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藝大定期第370回 藝大フィルハーモニア定期演奏会 ~未完のシンフォニー

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藝大フィルハーモニア定期演奏会

 詳しくはこちら(チラシ PDF0.8MB)

日時 2015年6月13日(土)
15:00開演(14:30開場)
会場 東京藝術大学奏楽堂(大学構内)
入場料

3,000円 全席自由
※就学前のお子様の同伴・入場はできませんので、ご了承ください。 

主催

東京藝術大学音楽学部
東京藝術大学演奏藝術センター

チケット取り扱い

東京芸術大学生活協同組合
TEL:03-3828-5669(店頭販売のみ)

ヴォートル・チケットセンター
TEL:03-5355-1280    http://ticket.votre.co.jp/

東京文化会館チケットサービス
TEL:03-5685-0650  http://www.t-bunka.jp/ticket/

チケットぴあ
TEL:0570-02-9999 http://t.pia.jp/
《Pコード:255-325》
(一部携帯電話・PHS・IP電話はご利用いただくことができません)

イープラス(e+)
http://eplus.jp/ 

お問い合せ 東京藝術大学演奏藝術センター
TEL:050-5525-2300

未完のシンフォニー

 それが、父、尾高尚忠(1911 ~51)の最後の日本交響楽団(現NHK 交響楽団)との定期演奏会だった。1950 年(昭和25 年)12 月14・15 日、日比谷公会堂。父がウィーン留学時代から振りたくてしょうがなかった「ブルックナーの9番」。事務局はその頃、無名に近かったブルックナー(1824~96)の、それも題名付きの「ロマンティック」ではなく、9番を申し出る父にたびたび「No!」と返事をしていたが、最後に了承してくれた。演奏会当日、妻の節子(僕の母)は、舞台袖で聴いていた。ブルックナーが終わった時、聴衆の反応は鈍かった。でも、父は涙を浮かべながら帰ってきて、「ブルックナー小父さん、(天国に行けて)良かったね!」とつぶやいた。この頃、父は激しい頭痛に悩まされ続けていた。父の最初で最後の《第一交響曲》は、このような体調のなかで書かれている。ブルックナーは、《交響曲9番》のあと、4楽章を手がけながら完成することなく死を迎え、今はザンクト・フローリアンの修道院のオルガンの下に眠っている。父は1951 年(昭和26年)1月の名古屋公演以降、病状が悪化し、2月16日に亡くなった。《第一交響曲》は2 楽章までできあがっている。しかし、その2楽章の最後には「attacca(切れ目なく次へ)」の文字。父も3楽章を、いやもしかしたら4楽章まで構想があったのかも知れない。でも、ブルックナーの3楽章は「死のコラール」を持つが、父の2楽章は「湘南の海を懐かしむ歌」だ。僕は双方共に、作曲家の「白鳥の歌」だと思う。二人の作曲家が、天国で聴いてくれていると信じつつ。

尾高 忠明(指揮者・東京藝術大学音楽学部特別教授)

 

■曲目
尾高 尚忠  《第一交響曲》 作品35
ブルックナー 《交響曲第9番》 ニ短調 (2000年コールス校訂版)

 

■出演
尾高 忠明 Tadaaki OTAKA 指揮 Conductor

桐朋学園大学音楽学部で齊藤秀雄に師事。19 7 0 年民音指揮者コンクール第2 位。71年、NHK 交響楽団を指揮してデビュー。オーストリア政府から奨学金を得て72 年からさらにウィーン国立音楽アカデミーでスワロフスキーに指揮法を学んだ。東京フィルハーモニー交響楽団常任指揮者(現桂冠指揮者)、札幌交響楽団正指揮者・常任指揮者(現音楽監督)、読売日本交響楽団常任指揮者(現名誉客演指揮者)、紀尾井シンフォニエッタ東京のミュージカル・アドバイザー・首席指揮者(現桂冠名誉指揮者)、メルボルン交響楽団首席客演指揮者などを歴任。87 年にBBCウェールズ交響楽団(現BBC ウェールズ・ナショナル管弦楽団)首席指揮者に就任。88年ロンドンの夏の音楽祭「プロムス」にデビュー以来、イギリスを中心にヨーロッパにも活動の場を広げ、96 年から同団桂冠指揮者を務める。20 1 0 年N H K 交響楽団正指揮者。10 ~14年新国立劇場オペラ部門芸術監督。1991年度サントリー音楽賞、93年ウェールズ音楽演劇大学名誉博士号、97年英国エリザベス女王より大英勲章CBE、99 年英国エルガー協会より日本人初の「エルガー・メダル」、2012年N H K 交響楽団より有馬賞、14 年北海道文化賞受賞。父の《第一交響曲》は、11 年、尾高尚忠生誕100 年没後60 年を記念した仙台フィルハーモニー管弦楽団特別演奏会で採り上げている。東京藝術大学音楽学部特別教授・相愛大学音楽学部客員教授・京都市立芸術大学音楽学部客員教授。

 

藝大フィルハーモニア(東京藝術大学管弦楽研究部) Geidai Philharmonia, Tokyo
 
藝大フィルハーモニアは東京藝術大学に所属するプロフェッショナル・オーケストラで、年2回の定期演奏会、声楽科との合唱定期、オペラ研究部との共演、新卒業生(各科最優秀者)の紹介演奏のほか、年末恒例の「メサイア演奏会」、「第九公演」などを行っている。教育面では、器楽科・声楽科学生との協奏曲などの共演および作曲科学生の作品演奏(モーニング・コンサート)、指揮科学生による演奏会・試験・演習など、学生の演奏経験の拡充に資している。前身である旧東京音楽学校管弦楽団は、わが国初の本格的なオーケストラで、ベートーヴェンの《交響曲第5 番「運命」》、《交響曲第9 番「合唱付き」》、チャイコフスキーの《交響曲第6 番「悲愴」》、ブルックナーの《交響曲第9番》などを本邦初演し、日本の音楽界の礎石としての活動を果たしてきた。

※スケジュール・曲目・出演者等は都合により変更となる場合がありますので、ご了承ください。

交通案内

奏楽堂 地図

東京藝術大学奏楽堂 [大学構内]
〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8

■JR上野駅(公園口)・鶯谷駅(南口)、東京メトロ千代田線根津駅より徒歩10分
■京成線上野駅、東京メトロ日比谷線・銀座線上野駅より徒歩15分
■台東区循環バス「東西めぐりん」
【2】上野駅・上野公園 から(東京芸術大学経由)⇒【5-1】東京芸術大学下車[30分間隔]

※駐車場はございませんので、お車でのご来場はご遠慮ください。