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藝大生の親に生まれて - 第7回 石田和人さん(美術学部デザイン科2年 石田己和さんのお父様)

連続コラム:藝大生の親に生まれて

連続コラム:藝大生の親に生まれて

第7回 石田和人さん(美術学部デザイン科2年 石田己和さんのお父様)

「藝大生の親に生まれて」は、芸術家の卵を子に持つ親御さんにご登場いただき、苦労や不安、喜怒哀楽、小さい頃の思い出やこれからのことなど、様々な思いについてお話をうかがい、人が芸術を志す過程や、生活の有り様について飾らずに伝えます。

 

──お父様も藝大出身で、現在はデザイナーとして活躍され、デザイン科の非常勤講師もされていると。己和さんはどんなお子さんだったのでしょうか。

(父) 長女なので、まじめでしっかり者…、いやしっかり者ではないな(笑)。優しくてまじめで、優等生という感じでした。

──己和さんがデザインの道に進みたいということを聞いたとき、どう思われましたか?

(父) 娘はあまり積極的にデザインの道に進みたい! という感じではなかったんですよ。中学のときに勉強をがんばっていて、特に英語が得意だったので、高校受験のときは英語科のある高校に進学しました。そして、生の英語に触れてみようということで、卒業祝いで二人でニューヨークに旅行をしました。
そのとき、これから英語ができて当たり前という時代になってきたときに、いくら英語が得意だからといっても英語を利用して何をしていくのかを考えた方がいいと話をしたんですね。
小さい頃からものを作ることが好きだったので、私が以前教えていた美大のオープンキャンパスに連れて行ったことがありました。そこでモノ作りのおもしろさを感じたのかなと思っているんですけど。

(己和) オープンキャンパスもそうですし、卒業制作の展示会とかに連れて行ってもらいました。また、父が子どもを対象としたワークショップをたくさんやっていて、中学生くらいのときにそのお手伝いをして、こういう道も楽しいなと思いました。

──普通高校の英語科で学生生活を送るなかで、藝大を志望する同級生は周りにいましたか?

(己和) ほかの美大に進んだ人はいましたが、過去に藝大に入学した学生はいなかったみたいです。高校の先生もあまり知識がなかったので、高校3年生からは美術予備校に通っていました。

──お父さんとしては、己和さんにこうなってほしいといった希望はあったのでしょうか?

(父) 自らやりたいことを見つけてその道に進んでいってほしいという気持ちはありましたが、周りに気を遣う子だったので、能動的にという感じがあまりしなかったんですよね。やりたいことを見つけたら? って話をしても、なんとなく保育士さんとか子どもの相手をすることが好きなのかなというくらいで、強烈な意思はなかったと思います。
僕がやっていたフィールドワークは、子ども向けのものもあるし、英語を絡めてもできるので、そういう道もあるんじゃないかと思ってオープンキャンパスに連れて行ったりしたんですけど。埼玉の高校で、そういう世界に触れる機会も少ないので、視野を広げてあげたいという気持ちがありました。

(己和) 小中学校のときは、保育士さんとかそういう仕事に就きたいと思っていましたが、そのときに手を動かしてものを作る体験をして、楽しいなって思ったのがきっかけかもしれないですね。

──どちらかというと立体物を作るほうがお好きなんですね。いろいろ体験をして藝大を目指そうと思ったときに、デザイン科を選んだ理由は何でしょう?

(己和) 父がデザイン科だったというのが一番大きいんですけど、藝大のデザイン科は何でもできるので。藝大はデザイン科という大きなくくりで入っていって、それからやりたいことを絞っていけるところもいいなと思っていました。結果、藝大に合格できてよかったなと思います。デザイン科は、課題に対して作品の形態の指定はあまりないので、できる限り立体を作るほうに寄せていますね。

──藝大に通う娘さんを見て、何か変わったなというところはありますか?

(父) だらしなくなったかな(笑)。朝は起きないし。立派な藝大生になっちゃったなって感じ。私の頃と同じですよ。だらだらしながらも、作品提出には何日も徹夜をして間に合わせるみたいな。

──己和さんが藝大に合格したときはどう思われましたか?

(父) すごくうれしかったですね。合格発表を一緒に見に行ったんですけど、ドキドキして。最後は娘一人で見に行かせて、私は正門の外で待ってました(笑)。

──ご自身の合格発表みたいですね(笑)。受験の際にはアドバイスなどされましたか?

(父) 最初はしましたね。そのあとはときどき持ってくる作品をチェックしたり。もうちょっと構図をこうしたらいいんじゃないかとか、具体的なことがメインでした。昔、予備校の講師をやっていたので、ある程度はアドバイスできたんですよね。

──藝大受験を考えている方へアドバイスをお願いします。

(己和) やはり藝大を目指している人たちは自分がここに受かりたいという意思が強いから、手や頭を能動的に動かして、試行錯誤して、努力をしていると思います。私自身も浪人時代に、粘り強さとか努力とか忍耐が培われたと思っています。そういう、最後まで諦めないという気持ちが一番大事なのかなと思いました。

(父) 藝大の場合、先生が何でも教えてくれるわけじゃない。自分の意思で動かなければことが進まない。いい意味で野放しというか。そういうところなので覚悟して来てほしいし、そのために浪人時代に努力して、自分のやりたい方向をグッと絞っていける、そういう強さを鍛えてほしいなと思います。

──受け身ではダメということですね。

(父) でも、藝大のいいなと思うところは、才能豊かなクラスメイトの存在ですね。その輪の中にいるから「悔しいな」とか思えるので。なので、ぜひがんばって入学してもらって、自分も周りに刺激を与えられるような存在になってほしいなと思います。

──お父様から、藝大受験を考えているお子さんを持つ親御さんにメッセージがあればお願いします。

(父) 親もデザインや芸術に対して理解した上で子どもに接したいと思いますよね。例えばデッサンの良し悪しについても理解したいとは思うんですけど、やっぱり経験がないと難しいですよね。答案用紙が○×ではないので。ただ、藝大のような専門性が高い入試は、独学ではなかなか難しいので、子どもや予備校を信じて見守ってあげることが大切だと思います。一気にうまくなるということはなかなかないので、あまり焦らずに、ゆっくり少しずつ成長している姿を見て、評価が良かった日には一緒に喜んであげてほしいです。

(己和) うちの場合、あまり干渉されなくて。聞いたら答えてくれるけれど、両親からあれこれ言われることはありませんでした。そのちょうどいい距離感がよかったのかな。聞いたら教えてくれるけど、普段は黙って見守ってくれている感じがうれしかったというか。

(父) あとは、大人が知っている社会の動きみたいなものをそれとなく教えてあげることも重要だと思います。新聞の切り抜きをこっそり部屋の壁に貼っておいたり(笑)。今の社会情勢や時代の動きなどを理解することは、制作する作品に絶対影響が出ます。社会に対してどういうデザインをするかということが一番根本的なことだと思うので、親がそれとなく子どもに教えてあげることは必要だと思います。

 

~~己和さん幼少期の作品集~~

小学1年生のときに作ったアサガオの時計。

小学4年生の夏休みの宿題で作ったテントウムシの貯金箱。中に金属が入っていて、コインを入れるとチリンチリンという涼しげな音がする。

小学6年生のときに書いた絵。絵画作家の真似をして描くという課題で、ゴッホの絵を見ながら描いたもの。絵の具を指につけて描いたとのこと。
(己和さん)「これは賞をもらったから持ってきました!」
(父)「何がいいのかよくわからなかったですね(笑)」


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