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本学所蔵「彫金後藤家関係資料」の重要文化財指定

2019年03月28日 | 全て, 大学全般

 3月18日(月)開催の文部科学省文化審議会文化財分科会において、本学所蔵の後藤家関係資料を「彫金後藤家関係資料」として国の重要文化財に指定することが、文部科学大臣に答申されました。

【指定の概要】
重要文化財(美術工芸品)<歴史資料の部>
彫金後藤家関係資料 一括
*東京藝術大学附属図書館、東京藝術大学大学美術館保管

  後藤家は室町時代中期の祐乗を祖とし、室町将軍家、織田氏、豊臣氏、徳川氏などの武家に彫金御用で仕え、刀装金工師として知られた町衆でした。江戸時代は、江戸を拠点とし、彫金御用のほか、大判座、分銅座を運営していました。本資料群は、後藤本家である四郎兵衛家に伝来した、江戸時代における文書・記録類617点(附属図書館保管)と分銅13点(大学美術館保管)から構成され、とくに刀装具の三所物(目貫、小柄、笄)を中心とする彫金作品の制作台帳たる「本帳」と、彫金作品の鑑定台帳たる「極帳」など彫金御用の記録類が中核を占めています。

 本資料群は、後藤家が制作および鑑定した刀装具の品質、形状、評価等を詳細かつ網羅的に記録するもので、江戸時代の刀装具、金工史を研究するうえでの基礎資料となります。大判座、分銅座関係の文書・記録類を併せ、江戸時代の政治史、経済史、文化史、工芸技術史等の研究上に価値が高いと評価されました。

  本学では、この度の重要文化財指定に伴い、関係者の方々と協力しながら、後世に残すべく取り組んでまいります。

  また、附属図書館では、東京藝術大学附属図書館貴重資料展として2012年に「後藤家文書 刀装金工の鑑定と記録」、2014年に「後藤家文書 刀装金工の鑑定と記録②―公益財団法人出光文化福祉財団助成・修復事業報告―」の展示を行っておりますが、この度、東京国立博物館で、2019年4月16日(火)から5月6日(月)まで開催される「平成31年新指定国宝・重要文化財展」において、資料の一部が展示される予定です。

【参考資料】
>>「文化審議会答申 ~国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定及び登録有形文化財(美術工芸品)の登録について~」(文化庁)
>>「後藤家文書 刀装金工の鑑定と記録」
>>「後藤家文書 刀装金工の鑑定と記録 ②」