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東京藝大アートフェス2022を開催しました!

2022年05月17日 | イベント, プレスリリース, 全て, 大学全般

東京藝大アートフェス2022概要

コロナ禍で苦しむ本学出身のアーティスト(在学生を含む)を対象に、彼らに新たな作品発表の場を提供し、育成・支援するために、オンライン上でのアートフェス「東京藝大アートフェス 2022」を2月18日(金)から5月16日(月)まで開催いたしました。

大都市圏を中心にコロナ禍による緊急事態宣言が続き、人と人の接触が大きく制限され、公演等の中止・延期、無観客・観客収容人数の制限などにより、若い芸術家は大きな影響を受け、経済的にも不安定な状態が続いておりました。 また、このような状況下、若手芸術家にとってあらためて新しい時代の創作のあり方が問われています。東京藝大アートフェス2022は昨年度に引き続き若手芸術家に発表の場を提供するとともに、コロナ禍におけるアーティスト育成を目的に、オンライン上において「東京藝大アートフェス2022」を開催いたしました。

審査を通過した159作品の中からグランプリ 東京藝術大学長賞、優秀賞、アート・ルネッサンス賞、ボランティアで集まっていただいたゲストの方々によるゲスト審査員特別賞ら各賞を決定いたしました。ボランティアで集まっていただいたゲスト審査員は、この若手芸術家支援に賛同してくださった秋元康氏、大野和士氏、隈研吾氏、コシノジュンコ氏、さだまさし氏、佐藤卓氏、葉加瀬太郎氏の7名です。
受賞者作品ページに澤前学長やゲスト審査員等によるコメントを掲載いたしております。

今回のアートフェスはそんな活躍の場を奪われたアーティストたちを育成・支援するためコロナ禍の制約を受けないオンライン上で行い、国内だけでなく海外にまで彼らの作品を発信していきます。また、ソーシャルメディアとも連携することで、国内のみならず海外まで含めた多くの方の目に留まり、直接アーティストと興味を持った支援者など国内外の様々な方がコンタクトが可能になります。なお、優秀作品は審査員による厳正な審査と、アートフェスに参加していただいたみなさんの声やアクションを踏まえながら決定し、53名の受賞者には今後の活動支援のために賞金の授与も行いました。

また、3月27日(日)に「東京藝大アートフェス2022公開ウェビナー」を開催し、本イベントの受賞作品の発表と東京藝大教授陣によるスペシャルトークイベントを実施いたしました。アーカイブ映像で是非ご覧ください。

東京藝大アートフェス2022公開ウェビナー

東京藝大アートフェス 2022プロデューサー 箭内道彦教授・学長特命よりメッセージ

活躍の場をコロナ禍に奪われた若手芸術家の今を救い、未来のカタチを作るために、

2020年、学長 澤和樹が起こした支援基金・クラウドファンディング。
数多くの方々がお寄せくださった温かなご支援から生まれた、東京藝大アートフェス。
ロゴデザインは、4月からの新学長 日比野克彦によるものです。

コロナの猛威は未だ終息せず、若手芸術家たちへの経済的支援と、作品発表の機会が必要な状況が現在も続きます。

昨年、第一回の開催で体感したのは、音楽と美術が混在しながらオンラインで開催されるこのアートフェスの形が、
領域の壁を払い、これまでにない豊かなカオスを醸す場になるのだということ。
展覧会場や演奏会場に足を運ぶことのできない様々な方と若手芸術家たちの出会いも生まれ、
そこからさらなる繋がりとチャンスがもたらされました。

世界を変える創造の源泉、東京藝術大学。
新しい力を、もっともっと、このアートフェスから世界に、未来に。
オンラインが持つ可能性とともに。

みなさまのご支援に深く感謝をいたします。

箭内道彦
東京藝大アートフェス2022 プロデューサー
東京藝術大学教授・学長特命

グランプリ 東京藝術大学長賞

東京藝大アートフェス2022にて、美術学部デザイン科卒業の小笠原幸永さん、大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程修了の酒井 直之さん、大学院音楽研究科邦楽専攻修士課程修了の長谷川 将山さんの3名がグランプリ 東京藝術大学長賞を受賞しました。

※氏名は五十音順です。

賞名 グランプリ 東京藝術大学長賞
作品名 兄をなぞる
受賞者 小笠原 幸永
作品解説 兄の自由帳を1ページずつ解釈しながら、兄がそれらを描く姿を同じ画材を用いてトレースし、アニメーションにした。兄は重度の知的障害者で、私は目を逸らし続けていた。互いの生活の一部である「絵を描くこと」を通して、自分なりに兄を見つめ直す。
澤前学長コメント 絵を描くという共通の行為を通じて障害を持つ身内と真っ正面から向き合う事が出来たという作者の心情に触れ、芸術が人の心を繋ぐという役割を実感できた。

関連動画:作品にはひとりの人生を変える力がある。東京藝大アートフェス2022グランプリ 小笠原幸永「兄をなぞる」(東京藝術大学公式YouTubeチャンネル)

賞名 グランプリ 東京藝術大学長賞
作品名 おかえりかすかべ音頭
受賞者 酒井 直之
作品解説 「おかえりかすかべ音頭」は、埼玉県春日部市を舞台に、まちの人々と協働して制作した地域活性プロモーション映像です。 ダンスと音楽、映像といった芸術の持つ力によって、まちと芸術、人の魅力を発信しています。 芸術には人を集め、心を豊かにし、コミュニケーションを活性化する力があり、まちの中には、生産、教育、交通、福祉、自然など、様々な分野があります。 「おかえりかすかべ音頭」では、制作段階から、まちの人々と交渉、協働制作を行い、地域間の結びつきをつくり、コミュニティの活性化を目指しました。 インターネットの普及による地縁型コミュニティの衰退と、感染症の拡大による孤立、移入民の人々のコミュニティの理解が促進されていない現状を更新すべく、芸術の「集まる力」によって映像を制作・配信しました。
 澤前学長コメント 極めて大がかりなキャスティング、底抜けに明るい音楽とダンスに微笑ましいあか抜けなさがあり、ローカルな魅力伝えている。

関連動画:藝術は人を愛する。東京藝術大学「I LOVE YOU」プロジェクトより〜おかえりかすかべ音頭〜(東京藝術大学公式YouTubeチャンネル)

賞名 グランプリ 東京藝術大学長賞
作品名 ドビュッシー:夜想曲「雲」-全員将山による尺八アンサンブルver.-
受賞者 長谷川 将山
作品解説 フランスの作曲家 クロード・ドビュッシーが19世紀末に作曲した管弦楽曲《夜想曲》より第一曲「雲」を、尺八アンサンブルに編曲し多重録音した。 近代を代表する作曲家の一人であるドビュッシーは、新たな作曲語法を創案するなど、常に時代の最先端を歩んでいた人物である。西洋の作曲家でありながら、日本をはじめとするアジア諸国の音楽や文化に深い造詣を持っており、自身の作品には浮世絵師 葛飾北斎の作品から影響を受けたとされるものもある。この度多重録音を行った《夜想曲》「雲」も、パリ万国博覧会で触れたガムランからの影響を色濃く受けている作品であり、曲中に現れる五音音階は、さながら尺八の基本音階を連想させるものである。 本作品は、雲海を思わせる重厚な響きや五音音階を効果的に表現すべく、長さの異なる10種の尺八を用いて録音を行った。ドビュッシーが抱いた東洋への憬れに、尺八アンサンブルで応えた作品である。
澤前学長コメント 竹をくりぬき穴をあけただけの、最もシンプルな楽器である尺八を1人の奏者の多重録音で、フルオーケストラに引けを取らない多彩な音色を使い分けてドビュッシーの名曲の魅力を余すところなく伝えているのは驚き! 超一流の弦楽四重奏団や、「奇跡のハモリ」と称えられるキングズシンガーズにも負けないハーモニーの素晴らしさも特筆に値する。ドビュッシーが聴いたら、彼のために曲を書きたくなるのでは···とさえ思う。

関連動画:目的は人の心に届けること。いろんな手段があっていい。東京藝大アートフェス2022グランプリ 長谷川将山「全員将山」

優秀賞

優秀賞は学内審査員により決定いたしました。

※氏名は五十音順です。

受賞者名 作品名
岩藤 愛実 Happy Virus
WALLER CAM リクレイム
柿原 諒也 ないはずのアトリエ
川崎 槙耶 HALLELUJAH JUNCTION
Sattapon Sareena I disappear, Therefore I am
篠原 美奈 あちらこちら
林 岳 空の畔
松本 伊代 エンタメストラック

 

アート・ルネッサンス賞は学内審査員により決定いたしました。

※氏名は五十音順です。

受賞者 作品名
東 弘一郎 無限車輪
足立 美緒 夜の海の彼方に
アルパカベース 古今東西
猪狩 萌 徒渉
江田 委織 銅燈籠「星霜」
岡本 都武 FAT BOT
金森 由晃 unidentified
上川 桂南恵 川の底の泥が頭の上にくるかもしれない
川谷 久海 うなぎ姫
木村 直 「みちしるべ」 国立ハンセン病療養所の記録と継承-沖縄愛楽園と宮古南静園 
草薙 樹樹 itsy bitsy
斉藤 七海 The Forest of Death and Life
坂本 ユカリ 木が呼んでいる
新海 大吾 しとしと
新海 友樹子 死ぬのに 生きてた おじいちゃん
蘇 鈺淳 豚とふたりのコインランドリー
曾 斯琴 人間花像
髙田 青二才 円愁率
髙橋 壮太 文化の日 製本前の 紙重し
髙橋宏治とオダアマネ espressivo
田中 ゆり Life, the Universe and Everything
張 馨予 ラヴィン
中村 みちる (Face)-to-(Face) I / for 2 violins
畠野 大志 とある生き物のはなし
原澤 亨輔 幻想
三澤 萌寧 逆マスクピープル
宮嵜 唯香 流れて浮かんで漂って
森 真柊 Seeds of Reasoning
吉野 俊太郎 Plinthess

ゲスト審査員特別賞は各ゲスト審査員が選考し決定いたしました。

■ゲスト審査員
○秋元康(作詞家)
○大野和士(新国立劇場芸術監督、東京都交響楽団音楽監督、バルセロナ交響楽団音楽監督)
○隈研吾(建築家)
○コシノジュンコ(ファッションデザイナー)
○さだまさし(シンガーソングライター、小説家)
○佐藤卓(グラフィックデザイナー)
○葉加瀬太郎(ヴァイオリニスト、作曲家)

※氏名は五十音順です。

作品名 Symphonic Photography
受賞者 赤石 伊央

ゲスト審査員 コシノジュンコ氏コメント 

まるで映画のシーンの様に音色をダイナミックに表現
宇宙感のある色合いですごい。

 

作品名 生まれるとき
受賞者 伊勢崎 寛太郎
ゲスト審査員 秋元康氏コメント 何かが生まれる前の“静けさ”と
“エネルギー”がせめぎ合う一瞬は美しい。
理性と感情のぶつかり合いのような。
土が土である前の過去の記憶と、作品としてその中に閉じ込められた現在の言葉が、生きていることの意味を教えてくれているような気がする。
どうしようもないことと、どうにかしたいことを見ているようで、僕は好きです。
ゲスト審査員 コシノジュンコ氏コメント 自然現象の可能性を美しい形の中に収めたくり返しのインスタレーションの面白さ

 

作品名 Happy Virus
受賞者 岩藤 愛実
ゲスト審査員 隈研吾氏コメント ウイルスも操作可能な対象になってきているのではないかというアイロニカルな提案であった。コロナにより色々な物事が制限され、見直される中、一方で広がっているデザインフィールドもあるのではないかと提案してくれる作品である

 

作品名 リクレイム
受賞者 WALLER CAM
ゲスト審査員 隈研吾氏コメント 素材や手法のミックスによって、いびつな皮膚のシワのような凹凸や、粘土か鉱物か判別のつなかない色彩が発生し、新しいのにボロさを感じられ、自然/工業製品が合わさったテクスチャが生まれてきている

 

作品名 SKINNED
受賞者 海老原 イェニ
ゲスト審査員 佐藤卓氏コメント 作品から強いメッセージを感じます。それは、並外れた描写力から来るのでしょう。久しぶりに動かない作品に感動しました。顔の正面と背面の2点の構成も素晴らしいと思います。
ゲスト審査員 葉加瀬太郎氏コメント とても 今 を感じる作品でした。メッセージも強い。技術も素晴らしい。文句なし。

 

作品名 曉白く寿ぐ
受賞者 川口 麻里亜
ゲスト審査員 さだまさし氏コメント 極めて素直に銀杏の生命感を描いて居る。ことに歳をとると蘖というか、「次の世代」という希望が恋しくなる。そこに心が動かされたのかもしれない。単純で素朴な分、生命への賞賛が誠実に聞こえた。

 

作品名 雲居六畳宇内図
受賞者 北上 貴和子
ゲスト審査員 葉加瀬太郎氏コメント 襟を立たす思いでした。アートの力はこうあるべき。

 

作品名 「みちしるべ」 国立ハンセン病療養所の記録と継承-沖縄愛楽園と宮古南静園
受賞者 木村 直
ゲスト審査員 大野和士氏コメント 作者の沖縄の海の写真があまりに美しいのでそれに気を取られていたら、その先に療養所への橋が見えるという。このコンストラストに自然と暗黒の歴史にも強い思いを馳せることとなった。
なんという残酷なことだろうか。
作者には、この感性を活かして、美と言われるものの周辺も含めて、幅の広い表現者として成長していただきたいと思う。

 

作品名 BOWL
受賞者 熊坂 美友
ゲスト審査員 さだまさし氏コメント とにかく美しい。金属でありながら金属を超えて感じる。この歳になればなかなか「これが欲しい」というものに出会わなくなるが、この作品は欲しいと思った。
なぜかは良く解らない。多分心が共鳴した。

 

作品名 21g
受賞者 栗原 侑莉
ゲスト審査員  秋元康氏コメント 淡々としたセリフの中に、半信半疑の哲学やまだ未完成な人生観が、消化されないまま、残っているのが好きです。
流れて行く風景が、凄いスピードで過ぎる人生のようで、その客観的な視線があるからこそ、二人のやり取りに共感できるんだと思いました。
次の作品も是非、観たいです。

 

作品名 I disappear, Therefore I am
受賞者 Sattapon Sareena
ゲスト審査員 さだまさし氏コメント 取り立てて目新しいアートとは思えないが、今世の中に最も求められている人間同士の体温に満ちていた。これなら私にも出来そうだと思わせて出来ないところにアートの本質を感じる

 

作品名 SCHALE
受賞者 常 露露
ゲスト審査員 秋元康氏コメント 何種類もの釉薬が、意図的に、それでいて、意図することなく流れて行く、自然が本来、持っている無意識のクリエイティブに惹かれました。
クリエイティブをコントロールできる部分とできない部分を楽しんでいる作者の“遊び心”が素敵です。
一方的な、成り行きに任せるのではなく、美への願いや祈りに似た不思議な力を感じます。

 

作品名 My Machine
受賞者 髙橋 瑞樹
ゲスト審査員 佐藤卓氏コメント マシンの動作が、なんとも人間味があって面白い。最終的な表現を、重力や絵具の滴など、自然に委ねているところに温かみを感じます。
これからのデジタル社会に求められる温かみかもしれません。

 

作品名 ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第10番≪ハープ≫より第4楽章
受賞者 タレイア・クァルテット
ゲスト審査員 大野和士氏コメント 皆、クワルテットに必要な、お互いを敬いながら聴き合う気持ちに徹していることが伝わってくる。
この呼吸を長く保持していただきたい。ベートーベンを系統的に取り上げたということだが、やがて、バルトーク、ショスタコーヴィチほか、レーガー6曲、シェーンベルク4曲(独唱つき)ミヨー6曲、シマノフスキー、ルトスワフスキーなど、歴史に残る名曲群にもぜひ挑戦してください。

 

作品名 離合・集散
受賞者 馮 瀟
ゲスト審査員 コシノジュンコ氏コメント 一人一人を尊重するディスタンス
一人一人の色合いや動きを表現した作品

 

作品名 不在のための電車
受賞者 藤中 康輝
ゲスト審査員 佐藤卓氏コメント 鑑賞者は電車が戻ってくることを想像できた上で、実際に近づいて来て、手に当たった瞬間をイメージしただけで、やってみたいと思いました。なんとも笑える面白さがあります。

 

作品名 存在の果て
受賞者 ポシュトヴァー ヴェントゥロヴァー クリスティーナ
ゲスト審査員 大野和士氏コメント 私も演奏のためチェコに行くたび、ガラス芸術を鑑賞し、その素晴らしさに感嘆しています。
作者は、チェコと日本の素材の差、魅力とするものの見方の違いに興味を惹かれたということですが、やがて、両者の良さを融合するような作品を作り出していただきたい。
ゲスト審査員 隈研吾氏コメント 一見均等に並んでいるガラスのビーズも、よくよく見ると群れになって反射する部分があり、奥行きのある細かな表情が生まれているところに二国の手法のミックスを感じた

 

作品名 エンタメストラック
受賞者 松本 伊代
ゲスト審査員 葉加瀬太郎氏コメント あー楽しい。2022年春、東京発。こうでなくちゃ。