
令和8年3月25日、東京藝術大学の卒業・修了式が行われました。今年度は、令和8年2月26日に発生した奏楽堂の舞台上部の天井音響反射板の落下の影響により、第6ホールにて行われました。

日比野克彦学長
「芸術の持つ力を使って、社会の課題に接続し、よりよい社会を築くために取り組んでほしい。東京藝術大学は、さまざまな地方自治体や企業、教育機関等と連携し、皆さんの力を発揮できる場を創っていきます。皆さんと一緒に社会を、世界をよりよくしていきたいと思います」
橋本和幸美術学部長
「私は昨年、足を手術し、しばらく車椅子や松葉杖を使っていました。そうした経験の中で、これまで見えていなかったことや、気づかなかったことに多く出会いました。皆さんはこれまで研鑽を積んでこられましたが、世界にはまだ見えていないもの、気づいていない価値が数多くあります。他者への想像力や思いやりを大切にしながら、自らの信念を持って、社会に向き合い、その見えない価値をかたちにしていく創作・表現活動を続けていってほしいと思います」
杉本和寛音楽学部長
「古い言葉に『艱難辛苦、汝を玉にす』がありますが、大変な災いや苦労を経験することで、逆に人は磨かれ成長するという意味です。皆さんの中にはコロナ禍に遭いながら、音楽とは何か、人間とは何か、ということを考えた方もいるでしょう。社会に出て思うようにならない状況になっても、自分のやりたいこと(音楽)としっかり向き合って突き進む。藝大で学んだことを糧に艱難辛苦を乗り越えて、新しい道を一歩一歩あゆんでください」
桐山孝司大学院映像研究科長
「2年前の入学時にやろうと思っていたことは実現したでしょうか? 映画やアニメーション、展示作品などを制作されたと思いますけれど、思った通りにできたら、それはすごいことですが、当初と違うものになったとしても、それはそれで2年間の価値だと思います。今は気づいてないかもしれないけれど、後になってこの2年間で得たものが栄養となり、自分を形作ったり、仕事に還って来たりすることがある。社会の中であらためて皆さんと共に発展していければと思います」
毛利嘉孝大学院国際芸術創造研究科長
「国際関係は難しい時期を迎えていますが、大学はむしろこうしたときだからこそ機能する場所です。歴史的にヨーロッパの文脈でいえば近代以前の大学は、いろんな国の人が国境を越えてディスカッションをする場所でした。これから大学はもっともっとそういう場所になっていかなければいけない。皆さんは卒業・修了しますけれど、藝大はいつでもディスカッションをしに帰って来られる場所(Home)だと思ってください」
国谷裕子理事
「これから思いがけない出会いやチャンス、困難、成功、失敗等があると思いますが、向き合い乗り越える覚悟を持っていただきたい。そのことによって勇気が生まれ、勇気をもって臨んだことで自信が醸成されます。皆さんが磨いてきた芸術家としての感性や直観力、物を見る視点、創造力に対して、多様な分野から大きな期待が寄せられています。ぜひチャンスに果敢に挑んでご自分の地平を広げていってください」
奏楽は音楽学部の伊藤恵教授、津田裕也准教授、佐々木典子教授が務め、今年度で退任を迎える伊藤・佐々木両教授にとっては教員生活最後の舞台となりました。
会場の外はあいにくの雨模様となりましたが、晴れやかな奏楽で式典は幕を閉じました。

| 日時:令和8年3月25日(水) 10:30~13:30(三部制) 場所:第6ホール 式次第 [第一部]大学院美術研究科(修士・博士)/大学院映像研究科(修士・博士)/大学院国際芸術創造研究科(修士・博士) 令和7年度卒業・修了生 『奏楽』 |

