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「甦るべき明治 〜維新を支えた下絵の世界〜」展の開催について

2019年04月02日 | イベント, 全て, 大学全般

 東京藝術大学COI拠点は2019年4月4日(木)から4月12日(金)まで、東京・大手町の大手町プレイス2Fカンファレンスセンター前ロビーにて、「甦るべき明治 〜維新を支えた下絵の世界〜」展を開催します。

>>チラシ(PDF)

本展の内容

 2016年春、 2015年に完成した釈迦三尊像クローンの事業継続を果たすために鋳物製造パートナーだった高岡市の将来のクローン文化財製造拠点化を実現するために中小機構の支援を得て、伝統技術のさらなる現代化を目指すために過去の逸品の再現を試みることにした。高岡鋳物の最盛期は周知のように明治期にある。明治維新後近代日本の黎明期にあって数々の万博で日本工芸技術の代名詞となり、多くの逸品が輸出されたがそのために国内に残るものは少ない。その渦中、私たちは高岡市立博物館の資料室で思いもかけない資料を発見したのである。

 それが、日本技術近代化の最初のイノベーション事業とも言える明治10 年に行われた第一回内国勧業博覧会の際、産地からの要請で大久保利通、前島密、九鬼隆一らを中心とした明治新政府のメンバーが地方に産地の要請に応えて絵師たちを派遣して製作した銅器下絵の数々である。それは絵というよりもいわば設計図のようなものであり、様々な指定が書き込んであり、同時に絵画作品としても十分に価値を持つものであった。そこで二つのプロジェクトを企画した。一つは明治新政府が、おそらく島津斉彬など江戸末期に日本近代化を策した者達の遺志を受け継ぎ伝統技術を革新して国際的な品質とデザインを持つ逸品を作り上げ、不平等条約に左右されない日本の新しい経済基盤を作り上げようとしたことを今の人たちにレガシーとして展覧会を行うこと。もう一つは現品がないが逸品であったに違いない作品を3D 化し今に甦らそうという試みである。その過程の中で東京藝大に保存された技術も提供しながら過去の素晴らしい技術に通じ、しかも現代のテクノロジーをも操る新しい職人像を持つ人材育成を果たそうと考えたのである。レガシーとテクノロジーはヒューマンスケールに落とし込まれて初めて夢を見ることを許す 。 再現に取り組むこと2年、現在の産地においてはまだ外形しか現実化することができない。しかし、今回明治期の事業コアメンバーに関連する企業が多く参加する大手町プレイスにて下絵を展示するにあたってあえて、逸品と同時に展示することにした。それは明治の開拓者たちが味わったであろう、同じ産みの苦しみを共有したいからに他ならない。

 開催期間  2019年4月4日(木)~4月12日(金)
10:00-19:00 ※観覧無料
会場 

大手町プレイス2Fカンファレンスセンター前ロビー (東京都千代田区大手町2-3-1)
アクセス:東京メトロ大手町駅A5出口徒歩1分/ JR東京駅丸の内北口徒歩7分

主催 東京藝大COI拠点文化外交・アートビジネスグループ
共催 高岡市、高岡市立博物館、伊東順二事務所
協賛 NTT都市開発株式会社
企画、構成、演出 伊東順二(社会連携センター 特任教授)
学芸協力 高岡市立博物館
監修 原田一敏(社会連携センター 客員教授)
相原健作(社会連携センター 特任研究員)
仁ヶ竹亮介(高岡市立博物館 主査学芸員)
問い合わせ先 東京藝術大学社会連携センター
TEL 050-5525-2787