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藝大生の親に生まれて - 第三回 善養寺進さん、善養寺幸子さん(美術学部デザイン科1年 善養寺歩由さんのご両親)

連続コラム:藝大生の親に生まれて

連続コラム:藝大生の親に生まれて

第三回 善養寺進さん、善養寺幸子さん(美術学部デザイン科1年 善養寺歩由さんのご両親)

「藝大生の親に生まれて」は、芸術家の卵を子に持つ親御さんにご登場いただき、苦労や不安、喜怒哀楽、小さい頃の思い出やこれからのことなど、様々な思いについてお話をうかがい、人が芸術を志す過程や、生活の有り様について飾らずに伝えます。

──ご両親ともに藝大を目指して予備校に通われていたんですね。自然と家庭の中にも美術的な空気があったのではないかと思いますが、小さい頃の歩由さんはどういうお子さんでしたか?

(母)周囲に紙とペンは常にある状態でしたけど、ちょっと異質でしたね(笑)。幼い頃、まだ同世代の子供は点を打ったり丸を描いたりできるくらいのときに、この子はちゃんと顔のあるおさげ髪の女の子を描いていたので、絵が好きなんだろうなとは思っていました。だから記憶にないでしょうね、いつから絵を始めたとか。

(父)他のことはやっていませんでしたしね。運動も一切やってなかったよね。

(歩由)運動はできないんですよ(笑)。

──絵を描いたりすることが小さな頃から習慣としてあったんですね。

(父)本人がやりたいことを持っていることは安心しました。やりたいことを見つけるのは大変ですから。大学に入ってからも、ほとんどの人がやりたいことを見つけるのに頑張っているんじゃないでしょうか。

(母)教育方針というわけではないんですが、子供に言うべき言葉として、子供がこうなりたいと言ったら、それは無理でしょというよりは、それになるにはどうしたらいいかを一緒に考えるのがいいのかなと。大学に行くのなら努力しなきゃというのはあるかもしれませんが、小さい頃は夢見ていることを否定する必要はないと思っています。

──歩由さんは高校生の時に海外留学されてるんですね。なにかきっかけはあったんですか?

(父)この子の兄が、ワーキングホリデーでオーストラリアとニュージーランドに行って、今はゲームやアニメの背景を描く仕事を独立してやっているのですが、その影響が大きいのかなと思います。

(母)次世代リーダー育成道場の研修制度を使って、2年生から3年生にかけて10ヶ月留学していました。向こうで取った単位をいかしてそのまま卒業することもできたんですが、卒業制作のためにわざわざ1年休学にしたんですよ(笑)。工芸高校に行って、卒業制作をやらないんじゃ何のために行ったんだってことになりますからね。

(父)娘が小さい頃、プーケットに語学研修に連れて行ったことがあるんです。娘はどちらかというと静かな子だと思うんですが、プーケットでは人当たりがすごくよくて。ホテルのタイ人のおばちゃんと一日中しゃべったりゲームをしたりしていて、部屋に戻ってこないくらいで(笑)。これなら留学しても安心だなと思いました。

(母)日本にいると、どうしてもいろんなしがらみに拘束されてしまいがちですよね。本当はどうでもいいことなんですけど、それらに縛られて、すごく狭い世界で窮屈な思いをしている。それに合わせてうまく社会でやっていける人はいいと思うんですが、海外に行くともっと自由な世界があります。何か嫌なことがあっても、もっと違う世界があると知っているのと、この世界しかないというのでは、かなり違いますよね。

──ご両親から見て、藝大に通われている歩由さんはどう感じますか?高校時代と変わったなとか。

(父)何も変わらないですね(笑)。やりたいこともあって、という感じで。それができているのが幸せでいいなと思います。

(歩由)正直、最初は不安な面もありました。受験勉強を半年しかしていなかったので、みんなより技術的に劣っているだろうなと思っていたんですが、意外となじめているなと感じています。私は大学生をやりたいというより、芸術家になりたいという希望があるので、今は同時並行的にやりたいことをやろうとしている状態ですね。もう展示の予定も決めています。

──藝大を目指すこれからの受験生に何かアドバイスはありますか?

(歩由)やはりインプットがないとアウトプットができないじゃないですか。日頃から作品を見たり芸術に触れたりして、これがいいなという感覚は身に付けておいたほうがいいと思います。大学に入るための受験勉強だけになるよりは、いろんなところに行って、いろんなものを見て、自分の個性を受験期でも大切にすることで、入学後でも自分を見失わないし、作品自体の個性にもつながるので。

──同じく芸術家を目指すお子さんをもつ親御さんへ、ご両親から何かメッセージがありましたらお願いします。

(父)親も、子供と一緒に楽しむことが大事かなと思います。絵でも音楽でも、自分ができないのに子供にだけ望むというのは、子供もイメージができないと思いますし。家で遊べないとつまらないでしょう。

(母)本人がなりたいと言っているのなら、それは如何ともしがたいですよね。だから余計なことを考えずに、環境を提供するだけでいいんじゃないでしょうか。あまり気を遣ってもしょうがないかなと思います。

──今後について、なにか考えがあればお聞かせ願えますか?

(父)大学入学まではできたので、次は作家デビューをどうするかということですよね。できれば海外でデビューしたほうが現状ではベストだと思います。そのためには、ここからどこへ行くのかというのがしっかり見えてくればいいなと。僕は口を出しませんが、本人が考えていくと思います。

(母)卒業はしてもしなくてもいいかなと思っています(笑)。卒業証書が必要なのは就職のときですけど、それも腕力があればいいわけですから。あとは、藝大で技術を学ぶということはもちろん、人脈や機会を得る数が増えるかどうかというところが大きいかなと思います。あまり深く考えずに、学生の本分だけではなくて、いろいろチャレンジしてくれればいいと思います。

(歩由)私、今いろいろやってて、バンドマンもやっているんですよ。藝大の先端芸術表現科の先輩が中心でやっている「グローバルシャイ」というバンドで……まぁイラストレーション担当なんですが。

(母)最近よくあるパターンね、自称バンドマン(笑)。

(父)ライブでボタンだけ押してるんだよね(笑)。

(歩由)それでも一応バンドマンなんです(笑)!

 

 


文:三浦一紀

撮影:永井文仁


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