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藝大COI拠点制作の”クローン文化財”を ミャンマー国立博物館がパブリックコレクションとして公開展示

2016年12月05日 | プレスリリース, 全て, 大学全般

 この度、東京藝術大学COI拠点が独自の文化財複製特許技術により制作したミャンマー・バガン遺跡※1の”クローン文化財”(複製壁画)が、2015年に首都ネピドーに建設されたミャンマー国立博物館(ネピドー)のパブリックコレクションとして公開展示されました。

 ミャンマー連邦共和国における”クローン文化財”の採用は、2014年11月にミャンマーで開催されたASEAN(東南アジア諸国連合)サミットにおいて、ミャンマー政府からASEAN+3の各国首脳への贈呈記念品として採用されたこと※2に続くものとなります。

 なお、今回の公開展示にあたり、ミャンマー政府文科省Kyao Oo Lwin考古・国立博物館局長から、以下のコメントを頂戴しています。

  「東京藝術大学のおかげで、保存のために公開が難しいバガン地方の壁画を、首都ネピドーの国立博物館で”クローン文化財”として公開展示でき感謝しています。今回の展示を通じ、われわれにとってかけがえのない文化であるバガン遺跡を正しく後世に伝えていくことができ嬉しく思います。また、より多くの方々にバガン遺跡の素晴らしさを伝えられることは、同地区の観光産業の発展につながり被災からの復興推進にもつながると期待しています。」

 今後も東京藝術大学ならびに同学COI拠点は、ミャンマー政府とのグローバルな連携を通じ、バガン地区における複製寺院の建立による文化共有や、クローン文化財を活用した観光産業育成、ミャンマー国立文化芸術大学との人材交流など、新たな教育・研究活動の展開と芸術文化交流を推進していきます。

※1ミャンマー・バガン遺跡は、カンボジアのアンコール・ワット、インドネシアのボロブドゥールとともに世界三大仏教遺跡のひとつと称され、歴史的、建築的にみても独自性を有した貴重な文化財です。大小様々に点在する白色や赤茶色の仏塔や寺院の多くは11世紀から13世紀に造られたもので、3,200基を超える仏塔や寺院の内部に描かれた壁画および天井画はシルクロードに伝わった仏教芸術とは異なった高い芸術性が内包されています。しかし、壁画の大部分は略奪や盗難、自然災害により損傷が著しく、2016年8月に発生したM6.8の大地震では約400基の仏塔に被害が生じ、いまだ非公開の仏塔も数多く存在しています。

※2:2014年11月12日付ミャンマー・バガン遺跡の複製壁画をミャンマー文化省へ寄贈
http://www.geidai.ac.jp/news/2014111224298.html
http://www.geidai.ac.jp/english/news/201411127786.html

藝大COI拠点制作の”クローン文化財”をミャンマー国立博物館がパブリックコレクションKyao Oo Lwin (ミャンマー文化省:考古・国立博物館局長)と
宮廻正明(東京藝術大学教授・同学COI 拠点研究リーダー)

藝大COI拠点制作の”クローン文化財”をミャンマー国立博物館がパブリックコレクションYe Myat Aung(ミャンマー国立博物館局長)と
宮廻正明(東京藝術大学教授・同学COI 拠点研究リーダー)
in ミャンマー国立博物館(ネピドー)