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藝大リレーコラム - 第二十六回 福本裕子「コロナで思う事~《普通》って難しい」

連続コラム:藝大リレーコラム

連続コラム:藝大リレーコラム

第二十六回 福本裕子「コロナで思う事~《普通》って難しい」

おかげ様でキャッスルは、84年目の春を迎えました。
むかしむかし…父が生まれる昭和11年(1936年)、当時洋食はまだ珍しいもので「これから世界に羽ばたく学生に是非洋食を食べさせたい」という学長の命を受け、東京駅前丸ビルキャッスルの支店として、祖父が藝大キャッスルを開店しました。同じ味を守る為、毎日(大きな塊から肉を切り出し、パン粉づけをして、ハンバーグを手でこねて、小麦粉と揚油でルウを作りソースにして…)同じ製法で手作りを続けています。

昔の藝大は校門内は関係者以外は立入禁止だった為、学内は皆が知っている人で、いつもわいわい大きな家族の様でした。学校から帰って来て遊んでもらったり、宿題をみてもらったり、このあたたかい大家族に囲まれて父と私は大きくなりました。藝大では学事暦に沿ってくり返し季節が巡ってきます。
春は新入生も加わり出逢いが多く、みんなのわくわくやドキドキがいっぱい伝わって来ます。キャッスルは春が一番忙しく、ただただバタバタと毎日があっという間に過ぎてヘトヘトになり、学生さんの笑顔とパワーをもらってようやく夏をむかえることが出来ます。
ところが今年の春、3月に「卒業おめでとう」と伝える事が出来ず、4月8日からは緊急事態宣言に伴い営業停止で2カ月間も藝大に関わらずに生活をしていました。生まれて半世紀、藝大とこんなに長く離れていたのは初めてで、家族に長く会えない様な心の一部がポッかりと抜けてしまった様な感じがしました。毎年のバタバタやヘトヘトすら愛おしく思えてきました。
6月に営業を再開しましたが、学生さんの姿はほとんどなくまだまだ寂しい日々が続き、夏が終わろうとしています。

コロナが流行し、今まであたり前だと思っていた事があたり前ではなくなり、《普通》を続けていく事の難しさを痛感しました。今は、コロナ対策でいろいろ変わったキャッスルの中で新しい生活の訓練中です。
どうぞ皆さんお体を大切にして下さい。
10月に元気に皆さんにお会い出来る日を楽しみにキャッスルでお待ちしています。

 


【プロフィール】

福本裕子
キャッスル