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GEIDAI NY DESK(藝大ニューヨーク・デスク)を新規開設、新しい形の次世代アーティスト・クリエイター海外活動支援が始動

2026年03月27日 | プレスリリース, 全て, 大学全般

東京藝術大学(学長:日比野克彦、以下「本学」)は、米国ニューヨークの現代美術館New Museumが運営するインキュベーション・プラットフォーム「NEW INC(ニュー・インク)※」のアンカー・メンバー(NEW INC Anchor Member)として参画し、同施設内に次世代アーティスト・クリエイター海外活動支援のための活動拠点「GEIDAI NY DESK(藝大ニューヨーク・デスク)」を開設しました。本拠点は2025年からの実験的稼働を経て、2026年3月21日(土)のNew Museum拡張新館のリニューアルオープンと同時に、本格稼働を開始しました。

ニューヨーク・バワリー地区という現代アートの最前線から、日本、アジア、そして世界へと広がるプロジェクトの循環を生み出し、日本の文化芸術が国際的な現場と持続的に関わり続けるためのインフラとして機能させていきます。

New Museum(Photos by Jason O’Rear)

 

1. 開設の背景・目的

個人の活動から、組織的なサポート・連携へ

本学の卒業生には、これまでにも坂本龍一、村上隆、千住博、そして現学長の日比野克彦など、多くの個人がニューヨークを舞台に活動を幅広く展開してきました。 GEIDAI NY DESKは、こうした卒業生が築いてきた個人の軌跡に追随すべく、次世代の才能がよりスムーズに現地のネットワークへ参画できるよう、大学として組織的に環境を整備する試みです。
日本を離れニューヨークに創作の場を求めたアーティスト個人は、その度に、一から人脈を築き、場所を探し、文化の壁を乗り越えなければなりませんでした。GEIDAI NY DESKは、アーティストがNYのアート関係者と出会ったり、NYでの経験を共有したりすることのできる活動場所や現地ネットワーク等をつくり、個々のネットワークを蓄積し、未来に繋がる創作活動を支える仕組みをつくることを目指します。

学長コメント

これまでに多くのアーティストが日本からNYアートシーンにやってきている。その背景はそれぞれであるが、共通している点があるとしたら、NYの社会との繋がり、NYのアート支援者との繋がり、個々にやってきているアーティスト同士の繋がり、は自分自身で開拓しなくてはならないということ•••。
今回のNEW INCでは、この課題に対して積極的に繋がりの場として、機会として働きかけるベースとしていきたいと考えています。
このことが、アートシーンを作品主義から人間主義にと認識を移行させて、本来のアートの力をNYからも発信し、世界が求めている社会に近づけてくれることになると考えています。

東京藝術大学長 日比野克彦

 

2.「GEIDAI NY DESK」の機能

“NYの活動拠点”という新しいサポートの仕組み

本学が中心となり  NEW INCのアンカー・メンバーとして専用ワークスペースを構え、日本のアーティストやクリエイター、研究者がニューヨークのクリエイティブ・エコシステムへ直接的に接続するための「出島」機能を担います。
大規模なキャンパスを構えるのではなく、都市の中に機動的な拠点を持つことで、以下の4つの機能を循環させてアーティスト個人がより多くの機会を得るサポートを行ないます。

対話(Dialogue):
現地のキュレーター・批評家・アーティストと継続的な議論の場を生み出します。
一時的なイベントではなく、日常的な対話の積み重ねが、作品と思考を鍛えます。

交流(Exchange):
アート・テクノロジー・デザイン・社会起業など異分野のクリエイターや投資家と出会い、予測不能なコラボレーションを生む土壌を耕します。

場(Studio):
リサーチとプロジェクト開発のための場として、ニューヨークというフィールドそのものを素材に、新しい表現を育てます。

知の共有(Knowledge):
NYでの滞在中に得たな活動知見を集積し、日本と世界へ双方向に還元します。
現場で得た生きた知識が、次世代のアーティストへと受け継がれます。

専用ワークスペース(Photos by Jason O’Rear)

 

3.対象となるアーティスト・クリエイター

GEIDAI NY DESKを利用できるアーティスト・クリエイターは本学出身者に限らず、才能ある次世代のアーティストやクリエイターを対象として支援を行ないます。
本拠点の運営にあたっては、本学が中心となり、メディアアートの国際展開支援プロジェクト「WAN(Art & Tech Creators Global Network)」等と戦略的に連携します。初期メンバーとしてWANに採択された作家や研究者が参画し、NEW INCのコミュニティと日常的に協働することで、実践的なネットワークを広げていきます。
今後、参画するアーティストを広げるために、連携する機関・企業との協働による利用・派遣プログラムも検討しています。

主なアーティストやクリエイター(WAN採択者より。予定を含む):
田中みゆき(キュレーター、アクセシビリティ研究者、社会福祉士)、青木竜太(芸術監督、社会彫刻家)、木原共(アーティスト、ゲーム作家)他、村本剛毅(アーティスト)、吉田山(キュレーター、アーティスト)、小宮知久(メディアアーティスト、作曲家)、花形槙(アーティスト)、宇佐美奈緒(アーティスト) らが利用予定。

 

4.様々な機関・企業とのパートナーシップ

企業パートナーシップによる拠点確保

次の5つの団体によるコンソーシアムを組成するとともに、各団体がNEW INCのアンカー・メンバーとして参画し、アーティストが拠点を活用できるよう、連携して支援を行います。
また、株式会社メルコグループが賃貸料を全額負担することで、NEW INC内における専用ワークスペースおよび施設利用権を確保しており、支援企業が活動拠点を確保し、参画団体がコンテンツを展開する産学連携モデルにもなっています。

参加団体:
東京藝術大学、京都大学経営管理大学院、愛知県立芸術大学、AS(本学名誉教授である青木淳氏が主宰する建築事務所)、株式会社メルコグループ(Melco Group Inc.)

※NEW INC(ニュー・インク)について
NEW INCは、ニューヨークのNew Museum of Contemporary Art(ニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート)が2014年に設立したインキュベーション・プラットフォームです。アート・テクノロジー・デザイン・社会的インパクトの各分野で活動するクリエイターや起業家に、コワーキングスペース・ネットワーキング機会・専門家によるメンタリングを提供し、クリエイティブ産業の革新を支援しています。
New Museumは1977年創設。SANAA(妹島和世+西沢立衛)設計の現館に続き、OMA(パートナー:重松象平氏)が設計した拡張新館が2026年3月21日にオープンしました。現代アートと建築の両面で世界的な話題を呼ぶこのタイミングに、GEIDAI NY DESKは本格稼働を開始しました。

【関連記事:NEW INCのプレスリリース】
>> NEW INC, New Museum’s Cultural Incubator, Announces Twelfth Member Cohort for 2025–26

Photos by Jason O’Rear

Photos by Jason O’Rear

米国における本事業に関連する取り組み
米国における本学の別の取り組みとして、米国の寄付プラットフォーム「Every.org」(Myriad USA提携)に「Tokyo University of the Arts Fund」を開設しています。これにより、米国在住の個人・企業からの税制優遇措置を受けた寄付受入が可能となります。GEIDAI NY DESKの活動を含め、日本国内からの拠出に依存しない自律的な財政モデルを構築し、グローバルな支援ネットワークに支えられた運営を目指します。

Myriad USA
https://www.every.org/tokyo-university-of-the-arts

【問合せ先】
東京藝術大学芸術未来研究場
E-mail:geidai.park(at)ml.geidai.ac.jp
※(at)は@に置き換えて下さい