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SDGsの取組み ゴール別解説

東京藝術大学ではSDGsのグローバルな17のゴールを日本の課題に即した形にローカル化し、ゴールごとにテーマと指標を設定してSDGsの取組みを進めています。また、優先度の高いゴール(A、B)については目標を設定し、進捗を計測しつつ、取組みを拡大して行きます。

優先度  
A 日本の課題でもある環境およびジェンダーに関するゴール
B 学内に関連部署がありすでに取り組んでいるが、達成度が低い
C 学内に関連部署がありすでに取り組んでいて、達成度が高い
D 本学の貢献余地は限定的だが、取り組んでいる

ゴール別一覧

ゴールNo.およびテーマをクリックすると解説に移動します。

ゴール/優先度 テーマ 担当部署
貧困をなくそう D 奨学金を通じた貧困対策 学生課
飢餓ゼロ D 持続可能で栄養のある食へのアクセス 藝大食堂(取手アートプロジェクト)
健康と福祉 B 病気の予防と早期発見 総務課/学生課/保健管理センター
教育 C あらゆる世代、地域の人に教育機会を提供する 社会連携課
小・中学生に質の高い音楽レッスンを提供する 早期教育リサーチセンター
ジェンダー平等 A ジェンダーバランスのとれた教育研究環境の実現とそれに向けた教育・啓蒙活動 ダイバーシティ推進室
安全な水 C 放流水による水質汚染を抑制する 施設課
D 水利用の削減を通じた水不足への対処 施設課
エネルギー A 再生可能エネルギーの普及 施設課
雇用と経済 B 長時間労働の抑制 総務課
産業と技術革新 B 通信基盤の整備 芸術情報センター(AMC)
国や人の不平等をなくそう C 多様なバックグラウンドを持つ人々が安心して学べる大学環境の実現 グローバルサポートセンター
まちづくり C より多くの人に本学の歴史を知ってもらう 美術学部近現代美術史・大学史研究センター(GACMA)
本学の歴史を後世に残す 音楽学部大学史史料室
コミュニティに開かれたキャンパス キャンパスグランドデザイン推進室
持続可能な生産消費形態 B 食料廃棄の削減 施設課防災対策室・藝大食樂部・藝大食堂(取手アートプロジェクト)
気候変動対策 B CO2排出量の削減 施設課
海洋・海洋資源の保全 B プラスチックによる海洋汚染を防止する 戦略企画課
B プラスチックによる海洋汚染を防止する 東京芸術大学生活協同組合
陸上生態系の保護・生物多様性損失の阻止 B 生物多様性のある環境作りと在来種の⽣態系の再生 キャンパスグランドデザイン推進室
平和と公正 D ハラスメントの撲滅 総務課・学生課
パートナーシップ D 本学の取組みを広く社会に共有する 社会連携センター

優先度 A

ゴール5
ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
テーマ ジェンダーバランスのとれた教育研究環境の実現とそれに向けた教育・啓蒙活動
指標 (1)常勤教員(特任を除く本務教員)に占める女性教員の割合
(2)学内セミナーや特別講義等の教育・啓蒙活動の実施
目標 (1)常勤教員(特任を除く本務教員)に占める女性教員の割合を2027年度(令和9年度)末までに33.4%以上とする。
(2)学内セミナーや特別講義等を年に複数回実施する。
関連部署 ダイバーシティ推進室
関連SDGs
ターゲット
5.1        あらゆる場所における全ての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。
5.2        人身売買や性的、その他の種類の搾取など、全ての女性及び女児に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。
5.5        政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。
指標・目標
の設定背景
本学の女子学生は6割超、若手女性研究者も5割超であるのに対し、常勤教員に占める女性教員の割合は近年増加傾向にあるものの3割以下に留まっている。特に上位職の教員に関しては常勤教員の中での割合が23%と少ない。教員のジェンダーバランスを確保することは、自由でイノベーティブな創造・表現・研究活動を推進する上で不可欠であり、学生に多様なキャリアパスやロールモデルを提示するためにも必須である。ジェンダーやライフイベント等に配慮した就業支援のニーズ調査や制度設計を行う。
また、HPの充実による情報の伝達や、教職員及び学生にも開かれたセミナーや特別講義等を通じて全学的な教育・意識啓発を行う。

 

ゴール7
すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
テーマ 再生可能エネルギーの普及
指標 再生可能エネルギー比率
目標 再生エネ電力100%(藝大RE100)
関連部署 施設課
関連SDGs
ターゲット
7.2        2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
指標・目標
の設定背景
社会全体として再エネ比率の拡大は喫緊の課題であり、本学も一翼を担うべきである。しかしながら、本学の現状は、一部の建物に設置している太陽光発電の利用に留まっている。本学の敷地面積や規模を考えると、自家発電で再エネ化を目指すのは物理的な困難があるため、さまざまな選択肢を視野に入れながら、将来的に学内の使用電力の再生エネルギー電力100%を目指す。ゴール13の達成目標に掲げる藝大カーボンハーフとも密接に関わるため、連動して検討を進めていく。

優先度 B

ゴール3
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
テーマ 病気の予防と早期発見
指標 健康診断の受診率
目標 100%(学生・教職員ともに)
関連部署 総務課/学生課/保健管理センター
関連SDGs
ターゲット
3.4        2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。
指標・目標
の設定背景
健康診断は病気の早期発見や健康意識の向上につながり、ターゲット3.4の非感染性疾患の予防にも貢献しうる。さらに、健康を維持することは、本学で行われている芸術活動や音楽活動のパフォーマンスの向上につながるという点でも大きな意義がある。したがって、受診率を100%にするよう努めていくことが重要である。以上のことからゴール3の指標を健康診断の受診率とする。

 

ゴール8
すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する
テーマ 長時間労働の抑制
指標 1ヵ月の時間外労働45時間を超える者の数
目標 0人
関連部署 総務課
関連SDGs
ターゲット
8.5        2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一価値の労働についての同一賃金を達成する。
8.8        移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、全ての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。
指標・目標
の設定背景
本学では、事務職員の長時間労働および、助手をはじめとする教員の過重労働を問題視してきた。1ヵ月の時間外労働が45時間を超える者の数は、令和元年度が平均6人、令和2年度が平均3.3人と減少傾向にあるものの、0人は達成できていない。本学のSDGsの指標としても長時間労働の抑制を目指し、事務職員、教員共に業務の効率化や意識改革、体制の整備を行う。

 

ゴール9
強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
テーマ 通信基盤の整備
指標 (1)通信基盤・環境の整備に関する取組
   全学通信回線整備、通信速度、無線LAN
(2)サイバー脅威の防御件数
   ウイルスの防御件数、攻撃件数、学内から学外へのブロック件数
目標 (1)通信基盤・環境の整備により通信速度を継続的に向上させる
(2)サイバー攻撃や不正アクセス等による脅威の徹底防御
関連部署 芸術情報センター(AMC )
関連SDGs
ターゲット
9.1  全ての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラを開発する。
指標・目標
の設定背景
学内インターネットはゴール9の産業化やイノベーションを支える基盤インフラとして重要な役割を担っているため、通信基盤の整備を指標とする。このテーマについては、アクティブな通信と通信を守る活動の2つの方向性で指標の検討した。アクティブな通信はストレスのない通信環境を整備するための取組(通信速度や無線LANなど)を、通信を守る取組はリスクから守るサイバー脅威の防御件数を指標とした。この分野は、技術革新スピードが非常に早いため、目標値設定を2025年にすることを検討している。

 

ゴール12 持続可能な消費と生産のパターンを確保する
テーマ 食料廃棄の削減
指標 食料廃棄量
関連部署 施設課防災対策室/藝大食樂部藝大食堂(取手アートプロジェクト)
関連SDGs
ターゲット
12.3      2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる。
12.5      2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
指標・目標
の設定背景
防災用の備蓄物資のうち食料は消費期限があるため、学内の食堂等の協力のもと、期限前に学生・教職員等に配布しており、更に備蓄物資を学食の食材に取り入れている。
また、学内の食堂、藝大食樂部(上野)及び藝大食堂(取手)は、適正な仕入れや仕込みにより無駄を防ぎ、メニューで量の選択を可能にすることで、残食量を抑制し食料廃棄の削減に取組んでいる。藝大食堂では地域と連携し、規格外で市場に出荷できない青果食材を活用したり、毒性のない野菜屑は「ヤギの目」プロジェクトで飼育しているヤギの餌として利用される。

 

ゴール13 
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
テーマ CO2排出量の削減
指標 CO2排出量
目標 2030年度までにCO2排出量を2013年度比50%削減する(藝大カーボンハーフ)
関連部署 施設課
関連SDGs
ターゲット
13.2  気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。
指標・目標
の設定背景
国は気候変動サミット等において、「2050年カーボンニュートラルと新たな 2030年⽬標」として、2030年に2013年⽐で△46%のCO2排出量の削減、2050年に実質ゼロを⽬指すことを表明しており、本学は、2030年50%削減(カーボンハーフ)を目指す。また、この目標を目指すことで、東京都の大規模事業所に課せられている総量削減義務も履行することができる。
ゴール7の再エネ比率の拡大は使用電力のCO2排出量削減につながり、このゴール13と密接に関わるため、ゴール7の目標値設定と連動し検討していく。

 

ゴール14 
海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
テーマ プラスチックによる海洋汚染を防止する
指標 (1)学内の自動販売機で販売されるペットボトルの量
(2)回収後のペットボトルのリサイクル率(国外への輸出・熱回収を除く)
(3)プラスチック資源循環法の認定を受けたペットボトルの導入率
(4)学生や教職員等の行動変容を促すための機会の創出
目標 (1)2030年までに学内の自動販売機で販売されるペットボトルの量を2022年比30~40%削減する(Ⅰ.ペットボトルから缶等へ切替 Ⅱ.容器軽量化による軽減)
(2)2030年までに 回収後のペットボトルのリサイクル率を100%にする
(3)2030年までにプラスチック資源循環法の認定を受けたペットボトルの導入率を100%にする
(4)学生・教職員に対しペットボトルの使用量の開示、循環型ペットボトルについての説明などを行う
関連部署  戦略企画課
関連SDGs
ターゲット
14.1  2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。
指標・目標
の設定背景
海洋汚染の原因の一つであるペットボトルの使用量を減らすことで、ターゲットへの貢献を目指す。指標については計測可能なデータを対象とし、学内の自動販売機で発売されるペットボトルの量および質に範囲を絞って設定する。量については、販売される清涼飲料水商品のラインナップ(ペットボトル又は缶・紙パック)について、ある程度までは販売事業者に提案できるため、ペットボトル飲料から缶や軽量容器を用いた商品に切り替えることで量の縮減をはかる(指標(1))。質という視点からは、回収後にリサイクルされるペットボトルの割合(国外への輸出及び熱回収を除く)や、設計・製造にあたってプラスチック資源循環法の認定を受けたペットボトルを使用しているかどうかを確認して事業者の選定に活用し、量と質の両面から海洋汚染を減らしていく(指標(2)(3))。また、仮に学内でペットボトルの販売をゼロにしたとしても、学生や教職員の学外での行動が変わっていなければ最終的なゴールには到達できないことから、学生や教職員の行動変容につながる学習の機会を創出する(指標(4))。

 

ゴール14 
海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
テーマ プラスチックによる海洋汚染を防止する
指標 プラスチック特定容器の取り扱い量
目標 プラスチック特定容器の扱い量を10Kg以下にする
関連部署 東京芸術大学生活協同組合
関連SDGs
ターゲット
14.1  2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。
指標・目標
の設定背景
全国大学生協連はSDGs推進の提起を行い、多くの大学生協で取り組んでいる。本学生協でもさまざまな取組みを行っているが、代表として数値が見えやすいプラスチック特定容器の扱い量削減を目標とする。対面授業の減少およびレジ袋の有料化により削減は進んでいるが、対面授業が増える2022年度も継続して進めていく。

 

ゴール15 
陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
テーマ 生物多様性のある環境作りと在来種(武蔵野の植生)の⽣態系の再生
指標 上野校地の在来種の樹種数
目標 在来種の保護、環境改善、外来種の駆除
関連部署 キャンパスグランドデザイン推進室/施設課
関連SDGs
ターゲット
15.8  2020年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海洋生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または根絶を行う。
指標・目標
の設定背景
上野キャンパスマスタープラン2013」に「景観整備の理念」として、「本物の日本の自然にふれる」「四季の変化を感ずる」「教材としての自然環境」が掲げられている。キャンパスグランドデザイン推進室ではこの理念に基づく多様性豊かな環境づくりを目標として、美術学部側の中央に位置する武蔵野の照葉樹林の面影を残す雑木林の環境調査(2010年)を行った。その結果、外来種の侵略により、多様性が失われつつある雑木林の現状を把握し、在来種から形成される多様な生態系が育まれる自然環境を再生するため270種の関東在来種を設定し、まずは150種まで増やすことを目指している。そこで保存林再生実験としての苗木植樹ワークショップの開始と外来種の駆除をスタートし(2014年)、同年より苗木の生育を見守る「お世話隊」も発足し定期的に活動を行っている。一方、藝大Hedgeでは、2016年から現在まで6度にわたり大学を取り囲む塀や柵を緑の境界へ置き換えながら在来種を増やし、多様であり持続可能な環境をつくり出している。

優先度 C

ゴール4
人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
テーマ あらゆる世代、地域の人に教育機会を提供する
指標 公開講座の応募者の地域的、年齢的多様性
関連部署 社会連携課および各部局・研究室
ターゲット 4.3  2030年までに、全ての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。
指標・目標
の設定背景
本学の教育、研究を広く社会に開放し、社会人の芸術に関する教養を高め、芸術文化の向上に資することを目的として、公開講座を開講している。初心者から上級者まで、親子参加型や小中高生向けの講座もある。近年はコロナ禍の影響で講座数は減少しているが、感染対策をしながら実施している。応募者は地域的にも年齢的にも非常に幅広く、ゴール4が掲げるように、“全ての人々”に、本学の教員が講師となり“質の高い”教育を“手の届く”価格で提供している。

 

ゴール4
人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
テーマ 小・中学生に質の高い音楽レッスンを提供する
指標 受講者のアンケート結果
関連部署 早期教育リサーチセンター
ターゲット 4.1        2030年までに、全ての子供が男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。
4.3        2030年までに、全ての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。
指標・目標
の設定背景
早期教育リサーチセンターは、「早期教育プロジェクト」、「東京藝大ジュニア・アカデミー」を運営し、地方自治体や音楽文化の拠点であるホール等と連携、協働しながら、全国の小・中学生に対し本学教員の音楽レッスンを無償で行っている。受講者のレッスンに対する満足度等をアンケートで測り指標とする。

 

ゴール6
すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
テーマ 放流水による水質汚染の抑制
指標 放流水の水質
関連部署 施設課
ターゲット 6.3  2030年までに、汚染の減少、投棄の廃絶と有害な化学物・物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模で大幅に増加させることにより、水質を改善する。
指標・目標
の設定背景
本学の教育研究活動の中でも、主に美術学部での制作現場等において有害な化学物質の使用は避けられない。それらの有害物質を適正な処理方法で処理することにより、現状の放流水は基準値以下の水質を保っている。今後も、放流水の水質が基準値以下となるよう、適正な処理を徹底して行う。

 

ゴール10
国内および国家間の格差を是正する
テーマ 多様なバックグラウンドを持つ人々が安心して学べる大学環境の実現
指標 (1)多様なバックグラウンドを有する人々との交流および協働の機会に対する学生の評価
(2)常勤教員(特任を除く本務教員)に占める外国籍教員の割合
(3)国際的なリテラシー教育の実施
目標 (1)日本人学生と外国人留学生との交流など、様々なバックグラウンドを有する多様な人々との交流および協働の機会に対する学生の評価の平均値について、肯定的な評価を8割以上の水準とする
(2)常勤教員(特任を除く本務教員)に占める外国籍教員の割合を2027年度(令和9年度)末までに5%以上とする
(3)グローバルに活躍するにあたり、必要不可欠な国際的なリテラシー教育を行う。具体的には「グローバルアーティストのためのリベラルアーツ」を年に複数回実施する。
関連部署 グローバルサポートセンター
関連SDGs
ターゲット
10.2      2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。
10.3       差別的な法律、政策及び慣行の撤廃、並びに適切な関連法規、政策、行動の促進などを通じて、機会均等を確保し、成果の不平等を是正する。
指標・目標
の設定背景
外国人留学生の増加、海外機関との共同プロジェクトの増加等により、本学内でも多様なバックグラウンドを持つ人々の交流と協働の機会が増えている。日本人学生と外国人留学生の交流の機会や、社会の様々な機関・団体との連携による教育研究を充実させることにより、障がいの有無、世代、性、国籍等の背景や習慣の違いを超えた多様な人々が出会い、相互作用を生むような大学環境を構築する。また、世界情勢やジェンダー、人種に関する知識等、今日のグローバル社会で活動する際に必要な教養を学ぶレクチャー「グローバルアーティストのためのリベラルアーツ」やセミナー等を実施し、全学的な意識啓発を行う。さらに可能な限り多言語・多文化に配慮した取組を増やすことで、学生が言語や文化の違いにより不利益を被ることがない環境を整備する。

 

ゴール11
都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
テーマ より多くの人に本学の歴史を知ってもらう
指標 美術学部近現代美術史・大学史研究センターの活動発信回数
関連部署 美術学部近現代美術史・大学史研究センター(GACMA)
関連SDGs
ターゲット
11.4      世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。
指標・目標
の設定背景
近現代美術史・大学史研究センターは、東京美術学校から現在の東京藝術大学美術学部に関係した記録文書、教職員・卒業生および関係者から寄贈された大学史関連資料を保管し、維持管理している。これらは本学の歴史にとって貴重な資料であるとともに、日本の近現代美術史を研究するための重要な基礎資料でもあり、これらの活動は文化遺産の保護・保全につながる。
また、大学自体のサスティナビリティのためには、将来、卒業・修了生が母校に帰ってくることが必要である。そのために、本センターでは学生が自身の大学のルーツを知り大学への愛着やプライドを持つきっかけを作るとともに、学内外の多くの人に本センターの取組を発信している。

 

ゴール11
都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
テーマ 本学の歴史を後世に残す
指標 アーカイブズ史料の点数
関連部署 音楽学部大学史史料室
関連SDGs
ターゲット
11.4      世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。
指標・目標
の設定背景
音楽取調掛、東京音楽学校、そして現在の東京藝術大学音楽学部は日本の音楽教育を築いてきた歴史があり、その歴史を残すことは、人類がより良い未来を目指していくために必要である。音楽学部大学史史料室では、その歴史を残すアーカイブ活動を行っており、アーカイブズ史料の点数という形でその活動を測っていく。

 

ゴール11
都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
テーマ コミュニティに開かれたキャンパス
指標 良好な公共スペース、安全・快適な環境形成
目標 なし
関連部署 キャンパスグランドデザイン推進室/施設課
関連SDGs
ターゲット
11.7      2030年までに、女性、子供、高齢者及び障害者を含め、人々に安全で包摂的かつ利用が容易な緑地や公共スペースへの普遍的アクセスを提供する。
11.a       各国・地域規模の開発計画の強化を通じて、経済、社会、環境面における都市部、都市周辺部及び農村部間の良好なつながりを支援する。
指標・目標
の設定背景
上野キャンパスは自然豊かな上野公園の一部として北西の一角に立地する都市型キャンパスである。また上野公園は不忍の池や上野動物園など人々の憩いの場であるとともに、総合芸術大学である本学を含め、東京国立博物館、国立西洋美術館、東京都美術館、東京文化会館、上野の森美術館など世界でも珍しい数多くの文化芸術施設が集まっており、これら上野公園の文化芸術資源の有効活用に対し高い関心が寄せられている。こういった背景から、本学の様々な芸術教育研究活動と上野公園が連続するような、開かれたキャンパスが計画された。
キャンパスグランドデザイン推進室では本学のミッションに基づいた教育研究活動を行うためのキャンパスの在り方を検討し、歴史的建築物や門扉、胸像の保存活用、さらにショップなどによる都市に開かれたプロムナードを形成し、キャンパス内の様々な資源を地域に提供している。また大学を取り囲む塀や柵を緑の境界へと置き換える取り組み(藝大Hedge)では、まちづくりの一環として学生、教職員、卒業生だけでなく、地域の人々とワークショップを幾度にわたり着手し、道に沿った緑のキャンパスが徐々につくり出されてきている。また学内外者問わず本学利用者の多様な価値観への対応として、広義の視点によるバリアフリーの必要性が求められており、LGBTQ対応トイレや憩いの場の整備を進めている。学内の公共的スペースへの普遍的なアクセスを推進するために、建物ごとのセキュリティー強化を進め、必要に応じて段階的に対応するセキュリティーの設置を推進している。

優先度 D

ゴール1
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
テーマ 奨学金を通じた貧困対策
指標 奨学金利用者のうち給付型奨学金の割合
関連部署 学生課
関連SDGs
ターゲット
1.3  各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。
1.a  あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する
指標・目標
の設定背景
政府および民間団体が実施する奨学金への応募は学生課を通じて⾏われており、その取組は経済的な理由で就学を諦めることがないよう、継続が必要である。理想は貧困がなくなり奨学金を利用せずとも大学に通えることであり、奨学金利用者の増加は貧困の増長の指標にもなり得る。したがって、本ゴールの指標は奨学金利用者の数ではなく、奨学金を利用している学生のうち給付型(返済不要の)奨学金利用者の割合とし、経済的に困窮している学生に対し、十分な支援をしているかを測る。大学としては継続して奨学金情報の周知を徹底し、書類作成や面接対策等のサポートを行っていく。

 

ゴール2
飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
テーマ 持続可能で栄養のある食へのアクセス
指標 手作りのメニューおよび地域食材の利用割合
関連部署 藝大食堂(取手アートプロジェクト)
関連SDGs
ターゲット
2.1        2030年までに、飢餓を撲滅し、全ての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。
2.4        2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。
指標・目標
の設定背景
取手校地の藝大食堂では「手作りの美味しいものを提供することが、藝大食堂ができる芸術家への最大限の応援」という自負のもと、地域の食材を使用し、手作りされたメニューを提供している。食材に関しては、協力パートナーである茨城県の農家から安価で仕入れた規格外の野菜や、地域の家庭菜園などで採れすぎた旬の野菜、藝大食堂前の小さな畑で収穫した朝採れ野菜など、地域の食材を使用している。
また、メニューに関してもその9割以上を手作りすることで、それらの食材を最大限活かすことができる。食材は予算上、高価なもの・貴重なものはあまり使えないが、ドレッシングも手づくりするなど、口に入るまでの「工夫」、つまり生活の中にある創造の連続を知るきっかけになればという考えのもと、思考錯誤のうえに工夫された献立が毎日学生に届けられている。
また、期間限定で食べた人が値段をつけるシステムを導入している。コロナ禍で打撃をうけた若手芸術家への食の支援として、払う金額をその時々の自身の状況を踏まえて決められる。また、自分が食べているものが、何にどれだけコストがかかっているか意識するきっかけにしたいという意図もあり、自身で値段をつけるシステムが導入されている(2022年5月現在)。
このように、芸術家が育つ食堂において、身近な食材を使い、手をかけ工夫されたメニューを提供することで、食が大事であること気づく機会を与えている。食べるものが体や思考をつくり、創作に直結するということ、口に入るものの由来やそのコスト、自分の健康に自覚的になりそれらを大切にすることを考えるなど、食に関する意識向上にもつながっている。

 

ゴール6
すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
テーマ 水利用の削減を通じた水不足への対処
指標 水道水の利用量
関連部署 施設課
関連SDGs
ターゲット
6.4        2030年までに、全セクターにおいて水の利用効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。
指標・目標
の設定背景
潤沢な水資源がある日本では世界的な水不足の問題は意識されにくい。しかし、人口増加や工業化による水利用の増加により水不足が問題となっている。さらに、本学の教育研究活動では、多くの水を必要とするものがある。そのような活動をしつつ、世界の水不足問題に意識を向けるためにも、水道水の利用量を指標として設定する。

 

ゴール16 
持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
テーマ ハラスメントの撲滅
指標 ハラスメント講習の受講者数
関連部署 総務課・学生課
関連SDGs
ターゲット
16.1  あらゆる場所において、全ての形態の暴力及び暴力に関連する死亡率を大幅に減少させる。
指標・目標
の設定背景
ハラスメントは精神的な暴力であり、行為者の意図や考えにかかわらず、受け手が不快な気持ちを感じた場合を指す。そのため、世代、性別、役職問わず、今まで問題視されなかった発言であっても、受け手の感じ方次第ではハラスメントに該当し、暴力の一つになり得る。ハラスメント講習を通じて、どのような言動や行動がハラスメントになり得るのかを知識として学ぶ機会をより多くの人に提供し、行為者の無意識的なハラスメントを含め、学内のハラスメントの撲滅を目指す。

 

ゴール17 
持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
テーマ 本学の取組みを広く社会に共有する
指標 ウェブサイト「アートイノベーションのシーズ集」の内容の充実
関連部署 社会連携センター
関連SDGs
ターゲット
17.17  さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。
指標・目標
の設定背景
社会連携センターは本学における「産学官連携の総合窓口」として、外部機関への情報提供や大学内部局間の連絡調整を担っており、同センターが運営するウェブサイト《 アートイノベーションのシーズ集|GEIDAI SEEDS 》は、本学で行われている様々な取組みを広く社会に共有していくためのプラットフォームである。本サイトは、新たな共同研究・受託研究を創造するためのツールであり、サイトを充実させることは新たなパートナーシップの推進につながる。