏われるオーディションで素晴らしい才能をもった若い演奏家が集まるか、凄く楽しみです。
東京藝⼤は、ベルリン芸術⼤学とも協定を締結しており、また、ベルリン・フィルハーモニー・カラヤン・アカデミーと協定を締結することは、両国にとっても特別なことかと思いますし、その協定締結が在ドイツ⽇本国⼤使館で⾏われるのは、⾮常に喜ばしい限りです。
この⽇を迎えることを⾮常に嬉しく思いますし、ご尽⼒いただきました澤学⻑、松下副学⻑に感謝を申し上げるとともに、末永く、この協定に基づき次世代の⾳楽家を輩出することを祈願しています。
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