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文化財保存学専攻による金剛力士像の修復過程における発見について

2019年06月13日 | イベント, プレスリリース, 全て

 6月6日(木)、大学院美術研究科文化財保存学専攻による茨城県雨引山楽法寺仁王門金剛力士像の修復過程における発見について、籔内佐斗司副学長(大学院美術研究科文化財保存学専攻教授)らが記者会見にて発表を行いました。

記者会見概要

 楽法寺金剛力士立像は、後世の修理時に貼られた布や分厚い彩色に覆われ、その詳細が明らかではありませんでした。ところがこれらを除去したところ、造像当時の素晴らしい造形が現れ、さらに像内からは室町時代の納入品(修理銘記)が発見され、鎌倉時代の早い時期の作例である可能性が高まりました。

 この楽法寺像は、造形などの特徴が建久8年に運慶が造像したとされる東寺南大門金剛力士立像と近似しており、この運慶による東寺新様式が採用された金剛力士像の中では東日本最古のものと推定されます。バランスのよい造形表現も屈指のものであるといえます。

 また、阿形像内からは室町時代の木札や巻子が複数発見されました。もっとも大きな木札(修理銘札)には、修復の関係者名、費用、当時の真壁城主・真壁治幹の名、そして当時戦乱や飢饉が続いていたことなどが記されています。また小さな木札は、坂東三十三箇所の巡礼者が納めたものであることがわかりました。これらは当時の社会や信仰の様相をうかがい知ることのできる非常に貴重なものです。

 その他、取り出された計8巻の巻子は未開封のため今のところ中身は不明ですが、さらに多くの情報が記されていることは間違いありません。

 

【要旨】
・これまで分厚い後補塗膜に覆われあまり注目されることがなかったが、東寺運慶様の中で東日本最古 の素晴らしい造形をもつ像であることが明らかになった

・室町時代の納入品も発見され、史学的・信仰史的に極めて重要なものであることがわかった

・納入品の一部は未開封で、今後さらなる発見が期待できる

・調査と修復を行うことで本像の新たな価値が見出され、歴史を理解するうえで貴重な発見となった

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籔内佐斗司副学長(大学院美術研究科文化財保存学専攻教授)